JR西日本14系「サロンカーなにわ」仕様車 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。


ここは吹田総合車両所宮原支所。ここの非電化留置線に、長年宮原のヌシとして君臨(?)してきた客車がいます。


14系座席車、かつて日本各地で見ることが出来たこの客車も、北海道の「はまなす」で使用された車両の廃車を機に定期運用は消滅、現在JR線上ではこの編成と北海道のSL「すずらん」用の編成を残すのみとなりました。
 

列車名は「サロンカーなにわ」、かつて景気がいい時代は団体で貸し切って旅行に行くスタイルが主流であり、国鉄から引き継いだJR各社がこのような団体専用列車(いわゆるジョイフルトレイン)を多数保有していました。この「サロンカーなにわ」は、3ヶ月前に登場したジョイフルトレインの始蘇である「サロンエクスプレス東京」の次に登場した最初期の部類に入る列車で、他のジョイフルトレインが次々と引退していくのを尻目に長年に渡り活躍をして来ました。
 

ヘッドマーク・テールマークの他に専用の表示幕とサボが用意されています。
 

誰だイタズラした奴は…。
 

それでは参りましょう、デッキドアです。ステンレス製の折戸構造をしており、全国的に見ても絶滅危惧種になってきた感があります。地方の低床ホームに対応すべくステップ付きとなっていますが、ホーム自体がかさ上げされた駅も多くステップが逆に障害になっていたり…。
 

トイレです。基本的に和式となっており、ジョイフルトレイン黎明期の登場らしい仕様と言われれば確かにその通り…。
 

向かい側の洗面台です。青い一般客車時代よりも小綺麗になっています。それにしても、右側に非常に懐かしいアイテムが…。
 

紙コップホルダーです。現在は使われておらずレバーも撤去されていますが、なぜだかほぼすべての車両に残されています。洗面台の水は飲用禁止なので、かつては冷水機もあったのでしょう。
 

サニタリースペースと反対側のデッキです。かつてこちらにもドアがあったのですが埋められていますね。
 

その証拠、くずもの入れです。どことなく国鉄スタイルから脱却しています。
 

そして微妙なデザイン違いもあります。
 

客室入り口です。初めて乗ったらまずこの配置にビックリすると思います(笑)  本来あった仕切り扉の部分は壁となり、代わりに長手方向を向いたドアが新設されています。
 

左側には資材保管スペースがあります。アコーディオンカーテンで仕切られていますが、こちらはまた後程。
 

仕切り扉です。鉄道用というよりもはや家庭用、今や新築住宅でもあまり見ない木製の扉です。
 

一応土足禁止扱いのようですが、現在は特段そのようなことはありません。
 

車内です。これぞジョイフルトレイン、今まで見たことがないような光景が広がっています。
 

デッキとの仕切りです。こちらから仕切り扉が見えないのがある意味新鮮です。
 

壁際には液晶テレビが備え付けられています。列車によっては使われることもあるようです。ちなみに一部号車は前の画像のように壁に埋め込む形で据え置かれています。
 

その隣にはAV機器が備わります。基本的に触ってはいけません。
 

反対側のデッキとの仕切りです。こちらにはステンドグラスがはめられています。かつて存在したトワイライトエクスプレスのスシ24を思い出してしまいました。
 

天井です。二列の蛍光灯が並ぶスタイルから、家庭用に近い丸型の照明となりました。これが既存の冷房装置の間にポツポツとあるものですから、冷房装置下等は少し薄暗く感じます。補助照明として右側の通路上に暖色の蛍光灯がありますが、窓側には全く還元されていません。通路が寄せられた関係で荷棚は窓側のみの設置となっています。
 

夜行運用に使われる時はこんな感じ。補助照明のみが点灯します。
 

窓です。構成は変わりませんが、窓枠や日除けが交換されています。
 

日除けはリッチな二枚仕立て、JR東海のキハ85系グリーン車でも同じ構成となっており、やっぱりバブリーな雰囲気を醸し出しています。今やグリーン車でもロールカーテンで済ます時代ですからねぇ…。
 

