JR西日本681系 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。


JR西日本初の特急型車両、681系です。民営化以降、JR各社が軒並み特急型車両をいち早く導入した中、収益の柱となっている現在のアーバンネットワークの体質改善を優先したために最後発に登場しています。つぶらな目をした大人しそうな外観の割に足周りは中々のハイスペック車両となっています。


こちらは懐かしいショット、かつて北越急行直通用として登場した「はくたか」用の車両です。塗装は大きく変わりませんが、足回りは北越急行線内での160km/h運転に対応するため更に強化されています。北陸新幹線開業により在来線の「はくたか」が廃止されたため、160km/h運転は現在実施されていません。


こちらは増結に対応した貫通仕様車。先代の485系の流れを汲んだ形状ですが、えらくサッパリしていて面白くないなぁと言う印象を持ってしまいます。

 

在来線「はくたか」の廃止と「サンダーバード」の運転区間縮小により、多くの編成が「しらさぎ」に転用されています。それまで「しらさぎ」は683系の後期増備車だっただけに、車内設備としてはグレードダウンした感は否めません。485系置き換え時から681系が入っていれば、そうもならなかったのですが‥。


そのため青帯からオレンジを追加した塗装に変更されており、過渡期には「しらさぎ」塗装の「はくたか」を見ることが出来ました。


「しらさぎ」塗装に「サンダーバード」のロゴを貼り付けした編成もいました。現在ロゴは剥がされており、「しらさぎ」のロゴが入ることもなく残念な状態となっています。

 

2000番台のトップナンバーもこの通り。


それでは参りましょう、デッキドアです。手堅く(?)幅の狭い片開きドアとなっています。


バリアフリー対応車両のドアです。急行型車両並に幅を取っています。


ゴミ箱も備わっており、飲料系とその他で分けられています。ここだけステンレスが貼り付けられていますが、デザイン性と汚れの付着を考慮した結果なのでしょうね。


サニタリースペースです。


まずはトイレから。男女共用のもので中は洋式です。


男子小用トイレです。事情が事情なのでスペースは広くありません。


バリアフリー対応トイレです。この頃は円筒形にはなっていません。開閉はボタン式、中にはベビーベッドも備えられています。


多目的室です。普段は施錠されているため、使用の際は乗務員さんに開けてもらうこととなります。


通路に向かって設置されている全身鏡です。身だしなみのチェックも簡単に出来てしまいますが、デッキ(というか通路)でやると邪魔になりませんかねぇ?(^^;;


洗面台です。鏡に照明を仕込む手法は今でもJR西日本のお家芸です。


かつて営業していたサービスコーナーです。晩年は車販準備室として機能していましたが、車内販売も無くなってしまった今や無用の長物と化してしまっています。


携帯電話の通話スペースです。簡単なテーブルが付いているだけのもので、かつては公衆電話が設置されていました。このようなスペースを全国で見ることが出来ますね。


ようやく車内です。化粧板は大人しい色調を採用していながらも、サーモンピンクの座席が華を添えています。


そしてこちらはグレーの座席を採用した車内。こちらはえらくモノトーンで、米原から乗り入れるJR東海が好きそうな色調です。


デッキ仕切りです。仕切り扉は細長い窓が付いた自動式のものです。ドア上にはLED表示機が設置されています。この辺りは無難ですね。


天井です。関西に籍を置く会社らしく、間接照明に荷棚下の補助照明が備わります。照明は暖色系、こちらも現在に至るまでJR西日本の新型特急用車両では一貫して採用されている部分でもあります。


座席です。まずはサーモンピンクのモケットを採用した座席から参りましょうか。窓は2列に1枚、北陸本線を基準として金沢行きは偶数、大阪・米原・名古屋行きは奇数の席が柱を挟まない席となります。


付帯設備はシートバックテーブルとサイドアームテーブルとなっています。この構成は何度かのモデルチェンジを行いながらも綿々と受け継がれてきていますね。喫煙車時代の名残でしょうか、サイドアームレストの肘当て部分が灰皿があった分短くなっており、あまり使い物にならない短さであることがやや残念です。


元「はくたか」用車両では網ポケットが赤色になっています。しかし、なぜこうも露骨に大きさが違うのでしょうねぇ?(^^;;


こちらはグレー系の座席です。この時代の車両にしてはシンプルにまとまっているなぁという印象です。座り心地としては柔らかめ、しかも程よいクッション性を備えた柔らかさであり、かつて定期運用では魚津まで行っていた長距離運用でも問題なく利用できます。大阪(米原)-金沢(和倉温泉)という乗車時間では少々勿体無いような気もします。難点としては、窓枠下辺部分が車内側へ張り出しており、窓側の肘掛が思うように使えないことでしょうか。入りそうで入らない上に角が腕に当たるのはあまりポジティブな印象を受けません。


ヘッドレストカバーがピンク色の座席はレディースカーとなっています。隣に女性が来るという安心感を保証するのが狙いのようですね。


デッキ仕切り際のテーブルは固定式です。面積はあまり広くありませんね。


続いてグリーン車です。こちらはトップナンバーですね。そう言えば、「サンダーバード」系統では順次リニューアルが進んでいますが、「しらさぎ」系統は北陸新幹線の敦賀延伸時までそのまま運用されるんでしょうかね?


