キャッチャー・イン・ザ・ライ  
サリンジャー 
訳 村上春樹  

白水社

内容は、ホールデン・コールフィールドがペンシルヴァニア州の学校を退学になった後の話。
私は中学生の時に一度、この話を読んでいるが、今回は新訳である。
割と時間を掛けて読んでしまった。
ペンシルヴァニア州を退学になった一日の話なのに、非常に内容が濃密である。
しかし、誰しも人生の中では、何十年にも相当するような一日があるのではないか?
ここでは、コールフィールドの心の機微が重要で、大人になることで心の機微を省略して生きていくのだろうけど、コールフィールドにとっては現実的な生活より、自分の心の機微の方がずっと重要なのである。
コールフィールドの心の中にある、わだかまりこそが重要なのだ。

ホールデン・コールフィールドは退校処分になった後、スペンサー先生の家を訪問する。
そこでスペンサー先生は話す。「人生とはルールに従ってプレイしなくてはならないゲームなのだ」と。
強い奴ばっか揃ったチームに居たらそれはゲームでも構わないけど、強い奴なんて一人も居ませんというチームに居たら、ゲームどころじゃないだろうとコールフィールドは思うわけ。
コールフィールドは歴史の自由選択の記述問題で、エジプト人について書くことを選んだ。
その答案の下にエジプト人について興味も持てないし、英語以外の科目を全部落とすので落第にしても結構です。
とスペンサー先生宛に書いた。
そして、スペンサー先生にその件について話をしているときに、セントラルパーク・サウス通りの池全体が氷結したときに、アヒルたちはいったいどこに行くかという事について考えていた。
コールフィールドは幾つもの学校を退学している。
しかし、コールフィールドはたくさんの本を読む。一番好きな作家は兄のDBで、次に好きな作家はリング・ラードナーらしい。
ハーディーの「帰郷」やイサク・ディネセンなんかも好きで、ディケンズが嫌いらしい。
コールフィールドはペンシーの寮に住んでいるが、隣の部屋にはロバート・アックリーという奴が住んでいる。

(2011~2014年頃、執筆)