渡辺保 『私の「歌舞伎座」ものがたり」 | mayaのブログ

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ほとんど観た歌舞伎の話

劇評家、渡辺保さんの四代目歌舞伎座回顧録。
渡辺さんのHPはこちら。

http://homepage1.nifty.com/tamotu/

どんな見巧者の感想も、初心者の感想も、感想は感想だと思う。
ただどうしてその感想に至るのか、劇評家はそこを説明してくれるので、
納得しやすいことが多いし勉強にもなる。
それでも自分の主観を大事に観ようと思うので、
人に勧める場合には劇評家の弁を借りることもあるけど、
自分が観る時は事前に読んでもオフにしている。
あとでまた読み返したりするけど。

そういうわけで渡辺さんには結局お世話になっているのだった。

この本の前半は、私が見たことのない役者さんたちの話なので「ほお~」と読む。
後半になって少しずつ観た人たちが出てくる。
観た当時、ただぽけーっと観てたことが、そういうことだったのか、だったり、
あのころ感じてたことが案外的外れでもなかったんだな、だったり、
私の歌舞伎座の日々にだんだん重なってきて懐かしかった。

特に同窓会@野崎村(2005年)は、とても感動した野崎村だったので、
それを詳しく書いてくれているのが嬉しかった。

それと普段は拍手をしない(主義らしい)渡辺さんが、
思わず吉右衛門に拍手をしてしまったくだりがおもしろかった。
私も最近は拍手で音を出さないようにしているんだけど、
(役者さんはしてほしいらしいので音なしでしたりする)
どうしようもなく、気がついたら拍手してることがある。
いい演技は、自然に拍手を巻き起こす。
だからお願い、「してください」なんて言わないで、なのだ。

それにしても古典芸能と時代はどのように折り合っていくのが双方にとっての幸せなのだろう。

渡辺さん、2月は観劇記をアップされていない。
する気になれなかったのなら仕方がないが、
体調が悪くないかちょっと心配だった。
昨日発売の「演劇界」に團十郎への一文を寄せていらっしゃって安心した。