いつもありがとうございます。瀬谷松栄塾の田中です。

 

最近、自立指導っていうのは本当に必要なのか、と考えています。自立指導塾の自分がこういうこと考えるのもなにとち狂ってんだ、という気がしなくもないけれど、それでも書く。

 

 

 

 

高校生の指導を始めてからもう4年。

 

 

もともと指定校推薦狙いの高等部で、中学の時に仕込んだ勉強のやり方がきちんとまっとうできれば普通に指定校取れると思ってはいたものの

 

実際は、

 

・同じレベルでの勉強ができない

部活がきつくなる&移動時間の問題で、純粋に自由時間の確保が難しくなってくる上に教科数も多いためだったり、やっちゃダメと伝えている勉強方法に戻ったりしてしまう。明日から本気出す的な流れが少しあって、「後で取り返せるから」のように舐めているふしがある。偏差値60前後の高校生にありがち?やればできるから、という謎の自信がある。

行動範囲や自由度も増えるため、自律すること自体が難しくなってくる。

 

・指定校を確保できる内申が上がっている

過去3.2で取れた学校が3.5になったり、3.5のところが3.8になったりするだけでなく、競争も激化しているため、4.3くらいでも3.7基準の学校の指定校が取れるか取れないかになってしまう(もちろん学校による)

 

・いわゆる偏差値50前後の高校が持っている指定校の絶対数が減っている

特に理系学科に関して、去年まであったものが減る・なくなる、基準が上がるというのが(観測範囲内では)多い気がする。

 

まあね、できないもんはできない、としたうえで、現実的にどう戦っていくか考えなければいけない。

 

そして今戦いの真っ最中である。

 

大学受験は勉強を教えるというフェーズより、どれだけフォローし続けるか、どうやってフォローし続けるか。うちの受験する層に関して言えば本当にそれが全てと言ってもいい。

 

まず受験校の選定。高校だとまず「近場」「学力が同程度」から探すのだろうが、大学になると「通える範囲の拡大」「やりたいこととやれること」「その後の進路」等についても考えなければならない。

 

先日ある高3生の受験予定表を見せてもらったうえで相談を受けたが、基本的に

「MARCH」「日東駒専」「それ未満」

から、1-1-3くらいで偏差値と学部の名前だけで選んでいる感じであった。しかしいずれも「やりたいこととの不一致」だったり、「現状の学力との不一致」だったり、問題の傾向も全然違っていたりと下手をすると1校も合格できないのではないか、という状況であった。

 

 

調べればわかるじゃん、それくらい調べろよ、となる気持ちも一瞬なかったと言えばうそになるが、しかし正直「そんなものを探すのに高3になって時間割いている余裕はない」というのも正直なところで。そうなると結局、「ある程度分かる人」に相談するのがベターなのかな、と感じた。

 

実際学校や塾ではそういった形の指導はほぼされないようで、そもそもそういった違いがあることだったり、有名大以外の大学の存在自体がないものになっている、ということも多そうだ。

 

となると、こういったことを準備したり、受験日がかぶらないように調べたり等、正直結構な手間である。出願のタイミングもそうだ。締め切りが受験日で提出できない、なんてことも避けなければならないが、この時期の高3生でそういった細かいところに意識を割かすより代わりにやってあげよう、となっている。

 

結果的に

学力や受験方式別にリストアップ・入学手続き締め切り日とより高い希望の大学の合格発表日との調整など、今年度は全部やった。やった上で案を出し、本人の希望に沿う形で決定していくということをやったけれども、ではこれは果たして自立していると言えるのか。

 

いや無理だろこんなのきついわ

 

勉強しながらこんなのやってられんよ。学校で作らされるけど、その前に志望校の選定自体がおかしいからね!!まずはそこからでしょ!!!実際、学校で作る時期と受験直前の学力なんて全然違うんだし(良くも悪くも)想定通りいかないわ!

 

 

 

 

勉強指示自体も小中学生より高3生の方がよっぽど細かく出している。

小中学生はまず教科書の順番通りに進める必要がある中で、高3生はそうじゃないからね、ほっといたら自分がやりたいことを自分がやりたい時間だけやる。

 

中堅レベルの高校受験まではそれでいいけれど、大学受験でそれでもうまくいくのはやっぱり客観視が普段からできる、相当ハイレベルの子じゃないかな、と思う。

 

 

少なくともうちは今後も大学受験に関してはこの方針でいこうと思う。ちょっと今の価格じゃやってられない、と思う部分も多々あるが。受験そのものに相当お金かかるのであんまり取りたくない。

 

 

では小学校、中学校ではどうなのか。

 

 

 

最近、個別指導コースを選ぶ生徒も、それを勧めなければいけない生徒も増えている。

 

 

当塾に限らず、自立指導という学習スタイルは「自分で勉強してもらわないとはじまらない」「それができなきゃ成績があがるわけがない」という信念と、一方で人件費の削減による価格低減や人員不足の解消が目的の一つであるという現実は絶対にあって、じゃあそれを無視した場合にどうするか、というと

 

やはりそれなりに教えるということはしないとだめだなあ、というのが正直な感想。ほっといたら何するかわからない。それは勉強の仕方自体をどれだけ教えてもそう。勉強の指摘はもちろん、わからないことを自分で調べるだけでなくとっとと聞いてもらうということも増えた。

 

「すぐに聞く人間は自分で覚えようとしない」確かに仕事でもそういった一面はあるかもしれない。でも、「聞いても教えてもらえない」と感じたら聞かなくなるし、勝手にやって勝手に失敗してそのリカバリーに苦労する、なんてのも良くある話のように思う。

 

結局、そのへんは塩梅なんだな、と。

 

正直なところ、以前よりも「言われたことを言われたようにやる」こと自体ができない子が増えてきたように思う。

 

「この問題を30秒で解け」とかそういうことでなく、「前を向いて」とか、「これを写して」とか、「〇ページを開いて」とか、この程度の指示すら通らない。

 

 

勉強を通じて身につけてほしいことなんてたくさんあるし、別に他人の言うことをなんでもハイハイ聞く人間になれとも思わないけれど、単純な指示も実行できないと困るのは間違いなく本人・・・いや・・・・正確に言うと本人の周りの人かもしれない・・・・・

 

 

そうなってほしくないから、「言われたことを実行する訓練」自体はすべきだと思うし、それをしないで自分で考えたやり方でやるのもやっぱり違うと思うので、以前よりは細かく指示するようにしている。

 

ではこれを自立指導と言っていいのか、というと

 

 

知ったことかー!!

 

という感じ。

 

個人でやってる塾だからこそ、状況によって指導方法はやっぱりなんだかんだ微調整して使い分けている。来年はまた違うことを言っているかもしれない。

 

 

ただ前ほど「自律的な勉強」を期待する方が間違ってるんじゃないかとも思っている。

 

 

あくまで、個別指導塾でも集団指導塾でもないから、適したジャンルがないのでこういう風に言うだけで、あえて〇〇式というのであれば公〇式に近いようなおっと誰か来たようだ