房総地区の183系置き換えのために投入されたのが255系です。「Boso View Express」の愛称があり、アクアライン等の高速道路の侵攻による房総特急の壊滅にもめげず、30年近くに渡り駆け抜けてきました。JR東日本で「E」の付かない特急型車両の引退が相次ぎましたが、この系列も2024年度のダイヤ改正を以て定期運用からは撤退とのこと。
それではデッキからまいりましょう、ドアです。片開き式で、房総の海をイメージした青い化粧板が貼られ、VIEのロゴが入れられております。
一部にこのような荷物置き場があります。縦方向に長いのは、サーフボードの持ち込みを考慮したためだそうです。房総地区で停車駅も多くなりますし、頻繁にドアが開くのでセキュリティ的に心配ではあります。
かつて公衆電話が設置されていたスペース。現在は携帯電話・スマホでの通話スペースとして残って…という訳でもないでしょうけど(^^;;
内部の側面はこんな感じ。公衆電話の撤去跡がありますね…。なおかつてはこの向かいに自販機もあったそうですが、そちらも姿を消しています。
またくずもの入れの上が不自然に空いた区画もあります。何でも、釣り客のクーラーボックスを置くため何だとか。やっぱりデッキにありますが…。
編成一ヶ所に存在する、車内販売準備室と思われる区画です。現在はシャッターが降ろされ、車内販売も存在しません。
その向かい側は謎の業務用スペースです。
トイレです。横には全身鏡がありますが…幅は狭いですね。
洗面台です。蛇口は自動式で、温度調節が可能です。鏡は壁を利用した三面鏡となっております。
隣には男性小用トイレ。開き戸で、面積は最小限です。
車椅子対応トイレです。導入は平成初期、面積こそ広いですが今みたいに円筒形ではありません。扉はボタン式で自動開閉します。
最前面です。大きな仕切り窓から、立ちながらであれば前面展望が可能です。まぁ…ここを見れば「ビュー」なのも頷けます。
しかしそれはお昼間のみ、夜間や地下線走行時は遮光カーテンが閉められます。安全運行上仕方無いですね。
普通車のデッキとの仕切り。デッキ側はピンク色の化粧板ですが、かつて存在した行川アイランドにいたフラミンゴをイメージしたものなんだとか。私はもちろん行ったことがありませんし、どんどん皆様の忘却の彼方へ飛び去るか、知らない世代が増えていくんでしょうね。
普通車の車内です。ビジネス・観光双方に対応出来る車両を目指したということで、海を連想させる青を基調にしているものの、トーンは抑え目になっています。なお、今回は第三編成以降の二次車の模様をお届けします。
デッキとの仕切りです。初代成田エクスプレスの253系の車体構造を流用したため側面は卵形です。仕切り扉は自動式、なんでこんな色を使ったのかは分かりませんが、何とも言えない渋い色となっています。長年の走行に耐えてきたようで、パッチワーク修繕が痛々しいです。ドア上にはLED表示機が設置されています。
天井です。この時は完全に間接照明で、今みたいにスリットの隙間から光が直撃するようなことはありません。
間接照明の照度不足を補うためか、第三編成以降は読書灯が付いています。不況に突入している時代の登場ながら、ここにはお金がかかっていたようです。荷棚はガラスかアクリルかは分かりませんが透明と板状で、荷物のすり抜けの心配が無い一方、埃がたまらないか心配です。
窓です。ある意味有名な話ですが、253系の構造をほぼ流用しているため、それよりもやや拡大したとは言え「ビュー」という割に窓は存外小さめです。第三編成以降は縦方向に6cm拡大されたそうですが、それでも「ビュー」かって言われると普通ですね。あれですか、「スーパービュー」では無いってことですかね?(煽)
座席です。インアームテーブルを備えた回転リクライニングシートで、なぜだかセンターアームレストがありません。
インアームテーブルは面積小さめ、何かを広げてがやがやという感じではありません(向かい合わせで使えるという利点はありますが…)。足元にはリクライニングシートを搭載した車両としては珍しいバーレストが付いており、後期車以降は清掃時の取り回しを考慮し跳ね上げが可能です。
車椅子対応の1人掛け区画です。奥の座席がそれになります。
それがこの座席です。
脚台を見ると、その違いがわかります。固定用のベルトが追加されていますね。そう言えばですが、787系辺りと同様、気動車でも振り子車両でも無いのに、配管が窓下を通っております。斜めに切り落としてなるべく邪魔にならないようにしているのかもしれませんが、足を載せられないとなると、それはそれで有効面積は狭くなるんですよね…。
片側はこの通り跳ね上げ可能です。座り心地はやはり多少経年によるへたりが見られるものの、座席自体は特に何も申し上げることは無く、良い座席だと思います。
1人掛け席の向かい側には多目的スペースがあります。この頃は客室内への設置がマイブームだったようで、E351系等でも客室内に設置していましたね。
続いてグリーン車へまいりましょう、デッキのドアは白色の化粧板を使用しています。
仕切り扉は菜の花イエローの縦ラインを入れたものになっています。
車内です。「え、普通車じゃないのか?」って?グリーンらしいですよ、これでも。過去の利用実績からグリーン車の定員確保が必須とされたためにこうなったそうです。まぁ、先代の183系並みだと言われればそうですが、183系でさえやらなかったカラーコードを普通車と同じにしてしまう愚により、普通車と思って腰掛けてしまう人が一定数いるんだとか。
車端部です。普通車とは異なり、薄い色調の化粧板でまとめています。各車に共通していますが、壁面に防犯カメラが追加されています。
デッキとの仕切りです。銚子方は荷物置き場をセットにしているため、仕切り扉が奥まって見えます。
その荷物置き場です。デッキを向いて左側は長尺物置き場、右側がそれ以外で、二段式になっています。二段式の上段にはセーフティバーがあります。
天井です。間接照明は普通車同様で、荷棚は各列に柱を設けて、占有面積を明確にしています。ちょっと昔のキハ283系っぽいかも。
窓です。普通車と同様、2席に1枚の割り当てで、日除けはフリーストップタイプのロールカーテンです。
荷棚には読書灯と空調のツマミがあります。空調のツマミがアップグレードのひとつですか(笑)
座席です。普通車とカラーコードもデザインも同じにしてしまったがためにグリーンとしての価値が全く感じられません。とは言え、座席の回転は偏心回転機構という、一旦通路側へスライドして回転するという特殊な機構を搭載して座席幅を確保しようとしています。その特殊な動作ゆえ、回転時に座席がすねを強打することがあるそうな(^^;;
テーブルはインアームテーブルとシートバックテーブルの二枚仕立て、フットレストは反転式ですが、どちらも同じモケットが貼ってあるため土足禁止面は無いものと思った方がいいです。また固定機構が無いのもイマイチですね。座席の座り心地は普通車同様悪くないのですが、アームレストの幅が4列にしたために非常にケチ臭いです。まさか、普通席にセンターアームレストが無いのは、このケチ臭いグリーンとの格差付けのため…?
中程にはパーテーションがあります。かつては喫煙車と禁煙車を1両でやっていた名残だそうですが、全車禁煙が当たり前になった今では考えられない手法ですね。副流煙漏れてたでしょうに…。
車椅子対応の1人掛けです。一定のタイミングまでは発券ブロックがかけられています。
どこの車椅子対応座席もそうですが、2人掛け席が前に来た時はシートバックテーブル・フットレストは使い物になりません。これ、利用実態として一般座席側が使うことが多いためこうしてるのは分かりますが、もうちょっと何とかなりませんかねぇ?