JR北海道キハ54形500番台 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。


国鉄が民営化直前に置き土産的な形で残していった系列がこのキハ54です。何やら、夜行急行列車にも使われたことがあるとか無いとか…


四国ではバス用部品や廃車発生品を可能な限り利用しコストを抑えていましたが、北海道にいるこの500番台は、酷寒地を走行することからほぼ完全新製で導入されています。道東や道北で見かけることが多いイメージですね。

 

こちらは快速「はなさき」運用中のカット。

 

根室行きは5時台発と前乗りしていても乗るには厳しい列車です(^^;;  まさか快速なのもそう言った理由…?

 

そしてこちらは釧網本線で1往復運転されている快速「しれとこ」。今は「しれとこ摩周号」と名前を変えていますね。キハ40については置き換えが発表されましたが、こちらは今しばらくの活躍が見込まれますね。


デッキドアです。酷寒地走行という環境面を考慮し、普通列車でもデッキが付いています。低床ホームに対応するためステップも付いています。


運転台です。地方気動車ではよく見かける半室構造になっています。根室本線や釧網本線で前に立っていると、エゾシカ横断で急ブレーキがかかりビックリしたのを覚えています。地元の人からすれば日常茶飯事なのでしょうか・・。


半室構造ではありますが、運賃箱と側壁との間にはロープが貼られており、立ち入り禁止となっています。その中にはゴミ箱が置いてあります。


車内です。最近改造が行われ、車内の雰囲気が変わっています。


デッキ仕切りです。仕切り窓もあり、閉鎖的な雰囲気はしません。


天井です。今時にしては珍しく非冷房となっており、涼は扇風機か窓を開けるかの二択となっています。夏でもさほど暑くならない北海道だから、ということでしょうか・・。


その扇風機ですが、なんと国鉄の「JNR」マークが残っています。


窓です。北海道ではおなじみの二重窓となっています。日除けは爪を引っ掛けるロールカーテンタイプです。窓側にテーブルはありませんが、窓の桟が広く取ってあり、ペットボトル程度なら置くことができます。


一部車両にはこのように縁取りがされています。でもこれをされるとペットボトルを置くのはちょっと厳しいんですよねぇ・・。

 

座席、まずはクロスシートから。元々は広島の115系 のうち2両のみが搭載している大型のボックスシートと同一のものが設置されていましたが、転換クロスシートに改座されています。

 


で、その転換クロスシートですが、この座席のお世話になった方も多いでしょう、0系新幹線普通席からの撤去品を装備しています。他に0系新幹線の転換クロスを装備する車両としては、JR九州キハ31形北近畿タンゴ鉄道KTR800形 がいますね。変わっているところといえば、センターアームレストが存在せず、背ズリも1枚ものになっていることでしょうか。足元の脚台もスルーとなっており、脚が伸ばせるようになっています。


通路側の回転テーブルも健在です。座り心地は柔らかめ、可も無く不可も無くと言ったところでしょう。


クロスシートに関してはいくつかバリエーションが存在します。この車両では、なぜだか背ズリがキハ283系やキハ183系の自由席で見かけるタンチョウ柄となっています。


その後ろの座席です。かつて存在したセンターアームレストを通していた穴が今も残っています。


続いてロングシート部分。近年、転換クロスシートを一部撤去し、ロングシートを設置した車両が増えています。


まずは元々ロングシートだった部分から。画像は初期に導入された車両で、薄めの背ズリ、程よいスプリング感の座面など、国鉄型車両のロングシートに通じるものがあります。中央の座面のみ、1人掛けのものとなっています。奥の2席は優先座席で、ラベンダー色のモケットとなっています。


そして増設部分のロングシート。クロスシート時代の仕切りは撤去していないため、ここの4席のみ区切られた妙な空間となっています(^^;;


そして後に増備された車両の8人掛けロングシート。一人ごとに分割されたバケットシートになりました。


こちらは5人掛けです。座り心地はかなり残念でして、見た目からしても硬そうな座席形状をしているなぁとは思いましたが腰掛けてみてもやっぱり硬いです。プラスチック製の座席にモケットを貼り付けてみました、と言った感じでしょうか。長距離ではまず耐えられない拷問級の座席といえるでしょう。頑張って転換クロスを陣取りましょう。


そして優先座席とセットになった5人掛けです。


そして4人掛けです。この車両もロングシートが増設されています。


根室本線の東端部分、通称花咲線で運用されているキハ54です。


車内です。何というか、中へ入るやいなや、一瞬フリーズしてしまいました。あまりのモケットの明るさに(^^;;

 

座席です。モケットが貼り換えられており、鳥類が沢山描かれたものになっています。

 


この座席、回転式テーブルは残ってはいるのですが、引き出せないようにされていました。メンテに負けたか?


