JR東海N700S | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

待てど暮らせどこの顔しか来ない時代…とも言えた東海道新幹線に新たに投入されたのは、やっぱりN700系。しかしながら前面形状はビミョーーーーな変化が見られるようになった、N700Sでございます。

 

デュアル・スプリーム・ウィング形と呼ばれる形状となり、N700A以前と比べると少し700系に先祖返りしたような見た目です。それでも、遠目ですとどっちが来るか分かりにくくはあります。また、ライトはHIDからLEDを片側2発搭載する形としています。

 

塗装は先頭部分の処理が「S」を思わせるスタイルになりました。これが一番入線から分かりやすい差異になりますでしょうか。

 

ロゴもこの通り、誰が言ったか「おたま」にしか見えないと‥。あと、地味にアンテナの形状もN700A以前から変わってるんですよね。

 

2020年より運行を開始し、それ以降も続々と増備が続いています。手始めに最後まで残っていた700系の運用を置き換え、その後はN700aの初期編成の置き換えも進めています。新幹線が出来てから50年が経過した今、かつて「0系で0系を置き換える」と言った時代があったように、今また「N700でN700を置き換える」という時代がやって来ました。なお、外観は多少の違いしかないにせよ床下機器は大幅に改良が加えられており、大容量バッテリー搭載により最低限のサービス電源供給や自走も出来るようになっているとのこと。見て欲しいところが(乗客目線で)地味過ぎるので、「何が違うんだ」と言われても仕方ないかと。

 

それでは参りましょう、まずはデッキ、ドアからです。変わった点と言えば、監視カメラの案内が無くなったくらいじゃないですかね?今や当たり前の増備になったので、わざわざ表示するようなことでもなくなったからでしょうか。あと、近年の新幹線の比較的大きなトピックで言えば、公衆電話が無くなったことですね。近年お年寄りも携帯電話やスマホを持つ時代になったとはいえ、異常事態時に必ず繋がるとも限らないという点では、「最後の手段」はあって然るべきだと思いますが‥。

 

11号車はバリアフリー対応車両で、横幅が広くなっています。乗降時間の短縮という点では全てこれでも良さそうなものですが、小さい方が高速列車では利点が多そうですし、座席数にも影響が出る可能性もあるからなんでしょう。

 

くず物いれは飲料系とその他で分別されています。特段取り上げることもありませんね。

 

トイレです。伝統とも言える2室配置、いずれもベビーベッドを備えた洋式で、洗浄機能も搭載したものですね。御用達な方はありがたかったことでしょう。

 

向かい側には男性小用と洗面台があります。

 

洗面台はこちら。鏡に照明を仕込むのは何だかJR西日本チック。あと、色調が明るくなりましたね。

 

そして荷物置き場…と言いたいところですが業務用、この系統はとにかく大型荷物置き場が無い中で、「業務用とかそんな事言ってる場合か」とは思います。

 

バリアフリー対応トイレです。円筒形で、各種装備を盛り込んだためピクトグラムが多数並んでいますね。こちらは扉がボタンによる自動式とされています。

 

ドアを挟んで向かい側の多目的室です。もちろん普段は施錠されていますので、利用の際は車掌さんにお伝えください。

 

そしてこちらが洗面台。ここの照明は外付けなんですね。

 

喫煙ルームです。JR東日本では4時間を超える乗車時間でも一貫して全面禁煙としている中、しっかり設けているのは偉いと言えば偉いか。ただ近鉄特急と比べれば、車体幅が恵まれている割には狭いと思います(使わんから知らんけど)。

 

それではまずは普通車の車内からです。カラーコードはそのままですが、良くも悪くも変化が見られます。なお、N700A以前と比べて肩部のRを小さくして客室空間の拡大を図っているとのことですが、物理的にそれを感じられるのは荷棚に大きな荷物を置いた時なんでしょうね。

 

デッキとの仕切りです。カラーコードが明るく見えるのは、LED照明で照度が上がったからなんですかね?

 

そして特筆すべきは旅客案内。フルカラーLEDからLCDディスプレイ化されています。これ、ワンマン表示を除けば、JR東海では初採用なんですよね。号車表示や座席種別の表示も内包しており、将来の短編成化にも対応…しようとしたんですかね、出来てはいますよ、うん。

 

続いて11号車のバリアフリー対応区画の仕切りです。仕切り扉が中央寄りとなり、幅が広げられています。

 

天井です。照明が間接照明になっており、普通車では400系以来の採用となるかと思います(記憶違いだとすみません)。天井に反射させることで照度を確保している一方で、夜間に直接的に光が直撃しないのはファインだと思います。夜間には未乗車なので、荷棚下、窓側の様子がどうなのかは気になりますね。あと横方向に溝が入っていますが、一部には監視カメラが仕込まれています。

 