カラオケ機器を積んでいることもあり、柱にはマイクジャックが設置されています。
 

窓の下には暖房スイッチと吹き出し口があります。窓側はともかく、中央や通路側はその効力にあやかるには少し時間がかかりそうです。
 

座席です。1+2と2+1が交互に並んだ変則3列配置となっています。
 

座席配置を考慮してテーブルはインアーム式、駅弁を置くのがやっとくらいの大きさです。特にバブリーさを感じるのは座席のカバー類。ヘッドレストカバーはレースリネンとなっており、同じ素材がアームレストにも貼り付けされています。まぁ何とも古式ゆかしきグリーンの風格、今時アームレストにリネンカバーを付けているのもこの列車くらいではないでしょうか。おいそれと乗れませんが・・。
 

ちなみにシートピッチはかなり広めです。しかし、おかげ様でこんな修行席も一定数あります。リクライニングの角度はそれなりのもので、前列がフルリクライニングをやらかしてもそこまで狭くはありません。
 

こちらは1人掛けです。
 

全展開の図。座り心地は柔らかめ、但し昨今の大型化したグリーン車の水準と比べるとやはり見劣りはしますわな・・。とはいえこの座席で最長18時間を過ごした身としては、「くつろぎ」という観点ではそう悪いものではありません。
 

この座席、団体用途を想定していることもあり座席をロングシート方向に固定することも出来ます。こうしてグループでわいわい、と言った感じでしょうか。
 

そして斜め固定でこんな芸当も(笑) そりゃあ座席下に暖房なんて仕込めませんわな・・。
 

アームレストには灰皿もありますが、列車内は全面禁煙です。
 

窓枠下辺はちょっとしたテーブルとしても使えます。
 

続いては2号車に位置するオロ14-706号車へと参りましょう。この「サロンカーなにわ」、西日本管内ではお召し列車にも何度か使用された実績があることから、メインとして使われる1号車の次位となる2号車は他の号車とは一味違った装備を持っています。それにしても、鷹取工場の名前が懐かしいこと…。
 

トイレです。こちらは唯一中が洋式に交換されています。また洗浄はセンサー式です。
 

洗面台です。右側の紙コップホルダーがなくなっていますね…。
 

1号車との連結面です。こちらまで特装仕様、新幹線のような防音板仕上げとなっています。
 

 また渡り板も三枚で、中央の板はカーペット敷きです。
 

出入口側の資材保管スペースです。アコーディオンカーテンではなく折戸構造です。
 

その内部はこの通り。二段構造で上段にはテーブルが収納されています。そりゃあアコーディオンカーテンよりもこちらの方が信頼出来ますよねぇ、落ちてきたら一大事ですし…。
 

ドアが無い側のデッキ仕切りです。こちらには土足禁止のプレートがありません。かつて土足禁止だった時代に活躍したであろう下駄箱も備わり、座席番号が振られて全員が利用出来るようになっています。B寝台よろしくスリッパが用意されており、夜行運用時にはこれが中々重宝します。
 

車内はそれ以外に目立った違いはありませんが、窓枠下辺はステンレス仕上げではなく地味に石材のような仕上げ方となっています。
 

2号車は以上、お次は7号車の展望室です。ラウンジ調の室内で、ここは定員外のフリースペースとして開放されています。
 

客室との仕切りです。ステンドグラスがはめられているのは他の車両と同様ですが、手前に飾り衝立がありますね(笑)
 

天井です。飾り照明を多数配置して照度を確保しています。どんな規則性があるのか分かりません(笑)
 

窓です。客室とはカーテンの素材が異なり、窓上にカーテンレールを設置しています。
 

展望室からの眺めです。真ん中の横方向に走る柱がもう少し何とかならなかったかなぁ、と…。
 

座席です。片側にソファが6つ並びます。こちらもレースリネンが掛けられ、座面には座布団が置かれています。
 

配電盤にかかる部分は少しせりだして置かれています。
 

ソファは一応可動式です。運用に入ると皆さん大体この配置にしますよねぇ…(笑)  配電盤手前にゴミ箱と吸殻入れがありますが、先述の通り車内は禁煙です。
 

ガラスは下部分のみ着色されています。これに何の意味があるのでしょうか…。
 

続いてこの列車が「サロンカー」と呼ばれる所以、車両定員0名の1号車、スロフ14-703へと参りましょう。お召し列車として使われる場合は、この車両がメインとなります。そうそう、お召し列車として使われる関係で、窓は全て防弾ガラスとなっています。
 

