祇園囃子

溝口健二の最高傑作では無いけど、シリアスな人間ドラマで、まぁまぁ面白かった。
主演の若尾文子も観る前は知らなかったけど、吉永小百合と同レベルの美貌があるし、人気もあったよう。
映画の最初の方では、舞妓の稽古シーンなど、芸者の芸術性を垣間見る事が出来る。
私も、茶道に興味があるし、芸者や舞妓の挙措に刮目していたが、動作が敏捷且つ滑らかで、艶やかである。
話し方も、京都弁に色気があって雅やかである。
梗概は、舞妓志願で頼ってきた娘(若尾文子)を、売れっ子芸者(小暮実千代)が、引き受けるといった処。
娘(若尾文子)は、母親が死んで、父親も体を壊して借金だらけで、まだ10代後半なのに芸者でしか生きていけない境遇な訳。
置屋には、おそらく似たような境遇の女性が多いのだろう。
映画上、旦那を持つ、とか言う台詞がわりと出てくるけど、通常の結婚の事では無く、妾の事なんだろうな。
60歳過ぎの客に、妾になるよう迫られているという、年若い芸者の話のシーンは、不憫で仕方無い。
生け花の稽古のシーンでは、日本国憲法の基本的人権にも触れているけど、社会的メッセージもあるんだろうな。
それで、売れっ子芸者(小暮実千代)は、特定の旦那を持たず働いていたが、大金が動く会社の取引の商談に巻き込まれ、その取引関係にある客に交際を迫られたが、断った為、置屋の女将の反感を買い座敷に呼ばれなくなってしまう。
その商談には、娘(若尾文子)も巻き込まれていて、もう一方の取引先の男に肉体関係を迫られたが、拒否して相手を大怪我させてしまう。
そうして、売れっ子芸者(小暮実千代)も、娘(若尾文子)も行き場を失くしてしまった挙句、売れっ子芸者も結局、商談相手の客に体を許してしまうという、悲憤慷慨するエンディング。
それで、芸者について、知識があまり無かったので、少し調べてみたけど、売春行為は昔(江戸時代)から公然と行われていたよう。
前借金の身売り制度もあったが、第二次世界大戦後は、禁止されたよう。
因みに、舞妓というのは、元々は、一人前の芸妓になる前の修行中の10~16歳位の少女の事だったよう。
これも、第二次世界大戦後、労働基準法により酒席接待が禁止され、18歳未満の舞妓は存在しない事になったという。
まぁ、こんな感じで調べてみると、今まで分からなかった事が色々と分かってきます。
最後に、一言で感想を言えば、理不尽な忍従を強いられても、不撓不屈の精神を持とう、と思いましたね。
幾つか腑に落ちないストーリーの箇所があったけどね。
(2025/4/26)