JR北海道キハ261系5000番台 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

北の大地を走るJR北海道、安定した運行を求められる定期列車の運転が最優先と言えど、必要な時には必要ないわゆる「リゾート列車」と呼ばれる車両群の老朽化も目立って来ていました。そこで、多客時の臨時列車へも充当出来るような多目的特急車両が2本登場しています。

 

リゾート列車はそれぞれ独立したコンセプトを持って登場しましたが、安全やらお財布事情やらを鑑みてか安定のキハ261系1000番台をベースにした車両となっております。ですが、番台区分はこれまでリゾート列車に付与されてきた5000番台となっています。こちらはトップナンバーの「はまなす」編成、先に出ていた同じはまなす色のE653系よりも似合っているように思うのは私だけでしょうか(笑)

 

走行性能は1000番台に準じているため、緊急代走にもちらほらと顔を出しています。この画像、よくよく見ると、前面のスノープラウって台車に直結してるんですね(笑)

 

そして後に増備された5002編成。こちらは富良野などのラベンダーの塗装となっており、名称も「ラベンダー」編成となっております。

 

通常は「はまなす」編成同様、臨時列車や代走運用に充てられますが、夏場には札幌-富良野間を結ぶ臨時特急「フラノラベンダーエクスプレス」に充当されるため、定期的に乗車することは可能です。なお「はまなす」編成に関しても、時折定期列車に充当されることがHPにて確認出来ます。

 

ヘッドマークもこの通り。これまでヘッドマークが無い編成が充当されていたため、ヘッドマークは初めてのお目見えでしょうか。それにしても、フルカラーLEDでここまで丘の花畑を表示出来るのは、技術もここまで進化したか、と驚きです。

 

ラベンダー編成にはHokkaidoの文字と北海道章が貼られています。この編成、JR北海道も出資している第三セクター、北海道高速鉄道開発株式会社が保有する編成で、JR北海道はこれを無償貸与という形で借り受けています。

 

それでは参りましょう、まずはデッキから、ドアです。と言いつつ、萌木色の化粧板が貼られた引き戸、低床ホームに対応するためのステップ、出だしから1000番台とあんまり変わらない印象です。もうちょっと化粧地くらい冒険してみてもよかったのではないかとも思います。

 

そしてこちらは幅広なドア。上にはダウンライトがあり、足元のステップを照らしています。

 

くずもの入れはピクトグラムでの表示です。横方向には消化器も備わっております。

 

トイレです。洋式で、ベビーベッドも備えられています。

 

向かい側は男性小用。すりガラスの覗き窓はあるものの、内鍵でロック出来るようになっています。鍵付きの男性小用トイレはまだまだ少数派、とは言え急に開けられるのも嫌ですからねぇ。

 

バリアフリー対応トイレです。ドアが二重引き戸となり、車椅子での出入りを容易にしています。そのドア、開閉は自動式で、ボタン操作で開閉可能です。

 

向かい側の男性小用は特に変わりません。

 

洗面台です。斜め方向に配置されており、蛇口はセンサーによる自動式となっています。

 

荷物置き場です。二段式でそれなりの面積があるものの、やはりデッキにあるというところはやや不安なところはあります。

 

別バージョン。こちらには照明がある他、上段はバーを並べたものになっています。

 

非常灯と、メーカーズプレート。非常時、明かりはあると安心です。

 

先頭車には非常用の梯子が据え置かれています。ここ、車掌さんのドア扱いスペースでもあるんですかね?

 

乗務員室へはバーで仕切られています。

 

通路はこの通り。時代が時代なら、この先にも入れたんでしょうね。

 

いよいよ車内です。全車モノクラスで、定期特急列車の代走ではグリーン車非連結となります。基本構成はそのままに、座席周りを中心にかなりのエッセンスが加えられています。そうそう、床材は菱形を並べたものから、H100形と同じ柄になっています。あの柄、好きだったんですけどね‥。

 

デッキとの仕切りです。左側には荷物置き場、仕切り扉の上にはLED表示機が備わります。仕切り扉は濃い木目調になっており、ここは1000番台以前のグループとは異なります。

 

中には両側が荷物置き場になった区画もあります。

 

バリアフリー対応車両に関しては両開き式です。一応物理的には幅広になっていますが、視覚的に広く見えないですね(笑)

 

天井です。1000番台後期編成に準じたものですが、荷棚の前飾りが仕切り扉同様に濃い木目調になっております。

 

窓です。2列に1枚の割り当てながら、日除けがフリーストップタイプのロールカーテンのため中央にカーテンレールが入っています。奇数列が札幌方面、偶数列はその逆ですと、視界が比較的広いと思います(ドア付近を除きます)。柱には収納式の帽子掛けが備わります。

 

座席です。北海道全土の特急列車で見かけるようになったいわゆる「グレードアップ指定席」ですが、柔らか目の座り心地を目指したということで、かなりの変更点があります。

 

まず分かりやすい変更点は、背ズリ下部にクッションが付き、元々バリアフリー対応座席にしか無かったインアームテーブルが全席に設置されています。またパッと見で分からないのは座面、Sバネ仕込みとなっております。

 

バリアフリー対応座席については、肘掛けが跳ね上げ可能です。座り心地ですが、座面はSバネ仕込みとなったことでクッション性は飛躍的に向上しています。背ズリ下部のクッションについても、元々この座席はこの部分のクッション性が無いのが欠点でしたので、それが改善されたのは非常に良い改善だと思います。ただ後付け感丸出しで安っぽく見えることと、わずか数センチですがクッションを張り出させたことでしっかり奥深く腰掛けられない上に、接合部の当たりが良くないという欠点もあります。今後のキハ261系に、これを更にブラッシュアップした座席が出ることを祈りたいと思います。

