JR北海道キハ283系 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。


北海道の蒼い弾丸グループの一員、キハ283系です。振り子機構を搭載し札幌-釧路間の「スーパーおおぞら」として運用を開始、所要時間の大幅短縮を成し遂げた車両ですね。豪快な見た目に比例するように、走りも振動もかなり豪快なイメージでして、変速ショックがめっぽいキツいです。

 

函館駅にて281系と並びました。なお、以前は281系の中に組み込まれた283系もいたのだとか。

 

かつてはスーパー北斗として定期運用もありましたが現在は臨時「北斗」として時折入るのみとなっております。

 

ドア周りはこんな感じで、釧路湿原のタンチョウをイメージしたものなのだとか。行き先・種別表示ですが、「スーパーおおぞら」運用時には面白いギミックがあるのでそれはまた後程。

 

ドアです。プラグドアで、窓は氷片対策のためか小さめです。

 

壁には北海道の美しい風景が入れられています。長年そのままなのか、かなり色褪せていますが…。

 


ゴミ箱もしっかりスタンバイ。

一部車両に設けられている携帯電話の通話スペースです。衝立が設置されており、ちょっとした荷物を置くことも出来ます。

 


トイレです。画像は車椅子対応トイレとなっており、入り口が妻面方向を向いた珍しいものです。

その奥にある男性小用トイレ。やっぱり狭さはどうしようもないですね・・。

 


多目的室です。普段は閉鎖されています。

荷物スペースです。トマムなどのスキー場輸送にも対応すべく、スキーの固定用具も付いています。

 


最前面です。かつては貫通扉付近まで入ることができ、ダイナミックな前面展望を楽しむことが出来たのですが、先般の衝突事故以降安全保安上の理由でロープを張った上で閉鎖されています。多客時にも関わらず車両のやり繰りが付かずに増結出来なかった場合に限り開放されることもあるようです。


車内、まずは自由席から。全体的にトーンを抑えた色調でまとめられています。

 


座席です。回転リクライニングシートで、モケットは一度貼り換えられており、タンチョウをあしらったものになっています。さすがは道東方面へ向かう列車・・。しかし、肘掛に貼られた紫のモケットが座席本体のモケットに付いていけていません(^^;; 座席肩部には立ち席の方が掴まると思しき赤い出っ張りがあります。振り子車両にしてはかなり貧弱なような・・。やっぱりしっかりした持ち手が恋しいですね。

さて、JR北海道では冬季を中心に長距離の移動は特急列車が主力となり、指定席も完売することも少なくありません。そんな指定席ですが、指定席料金を「座れるだけ」ではなく、「座れる上にちょっとした付加価値を付ける」方向へと転換し、”グレードアップ指定席”として座席を改座しています。

 

デッキとの仕切りです。自由席車は水色をしていましたが、指定席車は黄色となっています。

 

バリアフリー対応車両は両開きとし、開口面積を広げています。

ドア上に設けられたLED表示機です。乗車中の列車がどの辺りを走っているかが分かる案内も表示できます。

 


天井です。照明は半間接照明を使用しています。荷棚はかつてはハットラック式だったように、二席を一くくりにして柱が入っています。

 

座席です。色調はワインレッドとして高級感を持たせています。

 


また普通車にも関わらず、可動式のヘッドレストピローまで装備しています。「普通車でもヘッドレストピロー」の思想の始祖となった記念碑的座席であり、これ以降道内のみならず、お隣のJR東日本にも広まることとなりました。


車椅子スペース直後の座席に関しては、正面を向いた際にシートバックテーブルが存在しないため、インアームテーブルを備えています。

 

テーブルはセンターアームレストに収納されているため、通路側のみならず窓側席の分も一緒になっています。そのため、この区画のみセンターアームレストは完全に仕切られた形状となっています。


