JR東日本485系「ジパング」仕様車 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

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中尊寺金色堂が世界遺産に認定され、JR東日本からはかつて盛岡駅からアクセス用の専用列車を用意していました。列車の名前は「ジパング」、車両は形式名を見ての通り、かの名車・485系を充てています。

 

しかし塗装はともかく見た目の凸凹さはどうにもなりません、ひとつ前の出自が先頭車と中間車で大きく異なっていますからねぇ…。

 

先頭車は元々高崎所属のお座敷電車であった「やまなみ」が出自で、元々4両編成でしたがうち中間電動車2両を同じくお座敷電車であった「せせらぎ」から改造した「やまどり」に持って行かれたため、郡山で整備の後に盛岡へやって来た次第。

 

この車両は指定席として運用されます。サボ受けも設置されていますね。

 

それでは参りましょう、まずはデッキ、ドアからです。化粧板は木目調、楕円形の窓は高崎に在籍する(した)お座敷電車の共通項ですね。

 

デッキは観光案内ディスプレイを兼ねています。この見た目、世代によっては999の機関室を思い起こす方がいるようで。

 

上下はアクリルのパネル板、真ん中には薄型テレビを3枚配置して観光案内の映像を流しています。

 

盛岡方先頭車は下のパネルがありません。この違いはなんなんでしょう…。

 

連結面を見ても、漆をイメージした地色に金色で型抜きされた模様が描かれています。

 

いよいよ車内です。当たり前ですがお座敷電車時代から大きく変貌を遂げており、畳は取り払われ代わりに窓側を向いたロングシートが設置されています。

 

デッキとの仕切りです。心なしか断面が広めに見えるのは屋根を張り上げた分でしょうか。

 

天井です。ここが和風お座敷電車の面影を良く残しているところで、光天井となっています。解放感があるのは荷棚が無いからで、多くの荷物を持ち込むのは止めておいた方が賢明です。各駅のコインロッカーを使うか、大人しく自由席を使いましょう。

 

窓です。都合2席に1枚の割り当てです。

 

一応、日除けもあります。ただ窓側を向いた席で日除けを降ろすのもまた無粋です。

 

座席です。窓側を向いたロングシートで、それぞれ2人掛けとなっています。

 

肘掛けは文字通り肘が置けるかどうか程度のもので、出入りのしやすさを優先しているようです。クッションはそれなりに詰められており悪くはありませんが、背ズリの角度を見るにゆったり座るそれではありません。

 

この座席、脚の通路側にペダルが付いており、キックしてやると少しだけ進行方向に向けることが出来ます。特段お知らせされてるわけでもない隠し機能的備えですね。

 

窓側には大型の固定テーブルが備えられています。一応ドリンクポケットもあります。

 

で、もう一つポイントとなるのがこの展望席です。ここは指定席券を持ってなくても立ち入りが可能なようです。

 

一応座席もありますが、長居不要と言わんばかりのモケットを貼り付けただけの仕様です。せめてもの配慮として、後部席は最前席よりも座面が高く設定され展望を良くしています。

 

 

運転台を見ますと…ええ、安定の485系ですね。

 

続いて自由席へと参りましょうか。

 

青森に転がっていた適当な3000番台M車ユニットを持って来たためこれだけ凸凹になったわけですが、この車両は令和になっても唯一残った原型のシルエットを残した485系となりました。

 

まずはデッキから。ドアは3000番台時代のままで残されています。ゴミ箱が外置きされており、消火器の収納スペースも兼ねていますね。

 

そのゴミ箱です。フタ付きで、飲料系とその他で分別されています。

 

トイレと洗面台です。ブラックの化粧板で固めているのが3000番台らしいですね。洗面台は温度調節機能付きです。

 

余寸にとりあえず付けた的な荷物置き場です。一応、長尺モノも置くことが出来ます。ただデッキかつドアを挟んで遠い位置にあるため積極的に置きたくはないですね。

 

で、機器スペースを利用した荷物置き場もあります。

 

車内です。座席のモケットこそ変わっていますが、その他は3000番台として大規模リニューアルされた時の大きく変わりません。

 

デッキとの仕切りです。この黄色い仕切り扉が東北の3000番台らしいですね。

 

天井です。ルーバーを付けて照明カバーも変更されたためオリジナルとはかなり見た目は今風になっています(笑)  荷棚は前飾りこそ付いたものの、バータイプのものが引き続き利用されていますね。

 

窓です。「はつかり」や「白鳥」時代から変わりません。

 

座席です。3000番台化以降に搭載された座面スライド機構付き回転リクライニングシートですね。

 

モケットこそ指定席車に合わせて貼り替えられていますが、黙って座れって走り出せば485系3000番台、かつての「はつかり」に思いを馳せるのも悪くありません。

 

車椅子対応の1人掛け席の後ろはシートバックテーブルが無いため小型のサイドアームレストテーブルが設置されています。せめてもの補償感が強く、飲み物とスマホを置けばもういっぱいですね。

 

その1人掛けです。当時は指定席車として使われていたのでしょうね。

 

リクライニングの図。アームレストには車椅子固定用のベルトが付いており、乗り移りの便を図るべく跳ね上げも可能です。

 

リネンはJRマークが入ったもので、盛岡支社で唯一ヘッドレストリネンを使う列車になっていました("はまゆり"はレザーリネンですし…)。