蒸気機関車の保存を長年行ってきた梅小路蒸気機関車館、京都鉄道博物館となってからも蒸機の保存は継続しており、動体保存も行われています。画像はそんな中の1機、C62型です。
2号機にはステンレス製のツバメマークが貼り付けられており、漆黒の車体に輝く銀色の姿から「スワローエンジェル」と呼ばれています。
さて、蒸機も大事ですがこちらも必見です。京都鉄道博物館開館に合わせて、これまで運転されてきたスチーム号の客車を一新、装いも新たに二代目スチーム号として走り始めました。車体も従来より大型化され、定員も大幅に増加しています。
機関車との連結面はこんな感じです。種車はレール輸送用車のチキで、今も車体が載っかっている下のフレームには貨車時代の名残が残っています。ちなみに先代の客車とは違い、この客室には形式名が与えられています。実は国内最新形式の客車では、と言いたい所ですが、実は車籍は有していないとのこと。いつぞやか来る京都駅乗り入れのための布石なのでしょうか。博物館方に連結されているの車両は「オハテ321」を名乗っています。
こちらは梅小路公園方に連結されたオハテフ310で、形式の付番方法はJR北海道の50系客車に倣っているようですね。簡易運転台と放送設備を有していることから「フ」の記号が充てられています。咲き誇る桜の花びらが美しいですね。
車内です。先代と同様オープンタイプのトロッコ車両で、様々なところに遊び心が溢れたデザインとなっています。
最前面です。「テ」の記号らしく、オープンデッキとなっています。左側には簡易運転台が設けられており、アナウンスはここで行われます。そのアナウンスですが、JR西日本の制服を着ている方だったので、もしかしたら本物の車掌さんかも…?ちなみにオープンデッキ部分は車椅子スペースなので、一般乗客はその直後の座席が最前列となります。
天井です。台枠より上は新製車体なわけですが、トロッコ車両のセオリーなのか骨組みそのままで塗装仕上げとしています。照明も備わりますが、明るい時間で最終を迎えるためか消灯していました。
側面です。速度が低いためか、本線でバリバリ走っているトロッコ列車と比べると柵は低めです。
雨天時を考慮してビニール製のカーテンが備わります。もちろん冷房なんかはございませんので、数ヵ所に風鈴がぶら下げられています。
座席です。木製のベンチシートがクロスシート配置で並んでいます。大人であれば片側3~4人程度で座れるでしょうか。座り心地は見た目の通り、乗車時間も知れているので気にすることもありません。
窓下にはJR西日本管内を走った(通り抜けた?)特急列車のヘッドマークがデザインされています。この座席は東京-長崎間を走った寝台特急、「さくら」が描かれています。今は新大阪-鹿児島中央間の準速達タイプの新幹線の愛称になっていますね。京都にまで来ないことはこの際触れないでおきましょう。
ヘッドマークのデザインは座席ともリンクしており、ベンチシートには桜のイラストが描かれています。
こちらは東京-大分間を結んだ寝台特急「富士」がデザインされています。座席の中では上位の秀逸さを誇ると思います。歴史ある列車名なのですが、語呂の問題と名付けられる線区に恵まれないせいか、中々復活しませんねぇ…。
こちらは戦前の東海道本線のエース、「つばめ」が描かれています。「こだま」や「ひかり」等の自然現象に追われるように西へ西へと飛来し、今は九州新幹線の各駅停車タイプの種別になっています。
こちらは分かりづらいですが「かもめ」デザインです。今は博多-長崎間の特急列車の名前ですね。あいつ大丈夫か、ってくらいよく揺れるんですよねぇ…。
ここは大阪-青森(函館)間を結んだ寝台特急「日本海」ですね。日本海の荒波でしょうね。
そしてここは「はと」です。平和の象徴と言うことで戦後を代表した特急列車でした。
こちらは今も東京-出雲市を結んでいる寝台特急、「出雲」です。現在の「サンライズ出雲」は岡山経由ですが、この「出雲」は山陰本線経由でした。
こちらも今も現役、「はくと」です。ルートも「スーパーはくと」と同様で、キハ181系で運転されていた列車に与えられた愛称でした。
一部車両には仕切りが設置されています。こちらにはこれまで紹介したデザイン全てが凝縮されています。
車椅子スペースです。折り畳み式の座席が設置されており、普段は跳ね上げた状態となっています。
最前列からの眺め。山陰本線の列車も行き交います。
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