予定のなかった里帰り | セクシー齋藤の「まさに!圧倒的!」

予定のなかった里帰り

週末のバーチャファイター5FSイベント。

「PRE格闘新世紀」池袋、石巻。


両会場ともに、多くの方にお越しいただき、

参加してくださった方々のご協力と、何と言っても

下田麻美さんの尽力もあり、大盛況だった。



余韻に浸りながら、イベント翌日に東京に戻ろうと

したときに連絡が来る。



祖母急逝とのこと。




たった1週間前には、100歳を祝ったばかりと聞いていた

ので、まさに寝耳に水だった。



乗るはずだった東京方面の新幹線を反対ホームから見送り

その後新青森行きに乗車した後、地元駅に到着するまで

どんな心境だったのかを記憶していない。


放心状態という言葉がそれに当てはまるのか。



高校卒業後、地元を出て以来、自分の中で止まっている

時計が多すぎる。


あの頃の風景と、そこにあった当たり前のものが、止まった

時計と共に記憶に留まり、それは突如として動き出しては

壊されていく。




というより、自分だけが取り残されたような気持ち。






祖母は大往生だった。




自分が帰れなかったり、その記憶に残る祖母からは

想像もつかないほど小さくなっていた。



まるで呼び戻されるかのようなタイミングだった。



久しくあえていなかったことで、最後くらい顔出せよ、

ってことだったのかもしれない。





祖母のためにたくさんの親戚が集まった。


20年ぶりに再会した親戚もいた。




互いに知らなかった20年を、限られた時間で語りあう。


季節感もなく、ただただ時間に追われて生活していた

自分が失っていたであろう、親族との時間がいかに大きな

ものだったのかも改めて実感した。




タイムスリップしたように、幼少期、正月に集まっていた光景

が蘇り、何か大事なものを思い出させてもらったような気持ちだった。







偶然なのか。







祖母を見送ったその日。




従姉妹が、男の子を無事出産した。


ついこの間までは、妹みたいな存在だった従姉妹が、

いつの間にか母親になった。




取り残されたように、

悲しみと喜びを同時に表現するほど器用ではなくて、

ただ、自分の知らないところで、止まっていたと思っていた

時計が確実に時を刻んでいる事実だけ痛いほど感じた。







ちょっと見失ってしまっている何かがあるような気がした。




それに気づきの機会を与えてくれたのかな。