JR東日本E5系 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

 

現在日本最速のタイトルホルダーである、長いノーズが特徴の東北新幹線のE5系です。線形に恵まれた奥州の地を最速320km/hで疾走します。 

 

北海道新幹線先行開業区間直通で走る列車、「はやぶさ」から区間運転の各駅停車である「なすの」まで幅広く運用されています。この系列で一番の特色はグリーン車よりも更に格上のクラスである「グランクラス」が設定されたことで、事実上等級「イ」の復活ともいえましょう。まぁ、新幹線には日本語の記号は無いんですけどね(^^;;

 

それでは参りましょう、まずは普通車のデッキドアです。側壁などが木目化粧板となっているためか、ドアや手すりなど、周りがベージュ色となっています。ちょっと軽々しいと言うか、ベージュ色でツルンとされると妙に生々しいですね。ドア上には最近の特急用車両ではよく見かけるようになった監視カメラがあります。

 


バリアフリー対応車両はドア幅が広くなっています。両側には、車椅子対応トイレと多目的室が備わります。

 

トイレです。手前側に共用、奥に男性小用が配置されています。

 

車椅子対応トイレです。円筒形のそれは見慣れたものですね。周りがベージュ色と明るい色調となっているためか、扉自体はモノトーンな色調とされています。

 

ドアを挟んだ向かいにある多目的室です。普段は施錠されていますので、ご利用の際は乗務員さんに声を掛けることとなります。

 

そして通路を挟んだ向かいはこの通り。洗面台、公衆電話、消火器、AED、ゴミ入れが備わります。

 

編成には女性専用トイレもあります。

 

洗面台です。水・泡・温風が全自動で出てきます。列車内の洗面台もここまで進化するとはすごいですね。

 


ようやく車内、まずは普通車から。電球色が非常に強く、温かみを感じる印象ですね。この辺りはビジネスカラーが強い東海道新幹線とは趣を異しているところではあります。

 

デッキとの仕切りです。仕切り扉上にはLED表示機が備わりますが、東海道新幹線系統になれていると少し狭く感じます。

 


天井です。照明はカバー付きのものですが、それ以外特に凝ったところは見当たりません。中央部が出っ張った形状になっているのが少し気になりますが、何の意匠なのでしょうか?

 

後期導入編成以降は照明カバーが廃止され、間接式のLED照明となっています。

 

座席です。特徴としては、初めて普通車にもヘッドレストピローが取り付けられた回転リクライニングシートとなったところでしょうか。 

 

窓側の席がデフォルトでセットされている状態なのですが、デフォルト、あまりにも垂直過ぎやしませんかねぇ?(^^;; 初めてこの座席に座ったとき、あまりの垂直さに前によろけたことを今でも覚えています。この座席をリクライニング無しで座ることが出来る人は多分に猫背です(笑)

 

3列席です。中央のB席が多少広めになっているのは新幹線ではもうお馴染みですね。付帯設備はシートバックテーブルと前述のヘッドレストピローで、上下することで頭の高さに合わせて調節することも出来ます。このピローを不要と考える方も一定数いるようで、そのような方はピローを最上部にまで上げてピローを避けておりました(^^;; 

 

肝心の座り心地ですが、「ピローがあってよかったな」と。座面・背ズリ共に、冗談抜きで硬いです。ここ最近東海道新幹線に乗り慣れている身からすれば本当に地獄でしかありません。背ズリが身体のカーブに沿った形とは言えず、これで新函館北斗から東京まで乗り通すのは拷問に近いものがあります。ヘッドレストピローは、その座面や背ズリの硬さを多少なりとも軽減するために無理やり付けたのではないかとも考えたくなります。ブラックジョークはよしましょうよ・・。

 

窓際の足元にはコンセントが備わっています。充電も心配なく出来るわけですが、鉄道車両の限界か、給電量はあまり多くありません。電池残量一桁で、充電しながら使用すると本体の電源が落ちます。充電中は使用しないか、気休め程度に思っておくのが幸せです。

 

後期導入編成ではコンセントが全座席分用意されています。当たるかどうかは運次第、まだまだ「A、E席以外でも安心」とはなりません。

 


車椅子対応席では、肘掛が跳ね上げ式となり、固定用のベルトが備わります。

 


デッキ仕切り際の座席はテーブルが大型化されています。JR西日本700系 7000番台 から本格導入された大型テーブル、あっという間に全国に広がっていきましたね。テーブルの下にはボトルホルダーもあります。

 

続いてグリーン車です。実質1等車から2等車に格下げとなったグリーン車、イメージ的にも孤高の贅沢な存在からやや庶民寄りにシフトしたように思います。

 

デッキドアです。バリアフリー対応車両と同じ幅とされ、化粧板を赤にして普通車との差別化を行っています。

 

ゴミ入れです。飲料系については蓋を押すことなく入れられます。隣の細長いのは雑誌系専用なんでしょうね。

 

荷物置き場です。手前側はスキーなどの長尺用、奥はスーツケースなどを入れてことを想定しているのでしょう。床面には滑り止めが貼られ、各段にはセーフティーバーが備わります。

 

トイレです。バリアフリー対応だとは思いますが、特にそのような表示はありません。

 

洗面台です。カーテンの色や化粧板の模様が普通車とは異なっています。

 

