JR四国2700系 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

土讃線、2000系振り子気動車の導入により大幅なスピードアップを達成し、お次は新時代の空気バネによる車体傾斜装置の出番…と思われたものの、多すぎるカーブで空気バネの気蓄量が不足する恐れが出るという予想外の試験結果が出た路線であります。結局土讃線に導入される次世代車両は、これまで通り振り子気動車の新型車両で行うことになりました。

 

そして登場したのがこちらの2700系です。基本的な構造は先に登場した空気バネ車体傾斜タイプの2600系に準じますが、振り子装備により裾絞りが大きくなりました。おかげで2600系よりもシュッとして見えますね。

 

2600系は赤と金の帯でしたが、この系列では更にオリーブ色の帯が追加されています。蛍光色で目立つんだこれが。そうそう、2600系では気蓄スペース確保により一部機器を屋根上に上げたためナメクジスタイルでしたが、それに比べるとスッキリしていますね。

 

このように帯色が似た2と7をひっくり返した7200系と並ぶと、薄暗い時の遠目には行き先表示とヘッドマーク部分でしか判別出来ないような状態に(^^;;

 

車端部にはシンプルに「EXPRESS 2700」のロゴが。今後四国全土の気動車特急に導入する期待を込めたシンプルさなんだと思います。

 

この系列では半室グリーン車、2800形も登場しています。なお2000系とは異なり先頭車のみ製造されており、中間車は存在しません。閑散期と繁忙期の需給差が激しい四国だけに、この方が得策と考えたのでしょう。編成辺りの定員は減少することにはなりますが…。

 

2019年8月より運行を開始し、9月までは特定の日・運用限定で「しまんと」「あしずり」「うずしお」で運転され、その後「南風」にも運用拡大されています。2600系と共通した部品も多く、営業運転までは結構スンナリだったようですね。

 

旅客気動車では最強クラスの機関出力を誇るディーゼルエンジンを積んでおり130kn/hでの運転も可能です。今のところ「うずしお」でしかその脚力を発揮していませんが、「南風」でも瀬戸大橋線で走れそうな気もするんですけどね。走行音としては、2000系ではかなり頑張って走っているようなエンジン音なのですが、2700系ではやや余力のあるようなイメージに写ります。

 

うずしおのアルファベットタイプなこんな感じです。

 

側面もフルカラーLED表示機で、列車名と行き先を交互に表示します。

 

2600系では窓上にあった号車表示・座席種別表示はドア横へ移ってきました。

 

それでは参りましょう、まずはデッキ・ドアからです。化粧板の柄はうずしおやくろしお、四万十川の流れ等水の動きをイメージしたものなのでしょう。2600系にあったロゴは省略されていますね。

 

くずもの入れは飲料系とその他で分別されており、いずれもピクトグラムで表示しています。

 

荷物置き場です。近年は大きな荷物を持ち込む人も多くなったので、ありがたいと言えばその通り。ただデッキにあるのが少し心配でしょうか。

 

もう1両は奥行きがあり、長尺のものも置けるようになっています。

 

トイレです。ドアがゼブラ柄になっているのがアクセントですね。横の全身鏡は他の特急型車両同様に握り棒が横切っています。

 

車椅子対応トイレです。ドアが二重式となり、開閉もボタン式で自動で行われます。中にはベビーシートやベビーベッドもあり、親子連れの有事にも対応出来ます。

 

向かい側には多目的室がありますが、普段は施錠されています。

 

最前面の窓です。最近の新型車両はここが小さくなってきていますね…。

 

中間に連結された際は車掌台側が開放されます。ここで振り子の動作を楽しむのも悪くはありません。

 

車内、まずは普通車からです。2600系では2両各車で座席の色を変えていましたが、この系列は全車2色の座席を交互に入れ替えて配置しています。ちなみにこちらは半室グリーン車の普通車部分となります。

 

こちらが全室普通車。乗車したのは「うずしお」、手前の数列が指定席となっています。

 

デッキとの仕切りです。2600系と一切変わらない無機質さです。フルカラーLED表示機はJR四国でも標準装備となりました。

 

バリアフリー対応車両の仕切りです。入口同様、仕切り扉は幅広です。

 

最前面のデッキ仕切りです。左側は壁、前面展望は座りながらであれば右側しか出来ません。右側の窓も小振りで、恐らく荷棚との干渉を避けたのだとは思います。2000系のように上部を傾斜させれば、もう少し横方向にも広げられたようには思いますが‥。

