ここはのと鉄道の能登中島駅、ここの旧貨物線ホームに、1両の普段見慣れない車両が保存されています。
その名も「郵便車」、今や郵便輸送は全てトラックで行う時代ですが、かつて国鉄を中心に鉄道でも郵便輸送を行っており、「ユ」の記号を持つ車両が多数各地に在籍していました。このオユ10-2565もそんな1両です。なお、このオユ10は数少ない10系軽量客車の生き残りでもあります。
車内です。もちろん業務用車両で旅客の乗車は全く考えられていないので、走る郵便局オフィスと言った感じです。なお、当車両は国鉄時代に用途不要となった上でかつて存在した甲駅へ運ばれ、民営化前に車籍抹消されて一旦のと鉄道の手へ渡り、その後路線短縮により当地へ移送、保存会に譲渡されて今に至ります。そのため「のと鉄道」の題は少々異なりますが(^^;;
車端部です。付ける必要も無いのですが一面壁、客車との連結時に幌で繋いでいたのか一応貫通扉があります。
反対側には「車掌室」の文字が残ります。
隅には懐かしの丸ポストが置かれています。ここで葉書を投函すると、オリジナルの消印を押して郵送してくれるそうな。なお「のと里山里海号」では切手などを販売していません。はがきを持参して送りましょう。
天井です。軽量客車ですが、晩年に冷房化されたのでしょうね。
窓です。投石防止・不法侵入防止のためか金網が張られております。
その手前には募金箱があります。保存車両の維持には莫大な費用がかかります、訪れた際には是非少しばかりでも入れていきましょう。
職員さんの休憩スペースです。2人掛けのロングシートが備わっています。モケットがちょっと残念なことになっていますが…。
トイレです。中は伺えませんでしたが、まぁ和式でしょうね。
今やJR世代の車両では消滅した冷水機です。私も稼働状態を見たことがありません。
業務スペースにある謎のアイテム。特に説明書きもなく、どのように使うのか分かりません…。
郵便の振り分け棚です。かつて各駅で載せられた郵便物がここで振り分けられていたのでしょう。
内容を見てみると、案外見知った宛先が書いてあるもので、短い見学時間があっという間に過ぎてしまいます(^^;; それにしても菊水山まで(^^;;;
こちらは小包ゾーンでしょうか。いくらなんでも乱雑すぎやしませんかね…。
その中のひとつを見てみると…シュプール白馬・栂池とはまた懐かしい…。
奥には郵便車が現役だった頃の写真が飾られています。
この車両の来歴もこの通り。
さらに、現在の持ち主、鉄道郵便車保存会の連絡先も貼られています。ホームページもありますので覗いてみてはいかがでしょうか。
最後に、かつて存在した甲駅の駅名票です。
この地で末永くあり続けることを祈りつつ、乗車した列車に戻り穴水を目指しました。