車椅子スペースの1人掛けです。

全展開の図。座り心地ですが、背ズリ下部(要するにピンクの部分)が存外薄く作られているようで、腰掛けてみるとこの部分がゴチッと当たる感覚を持ちます。そこが構造的にダメな部分でして、もっとクッションを詰めてやれば、普通車としてはかなりハイレベルな座席となったのにとっても残念。ヘッドレストピローはデフォルト角度でも前のめりにならない設計は秀逸なので、「520円での着席保証」を前提としたほんのちょっぴりの付加価値、と思えばまぁこんなものですね。

 

通路側を向けて出入りさせることも出来ます。

 

デッキ仕切り際の座席には固定テーブルが備わります。


続いてグリーン車へと参りましょう。この形式名物、オープンカウンター式の車掌室です。車掌さんに用が有るけど、車掌室のドアを開けるのは少し気がひける、ならば扉を取ってしまおう!という合理的な考えの元に作られたJR北海道なりの気配りでしょうね。後継のキハ261系では、そんなもの一切無くしてフツーの車掌室になってしまいましたけどね・・。

 

なお、検札等で車掌さんが不在の場合はこのようにシャッターで閉じられます。

 

元喫煙コーナーの通話スペースです。窓を二枚仕立てとして下まで広げています。

 

さて車内です。キハ283系のグリーン車と言えば、かつてライトワークや座席の付帯設備に加えて客室アテンダントさんのきめ細やかなサービスを提供し道内のみならず全国的にもトップクラスのサービスレベルだったことで有名でした。それこそ、繁忙期は普通車よりも先にグリーン車が売り切れたり、グリーン車を増結するようなこともあったとか。現在は「スーパーおおぞら」全便にて車内販売は廃止となり、車内もいくつか変化が起きております。

 

デッキとの仕切りです。座席配置に合わせて仕切り扉が寄せられているのはいつものことです。化粧板は木目調で、カラーコードの統一が図られていますね。

 

天井です。かつては間接照明にハットラック式荷棚となっていたのですが、照明はよくある半間接式、荷棚も普通のものに交換されてしまいました。リニューアル前の照明は非常に秀逸なデザインだったのですが…。

 

窓です。一席に1枚の割り当てとなっています。日除けは横引き式、両側を閉めることで完全に閉めきることが出来ます。ただ長さがタイトなので、マジックテープで引っ付けても微妙に隙間が空くのはあまり好ましくありません。

 

座席です。リニューアル前の座席は「これでもか」と言うほど装備を詰め込んだいかにもグリーン席らしいグリーン席でしたが、その頃と比べるといささかバリューダウン感は否めません。

 

この座席、キハ261系やキハ183系ハイデッカーグリーン車にも搭載されており、在庫ロットの共通化を図りコストダウンを狙ったものと解釈しております。パーツレベルでも、他のJRで見られたギミックがチラリチラリ…。

 

ヘッドレストピロー横には読書灯が備わります。この位置、何事も無ければ問題ありませんが、乱暴な寝相だとカウンターを食らうこととなります。

 

チケットホルダーです。ここにきっぷと料金券を入れておくと車掌さんが勝手に検札してくれます。でも取り忘れには気を付けましょう。

 

シートバックテーブルはN700よろしく手前へスライド出来ます。この座席に座るのは何だかんだで3回目なのですが、ようやくご紹介出来た次第…。

 

デッキ仕切り際の座席にはスライド式のテーブルユニットが設置され、フットレストも備わります。

 

続いて1人掛けです。なお、グリーン車には全席コンセントが備わります。1人掛けには右側に設置されています。

 

なお、2+1の座席配置は中央で入れ替わっています。振り子車両故重量バランスを取りたかったと思われますが、副作用的に眺望の選択肢に自由度が生まれているのは良きことと言えるでしょう。

 

全展開の図。座り心地は全国的にグリーン車でも硬めのクッションが増えつつある中で柔らか目、最近の言葉で言うと「人をダメにする」タイプと言った感じですね。札幌から釧路まで長駆4時間、それなりに高いグリーン料金を払う価値はあると思います。

 

振り子車両お馴染みの裾絞り。やっぱり擦るとマズいですもんね。

 

で、忘れた頃のお届けですが行き先・種別表示です。ドアが閉まるとタンチョウが現れ…

 

お、

 

おー羽ばたいたっっ