※2021年の記事を加筆修正しました。

 

こんばんは。瀬谷松栄塾の田中です。

 

 

 

当塾は中3夏以降は「神奈川全県模試」、それ以外の生徒は育伸社の全国模試を実施しています。本来この育伸社の模試は「月例テスト」として毎月やるほうがいいのかもしれませんが、模試そのものは安いものでもありませんし、年3回、その学期の復習の位置づけと定点観測の意味も含めて実施しています。

 

あまり勉強が得意でない生徒が入塾すると、模試も「もう少しできるようになってから受けたい」と言われるケースも多いのですが、入塾時の現状を把握し、お互い客観的な数値を知っていてもらう、ということも必要だと考えているのでできる限り受験していただいています。

 

 

もちろん、本当に勉強な苦手な生徒だと、模試を受ける5時間が無駄になるという現実はあるので、終わり次第終了。早い生徒は1時間で全教科終わらせます。文字通り「終わらせます」

 

本人にとっての目的は「終了させること」なので、一切考えたりもしないケースも。

 

 

そんなの実力じゃないから、というお声もあるにはありますが、そういう「粘り強さ」も含めて実力なのではないかな、と思います。

※一方で時間かければいいというものではなく、どうやってもできないなら見切りをつけることも大切です。

 

 

 

  ■結果は散々

 

 

 

出てくる結果は、偏差値30台なんていうのはザラです。26なんてものも稀に見ます。

※ただ、偏差値20台の場合は、「測定不能」と言ってもよい状態(0点以下は取れない)なので、相当厳しい戦いになります。

 

肌感覚では、12月頃に「学校の勉強についていけなくなってきた」と中1が入塾した場合、そのときの偏差値は36程度です。

中2秋ごろでついていけない、と来る生徒で38くらいでしょうか。また、内申(つまり成績表)は悪くないのに偏差値は低い、という生徒も少なくありません。いずれにせよ、やらなければいけない・やるべき課題はたくさん見つかります。

 

 

偏差値は平均が50です。偏差値38は全受験者の中で下位12%前後となります。1000人いたら880位くらい。あくまで模試受験者の中で、となるので、学校ではここまで下位になるわけではありませんが。(ちなみに偏差値28だと下位1.4%程度なので1000人中985位とか・・・)

 

1年、2年継続して勉強していくことで、平均的に一年あたり偏差値5~7上がるりますが、学力は一次関数のように伸びるのではなく、どちらかというと

 

停滞期があり、ちょっと伸びて、下がって、またちょっと伸びて。ある境界域を超えるまでは全く上がらないことさえあります。そのブレイクスルーをなるべく早い段階に持っていくためには、特に勉強の苦手な子の通塾は早い方がいいとも思います。意味ないとは言いませんが、実際に入試後にブレイクスルーするケースも存在しますから。

 

 

  ■模試をやれば課題が見える。

 

 

 

模試をやることによって、いろいろな課題が見えてきます。というか課題が見えてこないなら模試なんてやる必要もないというレベルですらあると考えています。

 

 

で、実際にどんな課題がまず見えるか。

 

「これで成績が決まるわけじゃないから適当でもいいや、わからなかったらめんどくさいから空欄で出しておけばいいや」

 

 

という気持ちが、ほぼすべての生徒に見え隠れするということ。

 

 

この「考えるのがめんどくさいから空欄でいいや」の姿勢は、普段の勉強で現れます。

 

例えば、ろくに考えもしないで「わかりません」。

 

例えば、ろくに考えもしないで「模範解答を見る」。

 

そして、「あ、そっか」とさもわかったかのように赤ペンで答えを写す。

 

当塾はまずここを徹底的に潰すことに力を注いでいます。

 

 

 

実際にあった出来事ですが、入塾したての生徒です。

国語のテスト開始12分で「終わりました」

 

「え?早すぎじゃない?こことかこことか空欄じゃん」

 

「えーでも考えてもわかんなかったんで」

 

※空欄を作らない、という指導自体は必ずしも有効ではないと分かったうえで指摘をしています念のため。適当に埋めるだけなら害悪でしかないので

 

「どこだかわからないなら少しは考えてみようよ、本当にわからないなら悩む時間は無駄かもしれないけど、さすがに12分じゃ問題読んで考えないで答え埋めてる時間とほとんど変わらないから」

 

「えー。。。わかりました」

 

 

5分後見にいくと、念入りに読んでる読んでる。

 

 

書けるところが書けたので、回収。

 

 

採点。さっき空欄だったところは正解していた。よく読めばわかるってことじゃん。

 

(答えを教えたわけでも時間を延長したわけでもないので今回はカンニング扱いはしていません)

 

 

実際この生徒は初日と二日目、計算問題でもちょっとめんどくさい問題は「わかりません」と空欄で持ってきてました。

 

「本当にわからないの?最初からちょっとやってみ?」

 

「できました」

 

「めんどくさいからわからないっていっただけだろ」

 

「はい」

 

 

 

本当にこれ、これを潰さないと自立学習なんてできません。

 

 

また、この「学校の成績決まるわけじゃないから適当に受ければいいや」っていう気持ちって、事前の準備、つまりテスト勉強にも影響してくるんですよね。

 

 

「ありのままの自分で受けて、ありのままの評価を受ける」とか、ちょっと中二病入ってると考えちゃうかもしれませんが、まあ確かに入試でもないのに「直前にノートや参考書めくって、たまたま見た問題が出た」とかね。これ全く意味ないですからね。でも、その前に「テストがあるとわかっているのに準備してこない」というのはね、やはり勉強への姿勢そのものでもあるのかな、と思います。

 

こういうことを言う生徒の4割は「成績がつくテストは頑張るけどその瞬間しか覚えてないので3日後完全にリセットされている」ことも。

 


先ほど、「成績が決まるわけじゃないから適当でもいい」と書きましたが、こういう生徒のうち残りの6割くらいは「学校の小テストでも準備しません」

範囲が分かっていて、出る問題もほぼわかっていて、覚えるだけの漢字テスト・単語テストで9割取れないっていうのはまさにそれですね。実際生徒に聞いてみると、小テストの平均は9割どころかが6割行くか行かないかというのも多いとか。

 

 

もうね、成績を上げるというのは、こういうところにどんどんメスを入れなきゃいけないわけですよ。

 

 

 

 

普段の勉強ではできているのにテストで出来ていなかった場合は、それを指導に生かさなければいけない。

 

 

「本当はふだんわかっているフリをしているだけなのか?」

「緊張で頭が飛んじゃったのか?」

「舐め腐ってんのか?」

「単元を指定されないと出来ない、パターンマッチングになっているのか?」

 

 

その原因を探ったうえで対策を個々にたてる。

 

 

うちの模試は、こういった位置づけです。