サロンカー車内です。バブリーよりも更に上をゆくかつての一等車のような雰囲気を醸し出しています。むしろお召し列車運用時は本来の一等車らしい使われ方をされているとも言えるでしょう。
 


入り口側にはカウンターがあり、イベント利用に備えています。
 

奥には棚まで備わっています。手前のテレビは何に使うのでしょう…?
 

そしてまさかのオルガンです。この手の大きなフリースペースを有する車両には大体楽器がありますね(笑)
 

そしてここにも各種必要アイテムがあります。右側が通風機器のスイッチです。
 

少し見やすい位置にまで進んで。ホテルのロビーのような語らいの場が広がります。
 

天井です。照明はシャンデリア、補助照明もデザインが統一されたものになっています。そうそう、この車両には車内の電力を供給するためのディーゼルエンジン発電機を搭載しており、ベンチレータを開けっ放しにすると悲惨なことになります(^^;;  お召し運用時はこの車両の発電機は停止するそうな。
 

ソファセットです。4脚一組、丸形のテーブルもあります。
 

窓です。こちらも配置は変わりませんが、展望室同様カーテンレールは新設、日除けもオリジナルタイプです。
 

中程のソファです。こちらはロングシート配置で、展望室とは違って少々大型です。さすがに一両丸々使っているだけあってゆとりがあります。
 

一番奥にもソファセットが一組備わります。こちらも可動式で、最後尾となろうものならこのフォーメーションは速攻で崩されます(笑)
 

展望タイプの前面はこちらも同様、機関車をこれほどハッキリと見える車両も珍しいですね。
 

こちらは展望室からのものですが、このように低い視点からの展望も出来ます。
 
 

ジョイフルトレインの生き証人とも言える「サロンカーなにわ」、幾度かのリニューアルが施されているものの寄る歳の波にどこまで耐えられるでしょうか…。

 

ここからは「サロンカーなにわ」の牽引機関車アラカルト、まずはDD51牽引時です。原色のDD51もかなり少なくなって参りましたね。
 

そしてEF65PF形牽引時。ある意味2016年の一大イベントだった感もある「サロンカーあかつき」として運用された時のシーンです。この列車、金曜日の夕刻に大阪を出発して月曜日の朝到着という団体専用ツアーで運転されたため、スケジュール的に撃沈したり、片道を放棄せざるを得なかった方多数だったそうな(笑) かく言う私も無理矢理予定を合わせ、あの手この手で激戦を勝ち抜き乗車を勝ち取った次第。
 

1132号機が牽引にあたり、ちょうど全般検査明けということもありピカピカでございました。長崎行きでは往年の「あかつき」ヘッドマークが復活し、定期列車時代はEF66牽引でしたが雰囲気はバッチリでした。
 

下関-長崎間はDE10形が重連で牽引しました。こちらも長崎行きはヘッドマーク付きで、何やら立体的な形状となっています(笑)
 

黒色のDE10は九州名物とも言えますが、デッキの塗装についてオレンジとゴールドの2パターンが存在します。
 

二日市にて小休止。座席車での運行となりましたが、全席レガートシートと言った所でしょうか。
 

テールマークもあかつき仕様でした。当時は四角形でこのデザインではありませんでしたが(笑)
 

復路は博多→大阪で運転され、EF65のヘッドマークも「サロンカーあかつき」となっていました。気持ちとしてはかつて存在した臨時快速「ムーンライト九州」みたいな感じですね(笑)
 

サボも専用のものが用意されました。なお、車内販売では「サロンカー彗星」なるサボが販売されており、ネタではなく本当にやろうとしていたらしいのですが、車両の都合で実現しなかったのだとか。
 

最後にこちらも専用テールマークが掲出されました。