車内です。ブラウン系の座席が並んだ全室仕様です。JR西日本は、全室グリーン車の割合が比較的高い会社であると思います。いや、そりゃあ新車になるタイミングで半室化した列車もあれば、そもそもグリーン車自体が存在しない列車もあるわけですが・・。


デッキとの仕切りです。少し紫が入った灰色の木目調となっています。


天井です。間接照明は変わりませんが、荷棚下に補助照明はありません。その代わりに読書灯が備わり、柱の部分には飾り照明が設置されています。この辺りを見るとアッパークラスの雰囲気という気がしますね。ちなみに荷棚部分にある透明の仕切りは、「スーパー雷鳥サンダーバード」として登場した時に1両で禁煙/喫煙の両方の役割を担っていた当時の名残です。で、喫煙側の荷棚上には吸引機が設置され、禁煙側に煙が流れないようにしていた・・そうなのですが、それで確実に煙が流れてこなかったとは言い切れませんし、今そんなことをやろうとすれば確実に嫌煙家の方々からモノが飛んできます。あまりアグレッシブな事はやらかさないほうが幸せです。


座席です。まずは2人掛けから。クロ481-2000番台の面影を感じられるモケットは高級感抜群、更に赤いヘッドレストカバーがアクセントとなっています。


付帯設備は角度固定のフットレストにインアームテーブルとなっています。かつてはセンターアームレストにオーディオサービスパネルと液晶テレビが設置されていたのですが、時代の流れに沿うようにしてどちらも撤去されています。インアームテーブルは大きさはあまり大きくありません。名物駅弁が数多い北陸本線を走る車両としては少々不満ですね。ヘッドレストピローは可動式で、弾力を持った柔らかさで快適です。


こちらは1人掛けです。座り心地ですが、リクライニング角度はあまり大きくないものの横幅が広く取られているために差し引きおあいこ、クッション性も程良し。普通車でもレベルは高い位置に存在しているのですが、それに加えて高級感と更なるやすらぎの追求をしたグリーン席らしいグリーン席です。

 

さて、こちらは記念すべきJR西日本初の特急型車両第一号として登場した681系の試作車です。普通試作車は900番台を名乗ることが多いのですが、なぜかJR西日本では900番台を名乗る車両はおらず、この車両も1000番台を名乗ります。量産車との外見の違いは、乗務員室の側窓が三角形となっていること、スカートのボルト穴が目立ち厳つい雰囲気となっていることですね。3+6の9両編成で登場しましたが、付属編成は先に廃車、基本編成も量産編成のリニューアル完了と共に終焉を迎えました。こちらでは量産車との違いを少しばかりご紹介。

 

まずはドア横のゴミ入れです。ふたに穴が開けられており、小さなものをそのまま投入出来るようになっています。でも、この大きさだと紙コップすら入るかどうか微妙ではあります(^^;;

 

洗面台です。この頃は照明は鏡の中に仕込むタイプではなく横付けとされています。また目隠しのカーテンはありませんが、なるべく鏡が見えないようにボードが取り付けられています。

 

車内です。登場当初より配色は2パターン存在しています。これは現在の新型車両にまで受け継がれているJR西日本のDNAですね。とは言え、床もそうですが量産車とは異なる点が間違い探し的にちょこちょこ見受けられます。

 

デッキとの仕切りです。モケットがグレー系統の車両がこちらで、どちらかと言えば青系統の色調となっています。

 

そしてこちらが赤色系統のモケットパターンの場合。なんだかかなり生々しい色ですね(^^;;

 

で、なぜか中間の車両では仕切り扉だけが灰色となっていました。視認性等の観点から現車で色々と試験していたのかもしれません。結局量産車ではどの色系統の車両も灰色で統一され、色の違いは座席で表現することとなっています。

 

荷棚下の補助照明は量産車よりも角張った形状となっています。

 

座席です。元々はワインレッドに近いモケット色だったのですが、現在は量産車同様のモケットになっています。こちらはグレー系統のモケットです。

 

そして赤色系統のモケットです。まだ485系あたりの影を感じる丸みを持った形状で、シートバックテーブルも量産車より小さくなっています。