 

フルカラーLEDをアップで。号車や座席種別の表示も一括して可能です。その右側には防犯カメラが設置されています。

 

グリーン車との仕切りです。8600系と同様、こちら側にLED表示機が有りません。そうそう、8600系とは異なり仕切り扉がグリーン車に合わせてやや左側に寄せられています。ただ、これでもかなり妥協している方だと思います(苦笑)

 

天井です。照明は反射式のLED灯となっております。仕切り同様、モノトーンを貫いております。

 

そうそう、2600系に存在した指定席ランプが消えましたね。結果として今まで通りの方法で表示するのと効果がそう変わらなかったのでしょうね‥。

 

窓です。2席に1枚の割り当てではありますが、日除けがフリーストップ式のロールカーテンのためカーテンレールが入っています。

 

座席です。2600系と比べるとえらくサッパリしてしまいましたね(笑)

 

異なる点としては、ヘッドレストピローとバーレストが無くなったこと。バーレストに関しては、走行距離が長くなる土讃線運用では体勢を変えたい時に重宝したので、あった方がいいとは思うのですが…。とあるネットニュースでは「バーレストが無くなり、足元を広く使えるように」等と書かれていましたが、跳ね上げ状態がデフォルトであるからしてホラ吹きも大概にしなはれと思った次第。土足のまま網ポケット下に足を掛けられてモケットが痛む未来が見えてしまいます。

 

デッキ仕切り際の座席はテーブルが大型化されたオフィスシートです。

 

なお2600系から引き続き、コンセントは一部を除きアームレスト先端に横向きで付いています。これ、頭でっかちなプラグやUSB分配器等を使うと、通路側にはみ出るか自席の有効面積を狭めるかのどちらかになってしまいます。コンセントの設置位置も悩ましいものです。

 

リクライニングは8600系から引き続き座面スライド式、リクライニングに合わせて自動でせり出します。

 

車椅子スペース手前の席はセンターアームレストにインアームテーブルが仕込まれています。相変わらず隣が他人だと気まずいですよねぇ‥。足を無尽蔵に投げ出せる点では好んで利用する人もいそうですね、2600系同様、自由席での運用もありますし‥。

 

車椅子スペース向かい側の席は肘掛けが跳ね上げ可能です。この席のみコンセントが基部に設置されています。なお座り心地はヘッドレストのピローが無くなった分ややクッション性を持たせたものの、2600系と比べればやっぱり味気ないというか、頭のすわりが良くないように感じてしまいました。オマケに背ズリ下部は硬め基調のままなので、全体的にハードという乗車時間を考えれば少ししんどいものになっていると思います。

 

ヘッドレストリネンは新型気動車専用のものです。頭文字は「TSE」、"E"の意味は変わりましたが、2000系の意志はしっかりと受け継いでいます。

 

なお指定席のリネンはこの通り。自由席と混在している車両にのみ装着されます。

 

車椅子スペースです。座席は無く、テーブルや握り棒、固定用具、非常ボタン等が設置されています。

 

続いて半室設定されているグリーン車へと参りましょう。まずはデッキから、ドアの化粧板は赤色で、その他の部分に関しても落ち着いたブラウンの色調とされています。

 

各ドア上には開閉ランプと防犯カメラが設置されています。

 

車内です。半室でも2+1配置、更に2000系と比べると1列減っていますので3名の定員減となっております。自由席志向が高めな四国、ピークを除くとこれでも間に合う程にしか埋まらないグリーン車となれば、普通席を少しでも増やしてやれという判断なんでしょうね、2両編成ともなれば、普通車指定席ですら10~20席程度ですし…。

 

普通車との仕切りです。8600系では衝立を設置してグリーン車・普通車とも仕切り扉のセンサー範囲に干渉しない工夫がされていたのですが、この系列に関してはどっち付かずの位置に設置しています。衝立を設置するスペースを捻り出せなかったか、コスト抑制と妥協の犠牲になったか…。岡山・高松方面で4番B席の方はちょっとでも足を動かすと仕切り扉が開いてしまうので気の毒ですね。

 

