JR東日本E257系2000番台 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

特急「踊り子」、長らく…というより意味合いが違いますが最初で最後の185系充当の特急列車でした。そんな185系も老朽化が進む中、「踊り子」に置き換え用の車両が登場しました。


その車両は、E353系登場により「あずさ」「かいじ」運用を失職したE257系です。基本編成は両数はそのままに、内外装をリニューアルして転用となりました。

 

武田菱からペニンシュラブルーなるちょっと暗めのブルーとグレーの帯が入ったデザインになりました。伊豆の海って、そんなイメージなんですかね?(笑)


先頭車はラインが沈むようなデザインになっています。2020年より一部の「踊り子」で運用を開始、2021年より全「踊り子」に投入され、東海道本線のライナー列車を置き換える通勤特急「湘南」にも入ります。

 

またライトはLED化されています。不要となったケースの一部は埋められていますが、従来を知っているとちょっと違和感。ヘッドマークは変わらず3色LED、日本語とローマ字を交互に表示します。中央本線時代より、ちょっとそっけなくなりましたでしょうか…。

 

側面はこんな感じ。そう言えば、この列車も全車指定席化の餌食になってしまい、この表示も1年間しか見られなかったことになります。なお本当は2020年より全列車に投入したかったようですが、リニューアルを担当する工場が急ピッチ過ぎる工期にゴネたことから一部の投入に留まったそうな(ほんまかいな)。JR東日本も案外無茶しようとしたようですね(汗)


それでは参りましょう。まずはデッキ、ドアからです。…と言っても、正直デッキは0番台時代とあんまり変わんないんですよね。

 

トイレです。中はもちろん洋式でございます。

 

バリアフリー対応トイレです。全体の面積が広くなり、開閉がボタンによる自動式になっています。ちょうど、円筒形のスタイルが出てくるか来ないか微妙な時期の登場なんですよね。

 

洗面台と男性小用トイレです。

 

洗面台も変わった点無しです。中央本線よりも温暖な気候ですが、冬季は温かい水が出るため温度調節のつまみは残されています。

 

多目的スペースです。相変わらず普段は施錠されています。…お気付きでしょうか、中にある簡易ベッドに転換可能な座席のモケットが、武田菱のままなのです。普段使うことは少ないから&劣化も少ない、ということで手抜きしてそのまんまなんでしょうねぇ

 

携帯電話の通話スペースもこの通り。カウンターの下には消火器が収まっています。

 

車内です。カラーコードは外観に準じたものとされており、落ち着きのある…と捉えるか、地味に暗い…と捉えるか、評価が分かれるような気がします。

 

デッキとの仕切りです。こちらは特に代わり映えはしません。

 

天井です。肩部のパネルがブルーで統一されています。照明は…相変わらず通路側はスリットから漏れる蛍光灯の光が目に直撃する一方、窓側はしっかり板状の荷棚で暗くなりがちなまんまで進歩しません。新幹線はもうちょっと頑張ってるのにねぇ…。

 

一部はこのように荷棚に機器がドーンと…。特急列車って大きいなり多いなり荷物を持ち込むことが多いのに…。

 

で、出やがったなこのランプ。取材時点では自由席乗車だったため消灯していましたが、2021年度より本格的に稼働開始となります。

 

窓です。こちらは特に変わらず…ですね、追加はありますが。そう言えば、この車両の導入によって、JRの定期特急列車では全ての列車が固定窓の車両による運転となりますね。そもそも窓の開く特急用車両自体が、長らく185系だけでしたもんね、今や九州にいるのも臨時列車ですし…

 

座席です。座席形状はそのままに、モケットを貼り替えています。ヘッドレストリネンの部分は黒になっている割に、リネンがやや小さいので寝不足みたいです、ただでさえ暗めの色合いなのに…。あれですな、徹夜明けても仕事終わらず絶望したサラリーマン(殴)

 

最近では常磐線のE657系や中央本線のE353系のようにヘッドレストピロウが付いたタイプが標準的になりつつある中、座面スライド機能付きのこの座席は一世代前のタイプになります。あんまり使われて無かったんでしょうねぇ、使い方間違えるとあまりいい感じにもならないですし…。

 

車椅子対応席後ろの座席は、センターアームレストの中にテーブルが入っています。これも0番台時代から変わりません。

 

そして車椅子対応席。固定用のベルトが備えられています。

 

