1952年度のヴェネチア国際映画祭で、国際賞を受賞している溝口健二の作品で、「雨月物語」と双璧を成す最高傑作。
井原西鶴の「好色一代女」を元に、溝口健二が構成を練り、依田義賢が脚本を書く。
浄瑠璃や雅楽が使われたりと、風雅な映像や音楽があり、外国人に受ける作品だったと思う。
ストーリーは、お春(田中絹代)が中心に描かれており、玉の輿になっては転落するという波乱万丈ぶり。
純なる恋慕が不義とされたり、家族の借金を返す為に島原で遊女となったりと、余儀ない人生である。
お春の役柄としては、厳しい封建社会を生き抜いた尊敬出来る女性であり、フェミニズム的なメッセージもあると思う。
現代は、婦人参政権やウーマン・リブを経て、女性蔑視の傾向は少なくなり、女性が生き易い社会にはなっている。
とはいえ、性欲の対象になる事を強いる社会的圧力や、女性に対するステレオタイプなど、問題点が残されてるんだよな。
話が逸れたけど、女性の人権に対して、この映画を通して考える処があったという訳。
映画の感想としては、田中絹代の様々な年代の役柄を使い分ける演技は、多情多感で見応えがあったと思う。
特に、夜鷹になってからの寂寥感ある演技は、一頭地を抜いていますね。
只、ラストシーンが謎なんだよな。お春の子供の殿様は、忽然と姿を消した後、杳として行方が知れなくなる、というね。
(そういえば、私の近所でも、何時の間にか居なくなったりとか、そういう事があったりするんだよな。)
(2025/5/1)
