我が家は家族がADHDでかつASDという発達障害をもっています。発達障害を持っていると、一般社会で日常生活を送るために嫌でも知識が必要でしたから(基本的にそういうことを教えてくれる場所はあまりありません)、自分で調べて情報を手に入れるしかありませんでした。

 

私も恥ずかしながら小学校低学年の通知表はとてもじゃないですが見せられません。

 

「授業中いつも歩き続けています」「自分もやらないくせに他人がやっていないことを告げ口しにきます」

 

※今は通知表のコメント欄はいいことしか書きませんが、当時はこういう物言いが普通に行われていました。

※逆に、よくないことも良い言い回しで書いてあるため、その言葉の裏が読めないと自分の子の課題が見えてきません。

「つまりこれってこういうことですよね?」と先生に尋ねると苦笑いしながら「今はそういうこと直接的に書けないんですよね~」学校の先生も大変である。

 

右と左がわかるようになったのは小4。そこから勉強を続けて、小5で追いついた感じです。

 

そこそこに勉強して、またこういったことを公言しているからか、割とそういったキーワードで塾を探される方も少なくありません。入塾されるかされないかは別として、今年年間のお問い合わせの約半数は「グレーゾーンを含む、発達障害を持っている可能性のあるお子様をお持ちの方からのご相談)」でした。

 

とはいえこちらも総生徒数が20を超えることがほとんどないような、塾長ひとりの小さな塾ですから、全てのお子様に対してそこまで手厚くできるわけでもありませんので結果的に入塾につながらなかったりもします(本気で支援をしようと思ったら今の金額ではできません)が、それでもこういった勉強をしておくこと、し続けることには私がここで塾を開いている価値の一つにもなるのじゃないかなあ、と思っています。

 

 

小学校の高学年になるにつれて徐々に落ち着いてくるケースなどは、やはり小学校低学年~中学年の学習内容が漏れていますから、その結果として高学年の学習内容が理解できず、「俺はやってもできないんだ」となってしまったり。ですから小学校中学年の内容から復習していくと、わりとあっさり現在の学習内容に追いついたりもしますし、毎年何人もそういう状態にしてきています。

 

実際の体感ですが、「勉強が苦手」と塾に来られる生徒のうち何割かはグレーゾーンであろうと感じます。

「差別する」とか「馬鹿にする」という意図ではなく、本人の特性に合った指導をすべき、と私は考えています。

 

 

 

そのため「より深い勉強が必要」と感じ、先日、こはけん(一般社団法人こども発達支援研究会)の支援者向け講座を受けてきました。

今回学んだ内容はASDとADHDに対してのアプローチの違い、特性によってのアプローチの違いでした。

ケーススタディを通じて「こういう特性がある子にはこういう対処が有効」ということを学びました。

 

また行動を観察することにより特性を推測するポイントも学ぶことができました。

 

 

我々は医者ではありませんから、診断することはできません。しかし一方で、診断を受けていなくても困っている子がいることも事実です。

 

人間は多かれ少なかれ個人によって違いますし、感性も違います。パターンマッチング自体が必ず良いとも限りませんが、指導方法の引き出しが増えることによってひとつひとつが結局生徒のためになると考えております。