変更点と言えば、コンセントが付いたことですね。この、いかにも後から付けました!ってとこが…(苦笑)  ここのもそうですが、東急車輛の特急型車両ってなんでこうも融通が効かない車両が多いんでしょう…とも思いましたが、これって多分工期短縮のためですね、見てくれなんか気にしてたら間に合わんと。その割に1口しか無いのもどうかと。

 

…で、とある別サイト様のを見てあるかなー、と粗捜し(苦笑)したら、ありましたありました、応急処置。リニューアルって、一般的に痛んだ箇所の部品取り替えやきれいにしたりして送り出すものですが、この様にテープで補修しただけだったり、アームレストの塗装剥がれがそのままだったり、修繕についてはとにかく最低限のことしかやっていません(いや、「出来なかった」が正しいか)。これ、いくら185系の更新急ぐっつっても、代わりに来た奴が特急型車両にしてこれはちょっとお粗末です。いくらB特急料金だからって…

 

デッキ仕切り際は固定テーブルがあります。針金で作ったドリンクホルダーも健在です。

 

続いてフリースペースです。

 

何かの偶然か、海側がしっかりカウンター席になっています。海側を取れなくたって、ここで多少の時間を過ごせるというダブルチャンスは有ります(笑)

 

そして反対側のボックス配置。ここもモケットはそのままです。ある意味変更無しでも問題無い無難なモケットを使っていたのが救いだったんでしょうね。リクライニングシートと同じ武田菱だったらば、変更されていたことでしょう。

 

両先頭車には一部の座席を撤去し、荷物置き場になっています。しかし下段は何かの収納スペースみたいになっており、デッドスペースになっています。考え付くなら…非常用の梯子?

 

続いてグリーン車です。元々185系には10両中2両がグリーン車でしたが、この系列では9両中1両となりました。この系列、従来はグリーン・普通合造車のサロハでして、グリーン車は0.55両分しか有りませんでしたから、もう0.45両分の普通車ゾーンも無理矢理グリーン車化しています。


都合、グリーン車が1両減った形となりましたが、グリーン車需要はサフィールに呉れてやれ、ってことなんでしょうね。とは言え「さすがにモノクラスは…」ってことでオマケ程度に設定されたのでしょう。ドアは車体中央にあり、元々グリーン車だった区画はこの通りで、特に変わった点は見受けられません。


一方で元普通車区画。窓が付いた普通車時代のものをそのまま流用しています。入口段階で出自の違いに端を発する格差が見てとれます。

 

トイレです。男女共用で、ここはグリーン車利用客専用となります。

 

向かい側に洗面台と男性小用トイレが有ります。

 

洗面台はこの通り黒で決めています。

 

車内です。まずは元からグリーン車だった区画で、座席や床面に変化が見られます。

 

天井です。中央にも照明が入っているのが形状的な普通車との違いです。転用に際して読書灯すら増設されないんですもんねぇ…。

 

座席です。0番台からは座席モケットが変更されたくらいで、カラーコードはJR東日本にしては珍しく普通車に似たものとなっています。手、抜いたなやっぱり。グリーン車も同様にコンセントが後付けされています。


壁際の座席には折り畳み式のテーブルと、反転式のフットレストが付いています。他の座席のフットレストが不格好な跳ね上げ式なのに比べると、まだ操作性としてはこちらの方が負担が少ないと思います。

 

そして、やっつけ仕事でグリーン車化された元普通席区画です。


床面のカーペットはモノクロのグラデーションを並べたものになっています。

 

座席です。モノ自体は同じものを使用しています。長野にあった予備品でも取っ付けたのでしょうか。

 

で、格上げ・格下げ共に問題になってくるのは窓割りでして、海がきれいな区間もあるのに目の前に柱が来る修行席が出来ました。おおよそどちらの方向も前・後ろから2列目がそれに該当します。もう素直にサロハのままでもよかったのでは、とも思いますが、サフィール登場後も「踊り子」のグリーン車はそれなりの乗車率…。せっかくのグリーン車にして修行席に当たった時は泣くしかありません。

 

先代、185系と並びました。この系列、ボルスタレス台車にヨーダンパという足回りなのですが、特に小田原より先の区間ではかなりヨーイングが酷い印象を受けました。フルアクティブサスペンションを搭載したE261系と比すればもう話にならない程度ですが、185系でもここまで揺れなかったと思います(そうかどっしりしてるからか…)。何だか、車両は新しくなったのに全体的な満足度が上がるどころか下がり気味なのは個人的には解せぬところではあります。