果てしなき流れの果に
小松左京
角川文庫
日本SFのオールタイムベスト且つ小松左京の代表作。
時間をテーマにした壮大なSF作品である。
物語は、奇妙な砂時計の発見から始まる。
小説としては、本来ならシリーズ物にもなり得る位のスケールの作品を、短くまとめた感が強く、シーンが速い展開で切り替わり、且つ、設定も複雑になっている為、ついていくのが大変である。
パラレルワールドやタイムマシンの理論など、時間論についてわりと詳細に書かれている部分もあって面白い。
エンターテイメント性に関しては、分かりやすい作品とは言えないため、期待しない方が良いだろう。
読み終わった後、この作品に一体どういうメッセージ性があるのか考えてみたが、すぐに答えが出るものでは無い。
我々が生きる日常とは全くかけはなれている問題だ。
しかし、人はときに哲学的に、人間は何処から生じ、また、時はどこから始まったのか、などと考えるときがある。
そんなときに、思い起こす事になる小説だろうと思う。
この時代の作家は、作家であるだけでなく哲学者でもあったのだ。
私は、作家よりも哲学者に憧れる傾向があるのかもしれないが、SFが好きな理由もそういったところにあるのだと思う。
(2011~2014年頃、執筆)