キューバはラテン音楽の発祥地
1492年、航海者コロンブスがカリブ海の島に辿り着く。
スペインがアメリカ大陸を領土にしました。(例外、ブラジルはポルトガル領)
広大な領土から採取した資源は、16世紀後半からキューバの首都ハバナにいったん集められる。
そこから船団を組んで、スペインに運ばれた。地理的に絶好の場所にあるハバナの港は、当時の世界有数の商業地になった。
そこでの文化の流入、ミックスからポピュラー音楽が生まれます。それがラテンアメリカ各地に流れていった。
キューバは全てのラテン音楽の原点と言える。
ローマ・カトリック教会の宣教師もカリブ海、南北アメリカ大陸にやってくる。
先住民は、インディオと呼ばれ、アメリカ大陸はインドの一部だと誤解されていた。
先住民への布教にあたって、大変重要視されたのが音楽。聖歌を教えたり、ヴァイオリンなどの弦楽器を紹介したりした。
教会を立て、そこにオルガンをスペインから輸入したり、製作者を呼んだり、ラテンアメリカに西洋音楽を導入したのは宣教師たちの力です。
やがて、アフリカから奴隷の輸入が始まり、彼らの才能も教会音楽で発揮させてそれをポピュラー音楽に反映させていった。
スペイン人たちは、サトウキビ畑の足りない労働力を補う為にアフリカから奴隷を輸入した。
このアフリカの血が持っている音楽性、リズム感覚が、ヨーロッパ音楽の表現に新しい発展をもたらす。
ヨーロッパとアフリカの音楽の血がキューバでミックスしたものが、すべてのラテン音楽の出発点。
アフリカからもたらされた音楽は、自然の神々と交流する為の宗教音楽で、奴隷制度の下では閉ざされた秘密結社の中でだけ生きていた。
1930年キューバ音楽のルンバが世界中で大ヒット。「ルンバ時代」。
キューバのルンバはアフリカ音楽そのまま移植されたもの。
アフリカの宗教音楽は、音程の違う三種の太鼓の複合リズムを土台にした(あるいはそれだけの)ものです。
ルンバは、そこから分かれてきた娯楽音楽です。ルンバは各種の打楽器と、即興の歌と踊りで作られます。
多種の型が同時進行する複合リズム、基本は二拍子だが、音楽用語でいうシンコペーションが特別では無くどの場面でも表れる。
ボレーロはラテンのロマンティックな歌の代表。
キューバにはギターを持ったトロバドール(吟遊詩人)がいて、彼らの歌を総称してトローバといいそのスタイルから産まれたのがボレーロで、1885年頃産まれた。
ちなみにスペインの舞曲とクラシックのボレロは全く関係無い。
世界的にルンバの王様と呼ばれたザビア・クガードは、スペインのカタルーニャ地方の出身。クラシックのヴァイオリンを習う。
重要人物
アルセーニオ・ロドリーゲス、ベニー・モレー、トリオ・マタモーロス、ボラ・デ・ニエベ、ノエール・ニコーラ
キューバはメキシコ湾入り口にあって、戦略的に重要な地です。
アメリカはスペインからキューバを買おうとして、スペインとアメリカで戦争になる。
スペインが負け、1899年キューバはアメリカ占領下で独立。1901年の条約でアメリカがキューバの政治経済の後見役とすること、グアンタナモ海軍基地をアメリカ領とすることが決められた。
1930年代、世界経済不況、アメリカの禁酒法、ハバナのマフィア支配下が入り、1933年キューバのバティスタ将軍とマフィアの間で、契約が交わされる。
コロンビアからキューバ空軍の飛行機で麻薬が運ばれる。
豪華ホテルやカジノが作られハバナは世界一の歓楽街となる。
堕落の都としての側面でアーティストの活動場所が増えアメリカ音楽市場への進出にも役立つ。
キューバ音楽の代表的楽器編成。
コントラバス、マラカス、ギター、ボンゴ、クラベス、トレス
キューバ革命はラテンアメリカに大きな希望を与える。政治思想は別にして、強い大国に小さな島国が反抗し成功したのだから。
革命後のキューバではトローバを伝統に新しい考え方を盛り込んだヌエバ・トローバという運動が起こり、若いSSWが情熱的に活動し始める。
ワールドミュージック研究者であるライクーダーがキューバ音楽の巨匠を聴きたいと思ったところから、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブの企画が出発しました。
キューバ音楽を支える楽器
宗教儀式に使われた太鼓も黒人社会のシンボルであるため、1940年代くらいまでは普通のダンスバンドでは使われずに差別されていた。
(トーキング・ドラムと言われ、それ自体で彼等は会話出来てしまう為、白人が強制的に取り上げていた)
たいてい三つが一組で、大きさ(音程)が異なり、叩く場所によって一つの太鼓でも音程が違う為、難しい複雑なリズムが合成される。
コンガは、アフリカのコンゴ地方から来た円筒形の太鼓。
ボンゴは小型のコンガを大小2つ1組にしたような楽器。
ティンバーレスは、ヨーロッパの楽器をキューバのダンス音楽用にアダプトしたパーカッション。シンバル、カウベルを付けてワンセット。
リズムをキープするのが、クラベス(拍子木)、グイロ、マラカスなど。
弦楽器は全てスペインの伝統から来ている。キューバ音楽でのギターは、リズムを刻むのが主な役目。
(2010~2014年頃、執筆)