JR九州キハ47形「かわせみ やませみ」仕様車 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

ほとんどの列車が新幹線から接続する九州の観光列車群。先の改正で定期特急列車が消滅した肥薩線に2017年、新たな観光特急列車が登場しました。

 

「かわせみ やませみ」、熊本-人吉間で1日3往復運転される特急列車です。種車は順当にというか相変わらずというかキハ47形普通列車、今となってはもう「詐欺」もへったくれも無くなってきた感があるのは慣れなんでしょうね。というか、この列車名で初めて「やませみ」なんてのがいるのか、と少し賢くなった気分。

 

人吉駅ではこちらも同区間で特急に格上げされたある意味遜色特急、「いさぶろう・しんぺい」仕様車と並びます。ここで吉松行き普通列車として接続しています。

 

側面にはやはりイラストとロゴが描かれています。

 

そして窓下もこの通り。まぁいつも通り誰かが何かをやらかしたわけで…。

 

基本編成はかわせみ車両とやませみ車両の2両編成で、一部列車に自由席が設定されています。ですが今回の乗車はお盆、熊本駅の案内を見ると指定席車2両、自由席車1両の3両編成での到着と案内されており、「はて、あとは何せみがいたっけ?」と思っていたら…。

 

「お前かい!!」と思わず心の中で叫んだ熊本の朝、自由席の正体とはいさぶろう・しんぺいの増結車、キハ140-2125です。方向幕もご丁寧に「かわせみ やませみ」になっているのはキッチリしているのか当て付けなのか…。この時は肥薩線の特急列車の中でどの自由席に乗ってもリクライニングシートにありつけないという近年稀に見る残念具合を見せています。「Design & Story」が先行してしまい、"Comfortable"にまで頭が回ってないんでない?

 

そりゃあ、色の3原色は怪我の功名的にきれいに揃ってはいますが…て、もしかしてそれが狙い?肥薩線が豪雨災害で被災して以降は、北隣の豊肥本線などで走っています。

 

車内です。まずは「やませみ」車両から。今回の観察ではカメラのモード設定を誤るという痛恨のミスを犯したため、一部画像がかなり暗く写っておりますのでご了承下さい。全体の雰囲気としては、近年のミトーカデザインの流行をそのまんま持ってきた木で溢れた印象です。

 

ドアです。キハ47の改造、もちろん両開き扉ですしデッキはありません。一応、風の顔面直撃を防ぐべく仕切りこそありますが…。まぁ車両の性格からして要らないっちゃ要らないんですが。

 

車端部です。車内販売カウンターが備わります。なお、車内販売カウンターはこの時点では営業していませんでした。1号と平日の2号は営業していないようで。

 

向かい側には地酒や工芸品などの展示スペースがあります。この辺りはミトーカデザインに関わらずどこの観光列車でも見ることが出来ます。

 

天井です。森をイメージしたのか、木の枝や葉の絵柄を全面に貼り付けています。

 

座席です。リクライニングシート区画は885系で登場したJR九州のオリジナルフレームです。まぁどこでも見ることができますわな。詳細はまた「かわせみ」車両にて。

 

続いてボックスシート区画です。グループでの利用はこちらがおススメですね。まぁ、見た目からしてクッション性も決してよくない鉄道用としては向かないモノですね。ローカル軌条でよく揺れますし。まぁ観光列車ですから、盛り上がっていたらそんなの気にならないでしょうね。

 

こちらは2人掛け。こちらもテーブルは固定式となっていますね。出入りが容易だからなんでしょうね。

 

そしてカウンター席区画。こちらはペアシートが2組設置されています。恐らく、お一人様がここを指定することも出来ちゃうんだろうなぁ・・。

 

で、お一人様救済区画ともいえる反対側。シートマップはJR九州のHPにもあるので、指名買いの際はご参考まで。

 

「やませみ」車両の運転台側は荷物スペースを挟んでちょっとした個室風区画となっています。

 

荷物スペースです。二段式で、カーブ等での落下を防ぐためベルトも設置されています。

 

荷物スペースを抜けるとこんな感じ。通常運転では運転台との仕切り扉が閉められて本当に個室感覚ですが、本日は3両編成、幌も繋がっているので通路の途中に座席があるといった感じになってしまっています。

 