最前面の仕切りです。こちらも1人掛け席に少しかかっているため、高知方面で1番C席に座る方はあまり脚を組んだり動かしたりしない方が良いです(動かす度にセンサーが反応して仕切り扉が開いてしまいます)。窓も無いですしちょっと残念な引きこもり感が漂っております。その分2人掛け側は窓が拡大されています。

 

天井です。照明の色調が暖色になった以外は普通車と変わりません。

 

窓です。2000系から引き続き1席に1枚の割り当てとなっています。日除けは普通車同様フリーストップタイプのロールカーテンが備わります。

 

座席です。ベースになっているのはJR東日本E5系新幹線のグリーン車ですね。

 

ただこちらに関してもヘッドレストピローが省略されています。フットレストこそ引き続き設置はされましたが…。コンセントはセンターアームレスト先端に2つ付いています。初めてだと、ちょっと分かりにくい場所だと思います。

 

テーブル背面には座席の案内が貼られています。レッグレストは電動式、動作に合わせて座面奥側が沈み込むようになっています。故に、リクライニングせずにレッグレストだけ利用しようとすると辛い体勢に追い込まれます。適度にリクライニングして使いましょう。

 

続いて1人掛けです。コンセントは右側のアームレストにありますね。

 

リクライニングの図。座り心地としては、こちらもヘッドレストピローがあることを前提としている設計なだけに頭の座りがイマイチです。それ以外は概ね良好なんですけどね…。

 

読書灯はヘッドレストの張り出し部分に付いています。すぐに影響が出るわけではありませんが、寝相が悪いと痛い目に遭いそうです(笑)

 

テーブルはシートバックテーブルの他インアームテーブルもあるのですが…おいおい、ビニールカバーがかかったまま(^^;;  営業運転開始から一度も使用されていなかったのか、こういうウッカリしたところはまぁJR四国のお茶目なカワイさということで、微笑んで済ましておきましょう(笑)

 

車内最後は裾絞り部分を。2000系とは異なり、空調の配管が無くなった分足元は広くなっているのでしょうね。

 

さて、先代の2000系に続いて、2700系にもアンパンマン列車として登場した車両がおります。この車両、2000系と異なるのは新製時よりアンパンマン仕様として登場したことですね。それにしても、2700系って塗装について従来のデザインを崩してしまうとイマイチになっちゃいますね。

 

側面がこの通り。徳島から「剣山」に乗車し、阿波池田で何も知らずに「南風」を待っていたらこれが来たものですから、取材しない訳には行きません(^^;; 

 

なお今回取材したのは赤色の編成、この他にも黄色の編成がおります。

 

JRで言う「キロハ」に相当する2800形のデッキです。外観の時点で既にアンパンマンで埋め尽くされているわけですが、それはデッキに入っても変わりません。むしろ、新製時からこれなのでパワーアップしております。

 

仕切りもこの通りです。目がチカチカしますね(^^;;

 

トイレです。最近はアンパンマンもキャラクターが色々増えているので、「おめー誰だ」と思うものも多々‥。

 

で、向かい側もこの通り。

 

車内です。いやーすごい、改めてすごい(^^;; ゆうゆうアンパンマンカーとは違って曲こそ流れませんが、視覚的に強烈なイメージは相変わらずです。

 

デッキとの仕切りです。ドキンちゃんのエンブレムみたいなものがありますね。

 

天井です。中央から色々なキャラクターに凝視された状態で振り子作用で走り狂うわけですから・・ねぇ?(笑) 座席番号の表示にもアンパンマンがいたりします。グリーン車側の仕切りには、アンパンマンとばいきんマンがおります。

 

窓です。日除けは降ろした状態でセットされており、生地はパン工場や山々等の背景が描かれたものになっています。

 

座席です。2000系のリニューアルで少し落ち着いた感じになったかな?と思っていたのですが、まーたぶっ飛んだ方向へ盛って来たなぁという印象です。

 

一応ヘッドレストカバーがかかっていますが、キャラクターの顔がどーんと。テーブルを開いてもキャラクターがたくさんいるという状態になっております。グリーン車の乗客は、トイレに行こうとするとこのアンパンマンだらけのゾーンへ踏み入らねばなりません(笑)

 

その他の「キハ」に当たる車両に関しても、座席こそ普通ですが天井にたくさんおります。

 

という訳で天井です。デザイン自体はアンパンマンシート区画と一緒ですね。

 

8600系と並びました。JR四国第二世代の顔ですね。

 

朝日を浴びて、高知へと出発です。