「大阪にも路面電車はある」。ミナミに住んでいないとピンと来ない方も多いですが事実は事実、阪堺電気軌道と称する私鉄が走っております。
主力となっているのが701形、この時期に流行った額縁タイプの窓周りに角形ライトという組み合わせですね。行き先表示はLED化されています。
車内です。昭和後期から平成初期にかけて製造されたため、まだまだ超低床化とは無縁です。超低床車はリトルダンサーシリーズの1001形「堺トラム」の登場まで待たないといけませんね。
ドアです。この車両では化粧板が省略されたステンレス仕上げとなっています。ちなみに製造は故東急車輛、久々に路面電車を製造したそうですが、南海との繋がりの関係なんだそうな。ステップは二段化されており、その後従来の車両にも補助ステップが増設されるに至っています。
降車口のドアです。こちらも1枚引き戸ですが、横幅はやや狭くなっています。
運転台です。入り口は運賃箱を移動させる方式が多い中、右側の仕切り棒からとなります。運賃表示機はLCD化されていますが、均一運賃なので次駅案内が主な使い方ですね。
天井です。冷房の吹き出し口はスポットタイプですが、この頃には標準的に設置されつつあったラインデリア風の飾りを付けています。なので見た目は連続調っぽいですね。吊革は広告枠が一体になったもので、ささやかな増収に繋がっているんでしょうね。
窓です。二段窓で下段は開閉可能です。冷房も付いた中、(一部は非常時の換気のためにしても)開閉可能にしたのは何か理由があったのでしょうか。
降車ボタンは一昔前の形状のままですね。日除けは爪を引っ掛けるロールカーテンタイプです。
座席です。オールロングシートで、こちらはおおよそ7+5の12人掛けです。着席区分は特にされていないので、定員着席が達成されるケースはそこまで無く…。
一方こちらは7~8人掛け。親会社に似た柔らかいタイプで、路面電車としては十分過ぎるものです。モケットの触り心地としてはまだ南海車の方が良いような気がします。
続いては601形です。住吉公園駅のダイヤモンドクロッシングも懐かしいですね。
車体は701形と同様ですが、制御装置やブレーキ等を従来車から流用した形式となっています。
広告車が多い阪堺、いつしか外観も変わっていました。
車内です。そりゃあ、701形と変わりませんな…。
座席もこの通り。袖仕切りは簡易なパイプ式、ステップを上がるための手すりにもなっていますね。
向かい側。ICカードリーダーも取り付けられています。