車内です。2+2配置は新幹線グリーン車の伝統的なスタイルですね。ただ、座席自体は二等車相当的に以前に登場した車両のグリーン席よりちんまりした印象です。料金は変わんないのに…。

 

仕切り扉です。ここ最近のJR東日本の新車では共通していますが仕切り扉に窓がありません。アッパークラスらしくプライバシー性の確保と、デッキ側からの無用な立ち入りを防ぐためなのでしょう。実際問題、10両編成の9号車に位置するこの車両の奥はグランクラス、通り抜けなんて滅多に発生する事はないわけで…。

 

天井です。照明が間接照明となっているのが普通車との違いでしょうか。またN700系ばりに窓上に補助照明が仕込まれています。

 

座席です。テーブルはグリーン席らしくシートバック・インアームの2枚仕立て、JR東日本の新幹線グリーン車ではお馴染みのレッグレストが備わります。またヘッドレスト横には読書灯が仕込まれています。読書灯の点灯やリクライニングなどはセンターアームレストに取り付けられたボタン類で行います。

 

新函館北斗寄りに設置された1人掛けです。車椅子対応ブロックなので普段は発券ブロックが掛けられています。座面チルト機構も最近の流行りのように搭載されています。座り心地はグリーン席らしく特に不満点は無いのですが、先述の通りサイズ感が何だかケチくさいかなぁ、と思わなくはありません。

 

いよいよグランクラスです。飛行機のファーストクラスを目指し、これまでのグリーン車よりもはるかに割高な料金設定として満を持して登場した事実上の一等車です。国会議員が持つグリーン車乗り放題の無料パスすら突っぱねるあたり、アッパークラスとしての相当な自信を感じます。

 

デッキドアです。幅が狭い以外はグリーン車のそれと変わりません。

 

車内への入り口までの間にはマガジンラックが設置されており、雑誌や時刻表が入っています。

 

ゴミ入れと、またもやマガジンラック。

 

お待ちかねの車内です。今回は各駅停車の「なすの」利用だったためアテンダントさんは乗車しておりません。W7/E7系でアテンダントサービスは体験済みですが、登場当初の評判を聞いた当時から変わらないとすれば、飛行機のサービスレベルと比べると「んー」な感じになるんでしょうね。

 

で、夜間ともなるとこんな感じ。昼間はややもすれば「薄暗い」感じですが、夜間ともなるとムーディになりますね。

 

デッキとの仕切りです。窓の無い仕切り扉とフルカラーLED表示機はグリーン車と同一ですが、広告枠がありません。まぁこの辺りがグランクラス登場後の「所詮グリーン」な所なんでしょうね。

 

天井です。鉄道車両にしてあまり例を見ない枕木方向配置の照明となっています。

 

荷棚は飛行機ばりのハットラック式です。このクラスにして大きい荷物を持ち込むのはナンセンスだということでしょうか。

 

窓です。窓周りには間接照明を仕込んでいます。

 

座席です。白い革張りの座席で、ファーストクラスを意識しただけあります。

 

バックシェル付きで、フルリクライニングをしても後ろの席に影響しないようにしています。テーブルはインアーム式とカクテルテーブルの二枚仕立てとなっています。リクライニングとレッグレストは電動式、安全面を考慮して動きが鈍重なのがキズに思いますが、そこを「鈍重」だと思うのが余裕が無い証拠ですね(苦笑)

 

リクライニング操作は手元のスイッチパネルで行います。上部分は単純なリクライニングやレッグレスト上下、下部分では座面チルトなどお好みに合わせた位置の調整をすることか出来ます。アテンダントさんの乗務する列車ではコールボタンも生きています。

 

座席背面には雑誌入れがあり、車内誌が収納されています。

 

ヘッドレストのピローはもちろん上下可動式です。読書灯も好みの位置に持ってくることが可能となっています。

 

センターアームレストにはコンセントが2口あります。

 

デッキ仕切り際の様子。座席の使い方や車内販売、アテンダントサービスのメニューなどの冊子が入れられています。右側の赤い袋にはグランクラスのロゴが入ったスリッパが入っており、記念に持ち帰ることも出来ます。

 

1人掛けです。東北新幹線ベースでは東側に位置します。

 

ただでさえロングノーズで広くない先頭車をどう活用するかを考えた末に誕生したと思われるグランクラス、さすがに新幹線の横幅にして1+2配置だと「空間ガッツリ取って作りました」感は相当なものです。

 

全展開の図。テーブル収納の関係か肘掛けの使用感が左右で異なるなが何とも…。この手の座席に座り慣れていない貧乏人の私が悪いのでしょうか、フルリクライニングすると分かるかと思いますが肘掛けが全く使えません。結果広い横幅は完全にスポイルされ、かなり狭く感じます。その手のクラスに使い慣れた人からすれば「ファーストクラスもこんなもんよ」かもしれませんが、個人的な感想としては「設計ミスった?」と思わずにはいられません。

 

コンセントはテーブル収納側の肘掛けに付いています。

 

1人掛けのマガジンラックは窓側に設置されています。

 

グランクラス、シートサービスがあったとしても、以降E5に乗るならば追加料金を払うならグリーン車かなぁ、と思ったのが感想です。普通車よりそれなりに快適な移動空間で駅弁と飲み物を広げた方が、庶民性が抜けない私の性に合っているかと(苦笑)