ロングシートのモケットもこの通り。座り心地は相変わらず悲惨です。


優先座席はラベンダー色のままとなっています。


こちらは釧網本線で見かけた車両。座席がやたらと豪華になっています。


というわけでその座席です。キハ183系 から撤去した簡易リクライニングシート由来のものに改座されています。キハ183系時代にストッパー増設改造が行われており、「体重をかけておかないとリクライニングが戻る」と言う本来の仕様では無くなっています。ちなみに回転機構は無く、集団見合い配置で固定されています。オマケに窓割りもほぼ合っていないため、一番乗車を果たして進行方向眺望良好な座席を狙ってください。


集団見合い配置なので中央はボックスシート配置となっています。その区画には、大型のテーブルが設置されています。グループでここを陣取るのも悪くはありません。座り心地ですが、簡易リクライニングシート独特の柔らかさでして、長距離の乗車では辛いものがありそうです。とは言え、運賃のみで乗車できる普通列車のサービスアップと座席のリサイクルという観点では非常に妙案であると思います。


トイレです。デッキ側に入り口があります。中は意外にも洋式となっています。

 

さて、この車両は522号車。見た目は普通のキハ54ですが、何やらヘッドマークが付いている模様。

 

ルパン三世のロゴにモンキーパンチのマークとなっていますね。花咲線沿線が同氏の出身地だからなんだそうな。

 

ヘッドマークだけでなく、全体的にラッピングが施されています。

 

側面、花咲線の山側にはルパン三世のレギュラー陣か勢揃いしています。

 

で、一部にはサインも隠れていたり。

 

浜側にはピストル構えたルパンがドーンと。反対側は銭形ととっちゃんがまたピストルを構えています。

 

車内です。この車両外観はともかく車内についても変化が見られます。

 

座席です。クロスシートが近年北海道の特急列車や快速「エアポート」のUシートに搭載されている座席となっています。

 

リクライニング機構やシートバックテーブルは残されていますが、向きは集団見合い式で固定されています。出自は789系1000番台のトップナンバーの事故廃車による発生品と言われています。となると座席は4両分取れたと思うのですが、取り替えがなされたのはこの車両のみとなっています。

 

ボックス区画です。モケットもそのままですが、何となく特急に搭載されている車両よりくたびれて見えます。座り心地は安定した良さは変わりません。来ると当たりに思えるのはうれしいですね。ただ、ルパンラッピングだからと言って運用は花咲線固定とはなっておりません。この時も釧網本線の網走行きでしたし…。

 

そしてロングシート区画、まずは8人掛けです。こちらもモケットがクロスシートに合わせたものに貼り替えられています。

 

反対側の5人掛けは優先座席とセットになっています。ロングシートの座面を見ると、既に色褪せが始まっております。

 

広告枠はルパン一味と沿線の景色がコラボしたものが入っています。

 

そして窓には隠し絵的に車内に向けたルパンのシルエットが貼られています。優先座席のステッカーが尚更目立たなくしているんでしょうね(笑)

 

さてこちらは冬季の臨時列車、「流氷物語号」として運用される車両です。

 

全面ラッピングが施されており、流氷観光の気分を盛り上げてくれます。

 

車体にはクリオネの姿があります。

 

というわけで車内ですが、乗車時期が夏だったもので通常車両と変わらない姿となっております・・。

 

座席もそのまんまですが、「流氷物語号」の運用時はヘッドレストカバーが取り付けられます。

 

一応、座面下の壁部分には流氷をイメージしたラッピングがされていますね。

 

ロングシートはこの通り。まぁ変わりません・・。

国鉄の置き土産としてローカル線を支えるこの系列、末永く北の鉄路を走っていただきたく思います。