阿武隈急行8100系 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

福島と宮城の槻木を結ぶ東北本線のバイパス路線が阿武隈急行です。平行在来線という言葉が出てくるまでは唯一三セクで交流電化された路線でした。

 

長年走り続けてきたのが阿武隈急行初の電車、8100系です。ベースとなったのは国鉄末期に登場した現JR九州713系で、高運転台にもそれらしさを感じます。

 

なお寒冷地東北でも比較的積雪が少ない地域を走るためかパンタグラフは菱形タイプのままで走行しています。一方で行き先表示はLED化されていますね。

 

車内です。2扉セミクロスシート配置も713系に準じていますが、阿武隈急行用にアレンジも加えられています。

 

ドアです。車端部側は両開き式でラッシュ時の乗り降りに役立っていそうです。ただ国鉄時代からの旧丸森線の駅に合わせたホーム高さゆえステップがあります。

 

一方、乗務員室側のドアは片開き式です。これは当初からワンマン運転を想定してなるべく乗務員室側にドアを寄せるためなんだとか。同じ手法は和歌山電鐵でも見られますね。

 

ドアは通年半自動式、外側に開ける、内側に開閉両方のボタンが設置されています。内側に関してはやや高い位置に設置されており、背が小さいと押すのに難儀しそうです。もしかしてイタズラ防止?

 

車端部です。何よりオリジナリティが出ているのがここ、モノレールのようなきのこ形貫通路となっていることですね。通常と異なる設計は費用もかかりがちですが、当時は気合いを入れて作っていたんでしょうね。

 

最前面です。当時からワンマン運転を想定していたのはここにも表れており、半室構造とされ車掌台側はパイプや乗務員用補助椅子で仕切っています。運賃表示機はLCDディスプレイ化されていますね。

 

天井です。冷房吹き出し口は時代を反映させラインフロー式、そこまで混雑しないと踏んだと思われラインデリアは有りません。また吊革もロングシート上のみの設置です。

 

その吊革ですが、出ましたこの珍品。留め具と持ち手が一体となったタイプで、留め具部分は広告枠を兼ねています。当時広告収入アップを狙って首都圏で登場したものと聞いていますが、首都圏から少し離れた福島でこれを見ることになろうとは…(更に離れた北九州では相当数発見してますが)。

 

窓です。戸袋窓以外は国鉄型車両に準じた二段窓で、日除けは爪を引っ掛けるロールカーテンタイプです。柱にはコート掛けも設置されています。

 

座席です。ドア間はロングシートでクロスシートを挟み込んだセミクロス配置ですね。

 

クロスシートは、登場時期の割に持ち手がかまぼこ形をしたタイプ。この時期って、もう113系どころか211系も登場した後ですから、この持ち手自体既に二世代も前のものなんですが…もしかして廃車発生品?

 

窓側の肘掛けが省略された近郊型仕様、シートピッチも広くは有りません。モケットは福島の桃をイメージしたのかピンク色となっております。

 

ロングシートです。一方こちらは袖仕切りが201系を始めとした肘掛けを兼ねた板となっており、居住性に配慮したものとなっています。

 

整理券発行機が付くとこんな感じ。

 

優先座席です。JR東日本共通のものになっています。同線から乗り換えてくることを考えれば、共通化させておいた方が認識も一致するというのは自然な流れと言えばその通り。

 

車端部の8人掛けロングシートです。2+3+3で区切ることで定員着席を促しています。

 

トイレです。車端部側では無くこの位置に落ち着いたのはなぜでしょうか(^^;; 中は和式、扉の横にくずもの入れがあるのもオリジナルポイントです。

 

そしてドアとトイレの間にある優先座席です。ここだけ隔離されたような空間になっています。

 

新型、AB900系と並びました。今後は置き換えが進んでいくと思われますので、乗車・記録はお早めに。