JR東海キハ85系(グリーン車) | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

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JR東海の非電化区間で長年主力を張っていたキハ85系。自慢のワイドビューにカミンズ製の超強力エンジン、これに振り子なんざ付こうもんなら色んな面で最強の気動車特急車両の称号を手にしていた可能性があります。それでも、キハ80系時代からは大幅な所要時間短縮を図った功績は大きいです。

 

国鉄分割民営化の産物とも言えますが、高山本線の特急「ひだ」について1日4往復は高山本線を全線走破、JR西日本管内の富山駅にも入っていました。基本は3両、グリーン車・普通車指定席・普通車自由席各1両で運転されてきましたが、後継のHC85系ではグリーン車の連結が無くなり、モノクラス2両(繁忙期4両?)での運転となってしまいます。

 

トップナンバーですね。今回は2つの形態があるグリーン車のご紹介です。グリーン車に関しては「ひだ」からの撤退で、一足早く定期列車での営業を終了してしまいましたね。

 

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さて、まずは「南紀」に連結されていた半室グリーン車へと参りましょうか。元々は「ひだ」に連結されていた車両で「南紀」には後述の全室グリーン車が連結されていたのですが、利用実態に合わせて交換、その後旅客減少の煽りを受けて一足早く定期運用から退いた車両となりました。というわけでデッキから、ドアです。湾曲した手すりがいいですね。わずかですが足元にはステップが残されております。

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その横には業務用のスペースが。車掌の確認用と思われ窓も開きますが、一般乗客は弄らない方が幸せですね。

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トイレです。普通車はバリアフリー対応車両以外は和式でしたが、こちらはさすがに洋式となっています。


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車内です。半室のみの設定にして四列配置、JR時代にしてデフレ感漂う仕様でございます。とは言え、HC85系に引き継がれたのはこっちの形態ですので、JR東海としても扱いやすかったのかもしれませんが…。

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デッキとの仕切りです。丸い仕切り窓が3枚並んでいるのが特徴です。

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こちらは別バージョン。この仕切り扉上のLED表示機は新幹線の100系に似たものになっていますね。

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天井です。こちらは普通車と大きく変わりません。

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荷棚上には読書灯が設置されています。角度も変えることが出来ます。

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窓です。2席に1枚が割り当てられています。

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このグリーン車のスゴい所は、日除けがホテルの客室の様に二重の横引きカーテンとなっている所です。今時グリーン車でもフリーストップ式のロールカーテンにしてしまう車両も存在する中、あくまで安静と快適さを追求している点は拍手です。

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座席です。2列席オンリー、4列配置となっています。各列車臨時で全室グリーン車が同時に連結されることがありましたが、同じ高いグリーン料金を払ってこのいみじき設備格差は悲惨としか言えません。


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付帯設備はテーブル関係ではシートバックテーブルにインアームテーブル、角度可変・土足/土足禁止両面を備えたフットレスト。この辺りはグリーン車の付帯設備としてはデフォルトと言えるのに加え、フットレストは展開状態ですと布地の面積がどこのグリーン席よりも多く取られているのがポイントです。座り心地もJR東海のグリーン席らしく不満点は少ないと言えます。がしかし、やはり半室4列配置というのがつくづく残念です。空間制約の関係で横幅も詰め気味、センターアームレストに関しては普通車のそれにちょっと飾り気を付けました程度の差しかありません。セミハイデッキ化されているのは普通車と同様ですね。


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荷物置き場もあります。飛騨地方にはスキー場も多いので、長尺ものも置けるようになっています。

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続いて「ひだ」で運用されている全室グリーン車です。先述の通り元々は「南紀」に連結されていましたが、晩年「南紀」への連結は臨時のみとなっています。やはり半室グリーン車と比べると迫力が全く違いますね(^^;;

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デッキ仕切りです。3列配置のため、仕切り扉が寄せられています。

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最前面です。全室グリーン車は非貫通型車両のため、よりクリアな展望が開けます。

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天井です。こちらはやはりデザインが揃えられています。

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座席です。まずは2人掛けから。先程の半室グリーン車とは明らかに座席のゆとりが違います。

 

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付帯設備は先程の半室グリーン車と同一ですが、横幅はこちらの方が恵まれています。これが3列席のゆとりと言ったものですね。

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続いて向かい側の1人掛けです。

 

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肘掛も重厚そのもの、残念なところと言えば、先端が金属仕上げとなっていることですね。冬場を中心にひんやりバチバチいってしまいそうで戦々恐々、肘当てをもう少し延長してくれればよかったのにな、と。

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全展開の図。座り心地はこちらも東海クオリティ全開、クッション性から横幅からほぼバッチリと言っても問題ありません。現存するJR東海の車両の中ではトップクラスに君臨するかもしれません。ただ、フットレストに関しては先程の半室グリーン車に搭載されたものの方が重厚感がありましたね。

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かつてはオーディオサービスがありましたが、現在ではサービスを終了し、パネルは塞がれています。

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こちらは色違い。色調がより灰色に近くなっています。

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向かい側の1人掛けです。こちらも他の車両と同様にハイデッキとなっておりまして、乗り降りの際につまずかないよう注意が必要です。

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デッキ仕切り際と最前面の列のテーブルは折り畳み式です。普通車と違う点は、折り畳んだ状態でもペットボトル程度を置くスペースを確保していることですね。