窓です。窓の小ささは相変わらず…であるのはもうこの際置いといて、窓にパネルのようなものが付いています。それと、空調吹き出し口がこのパネルに取り込まれる形となり、目立たなくなりましたね。なおそれと同時に、窓上にあった小さな吹き出し口も無くなりました。あれ、案外好きだったんですけどね…。

 

それでは座席です。まずは3人掛けから。色合いは同じながら、模様は変わっています。あと、触り心地がなんだかプラスチッキーな安っぽさを感じなくも無いんですよね‥。

 

リクライニング角度が大きめなのはありがたいことですね。地味にテーブルも背面の色調が明るめになり、あと地味に収納時の取り付け高さも高めになっているように思います。網ポケットに何か入れたときに干渉しないようにしているんでしょうね。

 

普通席でウリにしているのは、リクライニング時に座面が沈み込むようになったことと、全席にコンセントが付いたこと。これまでコンセントは窓側にしか無かったので、全席で利用できるようになったのは快挙ですね。これも、床下の機器の小型化でサービス電源に回せるスペースが出来たからなんでしょう。それが出来なかったN700A以前が来ても、残念ですが文句を言ってはいけません。ちなみに、3列席では「肘掛けは誰のもの」戦争が特に起きるわけですが、リクライニングボタンやコンセントがある肘掛けはその対象の席の人のものだと思っております。C席との間は、「肘掛け」ではなく「仕切り」と捉えるべきでしょう。

 

続いて2人掛けです。なおコンセントは肘掛け先端にあるので、トイレに行った後など、手先が濡れている場合はちょっと不安ですよね。

 

さてこの座席、座面が沈み込むギミックが注目されがちですがとにかく全体的に硬いんです。30分程度乗車するならいいのですが、現実的に長いと2時間半から3時間、最長でも4時間45分も乗車する人がわずかにいることを考えると、もう地獄。N700A以前では、あれだけの薄さで徐々に体になじむ座り心地に少し感動したのですが、なんで途端にこんなことになったのか‥。
 

バリアフリー対応の2人掛けです。脚台には固定用のベルトが備わります。

 

肘掛けはこの通りで跳ね上げ可能です。

 

そうそう、初期導入編成を除き、新幹線では初の車椅子スペースが用意されています。バリアフリー法施行という側面も有りますが、これまで頑なに300系の1,323席を固持してきたJR東海が、国からの圧力に屈した瞬間とも言えます。というか、ここまでしないとこの会社って変わらないということですね。ここのコンセントは、従来通り床面に近い部分に設置されています。こうしか出来なかったんでしょうが、車椅子の方が利用すること、ちゃんと考えて欲しいとは思います。

 

続いてはグリーン車へ参りましょう。トイレの装備などは変わりませんが、床はカーペット敷きで、間接照明が仕込まれています。

 

そして向かい側、男性小用トイレ・洗面台・業務用棚と並びます。消火器は透明の蓋が付いております。

 

喫煙ルームです。グリーン車にありますので、もちろんグリーン券を持たざる者の入室は厳禁です。だからと言って、広さが違うとかなど格差があるわけでも無いのですが…。

 

車内です。こちらも普通車同様に変化が見られますね。

 

デッキとの仕切りです。こちらはややベージュがかった色調で、普通車と異なり落ち着きを持ったものになっています。

 

天井です。照明が普通車と変わらないのはいつものことですね。

 

窓です。パネルを並べた構成は普通車と同じですが、そのパネルは荷棚も兼ねる程の大きさで、パーソナルスペースを明確に区別しています。窓上に補助照明があるのは、N700系列の共通項ですね。

 

座席です。色調はこれまで通りのブラウン系ながら、濃い目の色調を採用しています。N700Aからモケットは見直されたようで、グリーンのくせに安っぽさ全開だった以前のものからは改善されたようには見えます。それでも、N700aの方が個人的にはしっくり来るんですよね。

 

付帯設備としてはN700系列共通、この辺りは清掃やメンテの手間を考えてのことでしょう。リクライニングは座面全体が沈み込む挙動になったせいか、以前の認識でいるとリクライニングに手こずるような感覚を覚えます。あと、腰部分の張り出しが強調されており、フルリクライニングすると妙にチャキチャキしたようなというか、少し硬めのクッションもあり背中の骨という骨にゴツゴツ当たっている感覚がします。ノーリクライニングでも問題無いように、というコンセプトもあるかもしれませんが、あまりリクライニングし過ぎると快適でない座席と言えます。

 

最後に両クラスのデッキ仕切り際、いわゆるオフィスシートのテーブルです。普通席は肘掛けにコンセントを仕込むようになったので、こちらのコンセントは省略されています。かつて後ろからコンセントの線を伸ばして頑張っていたB、C、D席の方はその苦労から解放されることになりましたね。グリーン席もおおむね構造は似ていますが、マガジンラックも兼ねたものになっています。