いつもありがとうございます。瀬谷松栄塾の田中です。

 

未来から逆算して進路を決めるにしても、4年後~6年後の世の中どうなってるかもわかりませんし、例えばその後大学まで行くとなると10年前後未来なわけですよね。なにしていいかわかりませんよね。私だって在学中に氷河期が来るなんて思っていなかった。

 

 

 

さて、受験が終わるともう次の世代の受験が始まるわけですが、実際に高校受験であればある程度以上の高校であれば中3から対策しても間に合わないことが多いわけですから、進路がどうあるにせよ「選べる状態を作る」ということは大切である、と思います。

 

 

大学受験に関しては仕組みも昔に比べてかなり複雑になっていますし、高校受験よりむしろ一人でこれを処理するのはきつくない?と最近常々思います。

 

中学で卒塾をした子たちに卒業後に会ったりすると「ここに来るレベルじゃない子が結構いて、指定校推薦狙うのきついかもしれない・・・」

 

そんな相談も受けたりします。実際に伸学工房さんのデータなど見ていると、「こんなにできるのに偏差値50の高校に来ちゃうの?」という子もわりといて、まあそれぞれご家庭に事情があるにせよ、「高校のランクを落として指定校推薦」みたいな話は昔からよく聞く話でもありますから、まああり得るのかな、と思いつつ

 

 

 

 

うーん、それでも、例えばみんこう偏差値57クラスが余裕で受かるのに偏差値49~52前後の高校に「指定校推薦を目的にして」行くこと自体はあんまり勧められないかな、と思っています。

 

行きたくてその学校に行くならいいんですよ。なにかその学校に魅力があって、勉強以外の何かを得たいと思って行くならそれは素晴らしいことだと思います。

また、中3で勉強バキバキにやって受かるより、言い方は悪いですが勉強はそこそこで合格したい・・・まあそれも別に本人と保護者の方がいいならそれでいいとも思います。

 

でももし単に「指定校推薦を目的にして」行く、ということは、まあこのあたりは価値観の問題でもあるのですけれど、あんまりうちは勧めないかな。

 

 

 

それは単純に・・・本当に単純なんですが

 

・同じように考える人がいるから

 

だけではありません。

 

 

  学力の壁

 

 

使っている教材のレベル

学校が求める学力のレベル

 

が偏差値48の高校と55の高校というだけで明らかに超えられない壁があります。

 

正直、48の高校の勉強は「テスト対策や勉強という点だけで言えば」もしかしたら中学より楽な高校もあるかも知れません。まわりもみんな同じレベルですからね。それこそ物理なんかは「公式に当てはめれば答え出るじゃん」レベル。

 

で、このレベルで「自分は高校レベル大丈夫じゃん」と思ってしまうとヤバイ。

 

はっきりいって、もし指定校とれなければ(特に理系は)全く戦えません。取れても相当勉強しておかないと入学してからきついでしょう。

 

 

  指定校とればいいんでしょ

 

まあその分がんばれば評定は取りやすいのは事実ですが、前述のように「同じような子がそれなりにいます」。たくさんでないにしても、そもそも

 

偏差値48と55の高校では持っている指定校の数が違う

 

たとえば48の高校では、MARCHクラスは1校あるかないかだと思います。当然取り合いになるので求められる平均評定は4.8くらいになってしまうかもしれない(みんなが同じように考えて誰も出願しなかったというケースも何度か見ていますが、そこは本当に運頼みです)。

 

え、でもデータだとほとんどの人が指定校とかAOで進学してるけど・・・と聞きます。

 

そこでどんな学校の指定校推薦があるか、というと、たしかに校数はある。あるけれど

・専門学校や短大含む

・そもそも学校型推薦でも1.1~1.2の低倍率

・一般受験は1.0~1.2倍の低倍率

・静岡、山梨、栃木、群馬、埼玉もそこそこある(通えない)

 

これらの条件を外した場合、実は枠自体は 文系20、理系15くらいしかない・・・なんてことも。そうなると上位1割に入っていてギリ指定校推薦取れるかどうか、となってしまいます。

 

そして48の高校ですと(もちろん55の高校もですが)正直学校の授業だけで一般受験突破するのは相当厳しいです。勉強に対しての価値観もそうですし、量も周りと比較しがちになりますから、圧倒的に足りなく、そしてまた授業も本当の基礎中の基礎しかやらないことも。

 

となると、もし指定校向けの勉強(学校で点数をとるための勉強)しかしてこなかったとすると、万が一取れなかった場合「やらなければいけない勉強量が格段に増え」ます。しかし本来の大学受験で必要な学力のレベルを把握できていないから(周りと比較できないから)、どれだけやっていいかわからず、伸び悩むということもあるかもしれません。

 

いや、別にいいんです。例えば大学は私立しか受けないと決めているのであれば、学校の授業や宿題がゆるいところに行って、資格とりまくったり、3科目に絞ってコツコツと勉強するなどできますからね。

中途半端に偏差値60くらいの学校に行ってしまうと全教科ガチでやらされたりしますし、共テも半強制になりますし、宿題の量で圧殺されてしまったりすることもあります。

 

それを考えた上での選択なら全然いいと思います。「近いから」という流川楓(©井上雄彦 スラムダンク)のような理由だって全然かまわない。時間は大切ですからね。

 

 

 

でもあくまで「指定校推薦のためだけに」本来の能力より低いところ行くとすると、ちょっとデメリットの方が大きいかな、とは思います。(単純に指定校推薦が欲しいだけなら、私立に行ったほうが良いという現実もあります・・・がこの前そこそこの私立でも指定校がどんどん減っている事実を確認していますからなかなか難しいですね)

 

中学生のうちからそこまで先のことを考えて進学先を考えなきゃいけないのはうーんちょっと面倒だなあと思わなくもないですが、もし大学進学を前提で高校選びをするのならばこういった視点は持っておいた方がよいです。

少なくとも私たちが中学生・高校生だったころとは受験そのものが大きく変わっていますから。