 

その追加クッションですが、各座席で異なる色が配置されています。全部で4色存在し、中々カラフルです。

 

なお一部座席には窓側にこのような出っ張りがあり、足元が窮屈になります。
 

インアームテーブルを仕込むセンターアームレストには、コンセントが備わります。この手の座席で最後にコンセントが付いていたのは789系1000番台になる訳ですが、やっぱりこの位置が一番ということなんでしょうね。

 

壁際の席に関しては固定テーブルが備わります。相変わらず形状は実用性に乏しいものなのですが、同じく実用性に乏しいJR九州とは違って(笑)縁取りはしっかりとあります。また、インアームテーブルもありますので、必ずしも不便という訳ではありません。

 

車椅子スペースです。定期列車では1人掛け席が設置されていましたが、この編成では座席がありません。

 

窓下には非常ボタンと固定用具が備わります。

 

壁には収納式のテーブルユニットがあります。本来グリーン車に設置されていたパーツですね。

 

荷物置き場です。やはり、車内にある方がいくらか安心感はありますね。とは言え、収納可能容量は大きくないですので、早めの乗車が肝要です。

 

車内ではフリーWi-Fiが備わります。かつての車内公衆電話がそうであったように、山間部では繋がりにくかったり途切れることもあります。

 

続いて1号車に設定されているフリースペース車両です。他の車両とは異なる温もりを持たせた車両で、「ラベンダー」編成では「ラベンダーラウンジ」という名前がついています。

 

で、「はまなす」編成は同じく「はまなすラウンジ」となっております。仕切り扉にはこのような表示があります。

 

車内です。全体的にブラウン系の色使いで、構成はどちらの編成も大きく変わりません。

 

デッキとの仕切りです。仕切り扉は片側に寄せられているのが違いですね。

 

仕切り扉横には、広告枠とマガジンラックが備わります。広告は両編成で違うものが入っていますね。

 

天井です。中央のパネルが木目調とブラウン系のものになり、メインの照明はダウンライトになっており、カウンター席側には間接照明が仕込まれています。この構造にしたためかは分かりませんが、カウンター側には荷棚がありません。まぁ、ラウンジなので、本来的には長居無用ではありますが…。

 

窓です。普通車と異なり正方形に近い形状となっております。この構造を見るに、キロ261形をベースにした車両なんでしょうね。

 

座席です。まずはクロスシートから参りましょう。

 

4人掛けのボックスシートで、表地は牛革張りと少しお金がかかっています。通路側の肘掛けは省略、中央にはアクリル板付きの大きな固定テーブルが備わります。

 

窓側にはコンセントが二口備わります。4人掛けなので、主に通路側は残念な思いになるかと…。

 

続いてカウンター席です。2、または1人掛けで、お一人様でしたらここを陣取ると良いでしょう。

 

後ろから一枚。握る部分が少ないこともあってか、背面に握り棒が入っています。そしてこう見ると、窓割りがイマイチな席が一定数ありますね。

 

こちらにもコンセントがあります。時折「宗谷」や「オホーツク」にも入りますので、この設備は非常にありがたいです。

 

で、普通車もそうですが、各編成で日除けの生地が異なります。
 

もう一度デッキに出まして、車端部側には車内販売準備室を兼ねた販売スペースがあります。この時は非営業、かつてのフラノラベンダーエクスプレスでは、しっかりとした車内販売をやってくれていたんですけどね…。

 

多目的スペースです。見える部分は全て扉となっております。

 

こちらが多目的室の内部です。この日実は大雨で、着替えをしたくて開けてもらったのですが…この配置は着替えには全然向きません(^^;;

 

窓は1つだけで、普段は日除けが降ろされています。

 

その窓の下には、ヒーター、室内灯、非常用のボタンやつまみが備わります。シレッと非常ボタンがありますので、うっかり押さないようにしましょう。

 

座席です。座椅子がボックス配置でセットされ、中央には固定テーブルがあります。なお、堀ごたつ仕様にすることも出来るんだとか。

 

ここにもコンセントが忘れず設置されています。カバーを開くと利用案内が現れるという、何気に考えられている仕様です。

 

仕切り扉にはカーテンがあります。仕切り扉の窓は微妙に透けるので、これを閉めておけば中は見られません。

 

加えて、鍵と「使用中」を点灯させるボタンがあります。大体鍵と連動するケースが多いんですけどね…。

 

最後にもう一度ホームに降り立ち。フラノラベンダーエクスプレスでは1号車がフリースペースとして案内されており、ステッカーでその旨を表示しています。が、ここに乗った客は、基本的に終点まで動きません。半ば自由席みたいな扱いにされていますね。

 

で、定期列車に入った場合は、しっかり自由席として扱われます。しかし号車表記は、所定編成と乗車位置を合わせるためか「増1」(※口頭では「増結1号車」)表示となっています。

 

基本的にフラノラベンダーエクスプレスで車内販売はありませんが、富良野行きの根室本線区間で、グッズの車内販売が回ってきました。富良野・美瑛は分かりますが、なぜ布部…。

 

また車掌さんからは記念乗車証をいただけます。しかしまぁ、よりによってヘッドマークが「回送」…(苦笑)
 
これ、裏返すと「富良野・美瑛ノロッコ」号で貰える記念乗車証と組み合わせてひとつになるようになっています。2022年度から始まったもので、札幌・旭川両区がコラボして実現したんだそうな。