JR九州キハ140形「指宿のたまて箱」仕様車 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。


鹿児島中央から薩摩の名観光地である指宿を目指す特急「指宿のたまて箱」、登場当初は2両編成でしたが、高い乗車率に全車指定席ということもあって乗車機会に恵まれない人が多いことから繁忙期に連結される増結車が存在します。


車両は毎度お馴染みキハ40系列の改造車であるキハ140形です。サボ入れにもはっきりと140の文字が…。


側面には大型窓があり、海沿いを走る区間では減速運転を行い美しい景色をゆっくりと眺めることが出来ます…と良く書いてみますが、元はと言えば九州新幹線の部分開業により登場した吉松-鹿児島中央間で運転されている特急「はやとの風」の基本編成が検査に入った際に使用する予備車でして、普段から稼働率が低かったためこちらにコンバートした形となっています。で、元の使用用途である「はやとの風」予備車としての役割は解かれておらず、稼働時は「いぶたま」塗装のまま「はやとの風」にぶち込まれます。そりゃあもう九州がウリにしている「D&S」の"S"はどこに置き去りにされたのかと言わんばかりに…。


車内です。何も知らない一般乗客(笑)からは「あ、こっちは雰囲気が違う!」と言った声が聞こえてきます。でも、「はやとの風」から乗り換えてきたら半分新鮮、半分デジャヴと言った感覚に襲われるでしょうね。


ドアです。無塗装の味気ないものから白い塗りドアになりましたが、低床ホームに対応するためステップは残っています。


最前面です。木目調の化粧板が支配しています。種車の問題もありますが前面展望は絶望的ですね。予備車としての都合もあると思いますが、行灯式の停車駅案内はありません。


増結した状態だとこんな感じ。両運転台車なので、どちらが抜けても片方に連結出来るのが利点ですね。


天井です。ゴツくて冷えない冷房装置は姿を消し、丸みを帯びた天井を少し埋めてラインフロー式の吹き出し口に変えています。照明も白熱灯タイプで、本当にキハ40系列なのかどうか怪しくなりますね(笑)


窓です。天井から一転、こちらは構成が変わっていません。窓枠の色と日除けの生地が変わってる程度で二段窓で残っていますし、ここはもう少し頑張ってほしかった気がします。


座席です。「はやとの風」時代からモノは変わりませんが、モケットはなんとなく「いぶたま」っぽいものになっています。


フレームは885系以来お馴染みとなっているセンターアームレストにインアームテーブルを仕込んだタイプです。見てからに座り心地がよくないのは明らか、肩部分のクッションを省略しているのはもちろん、クッション部分もお世辞程度のものです。これに加えて地方交通線のローカル軌条と来たもんですから、そりゃあもう修行ですかと。


壁際の座席については固定テーブルも備わります。インアームテーブルが貧弱で形状が悪いだけにそれを補完するものがあるのはありがたいですね。


その固定テーブル。相変わらず縁取りはありませんし、ドリンクポケットも浅めなので飲み物を置くのはかなりスリリングです。規格統一してコストを下げたいのは分かりますが、もう少し、というかもっと居住性の観点から形状を0から見直して欲しい。


「はやとの風」時代からある展望スペースです。共通予備車となった副産物で、海が見える区間でその効果を発揮します。座席はベンチそのもの、全車指定席の共用スペースなので長居は無用ということですね。


向かい側はこんな感じ。セミハイデッキ仕様で、こちらはミトーカデザインではよく見かけるソファが2つ設置されています。こちらも見た目ほど座り心地がよくありません。同じくフリースペースなので、ある意味「狙い通り」とも言えるでしょう。


車椅子スペースです。ゴミ箱も置かれています。


トイレです。コンパクトなデザインは種車時代から変わりませんが、中は洋式になっています。


最後に中間に入った運転台の車掌席です。いぶたまデザインの進入禁止表示が置かれています。



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