で、座席自体はやはりソファ調のもの、両側には折り畳み式のテーブルが設置されています。それにしてもねぇ、ソファ調とは言え特急列車にして堂々の「ロングシートの指定席」ですよ?冷静に見れば開けてはいけないパンドラの箱を開いたようなそんな思いです。一応、基本は2両編成ですし、個室間を出す為に手前の荷物置き場には簾(※今回運用時はたくし上げ)があるんでしょうけど・・。

 

続いては「かわせみ」車両です。「やませみ」車両とは配置や配色がちょちょいと変わっています。

 

ドアです。かわせみらしく青い塗装となっています。光沢が強く、この辺りは883系辺りまでのメタリック感が強く出ています。

 

なお、ドア上には開閉ランプが設置されました。

 

車端部です。こちらにはプチ展示カウンターとトイレが備わります。

 

で、展示カウンターはこの時は非営業。

 

で、折り返し時にはこのように地酒が多数並べられておりました。

 

トイレです。大型のバリアフリー対応トイレに交換されています。

 

トイレのとなりにはかわいい「かわせみ」のエンブレムが貼られています。

 

天井です。こちらは青い枝と葉のデザインですね。照明はLED灯が等間隔で並んでいますが、入線時は日除けが下げられた状態で入ってくるもんですから、照度足りてないのかかなり暗いです。まぁ、普段は日中の運転だけですが・・。冷房は集中冷房でラインフロー式となっています。あんなバカデカいのに冷えない冷房装置じゃちとマズいですよね。

 

窓です。固定窓となっていますが、配置自体は変わりません。おかげで、後述する悲惨な席も多々・・。日除けはやはり簾、メンテにめっぽう弱いJR九州がどこまでついていけるかがポイントですね。その他、柱には和風の飾り照明が付いています。

 

続いてカウンター席です。「やませみ」車両よりも多くの席があるようにみえますが・・。

 

うち3席はチャイルドシートのようなものである意味ダミーですね。

 

で、肝心の一般座席。背ズリは悪意しか感じない檻状、深く腰掛けずカウンターテーブルに頬杖付きながら景色を眺める方が幸せです。

 

そしてボックスシート区画。手前に見えるのは2人掛けで、ドア横に面しているため晒し者になるわテーブルがドア横にちっちゃいのがあるだけで通路側は「・・・」な状態だわそもそも外側は「窓側」ではなく戸袋の関係か「壁側」だわで、「なんでこんなとこに座席作っちゃうよ?」と言った突っ込み所満載の席となっています。

 

ボックス区画のテーブルはこのように折り畳む事が出来ます。

 

続いてリクライニングシート区画です。

 

モケットは各座席ごとに異なるデザインとなっています。この辺りの手の込み方はさすがドーンデザイン。

 

が、窓割を弄らなかったためにこんな修行席が出るわけで。観光、「光を観る」の意に反する言語道断の席とも言えます。実は「やませみ」車両で載せたリクライニングシートの最前列はもっと酷いんですけどね。既存車両の改造が悪いとは言いません、でもやるなら徹底してやって欲しいのです。

 

最前列には固定式テーブルが増設されていますが、なんで意地でも縁取りを付けてくれないのか、こちらがいじける勢い。座り心地としてはやっぱり座面の扁平さが気になるなぁと。

 

かわせみ車両の最前面は両側に荷物置き場が設置されています。その先は乗務員室との仕切り扉、業務感を出さない為に仕切り窓を一切付けないのはここ最近の観光列車の共通項ですね。ささやかな配慮と言われればその通り。

 

かわせみ車両の車端部はサービスコーナーとなっています。

 

中程にはお立ち台とともに覗き窓があります。

 

そしてサービスコーナーです。

 

野鳥を探すためなのか、双眼鏡が準備されています。さて、使用頻度のほどは?

 

スタンプ台と沿線マップ、ゴミ箱の3点セットです。なお、客室乗務員乗車列車ではVR体験も出来るとの事。新しい試みですが、今回は車窓や取材に徹したもので・・。

 

乗車記念証はセルフサービス、恐らくスタンプが2種類あるためと、一部列車に客室乗務員が乗車していないからなんでしょうね。

 

その上には感謝状やらQRコードやらがあります。乗車時には是非。

 

仕切り扉の窓をズームイン。かわせみのシルエットが描かれています。

 

で、こちらはやませみ。やませみの方がいかついですね(笑)