麦秋

この作品「麦秋」と「秋刀魚の味」も、観た事はあったと思うけれど、呆けて観ていたんだろうな、憶えていません。
まぁ、昔の映画は、国内外問わずに結構、観ていると思うけど、基本的に70年代以降の作品が多いんだよな。
国内の作品で、1950年代位の作品となると、そんなには観ていない。
それで、この1951年に制作された「麦秋」ですが、当時の東京の町並や鎌倉市の風景などが分かって、感興を催しました。
まだ、戦後6年しか経っていないのに、東京では高層ビルが並んでいて、そのオフィスで原節子が仕事をしていたり、ケーキを買ってきて家で食べてたり、中産階級の人たちは結構、瀟洒で裕福な生活を送ってたんだよな。
今まで観た映画、「ALWAYS 三丁目の夕日」にしても「キューポラのある街」にしても、労働者階級の人たちの話だったからな。
それと、「東京物語」を観た後、すぐに「麦秋」を観たけど、笠智衆がどの役をやっているのか、最初、全然分からなかった。
「東京物語」は、笠智衆が老け作りをして、老人役をやっていたんだよな、好々爺が嵌り過ぎなんだよな。
それで、「麦秋」の梗概は、20代後半の娘役の原節子が、両親や兄夫婦などから結婚を急かされて、兄が用意したお見合い相手とは会わずに、近所に住む顔馴染の医者と結婚して秋田で暮らす、といった処。
「東京物語」以上に、平坦な映画なのですが、暢気で春風駘蕩な感じが良いんだよな。
今回のテーマは、家族と結婚ですが、当時は世間体も窮屈で、結婚はしなくてはいけない事だったのだろう。
今も、生涯独身率は20%程度だから、結婚するのが普通なんだけどね。
でも、当時は珍しくなかったとはいえ、お見合いってどうなんだろう、とは思いますよ。
娘役の原節子は、結局はお見合いはせずに、直感的に近所の医者の男性と結婚するのですが、これで良かったと思います。
まぁ、インドの貧しい女性なんかは、お見合いどころか、結婚相手を選ぶ事すら出来ませんからね。
生活の為に結婚するしかないわけで、所謂、人権侵害ですけどね。
私も、過去にどうしても結婚という事を、現実として考えなくてはいけない時があって、まぁ、考えたわけです。
今まで一人で生きてきた自分が、一人で生きていくという事が許されなくなる、今までの自分であり続ける事も許されなくなる。
自分が子供を育てて生きていくという事は、どれだけの苦労を伴うものなのだろうか、と。
結婚相手に対しても、この人の為に一生頑張れるかという話で、相手の内面性が凄く重要なんだよな。
だから、お見合い結婚という形式は、理解出来ない処があるんだよな。
最後に、麦畑の道を花嫁が歩いていくラストシーンは風情があったし、全体を通してコメディタッチの雰囲気が良かった、と稚拙ながら、映画の感想を言っておきましょう。
(2025/4/14)