JR九州811系 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

 JR九州初の新造普通列車用系列である811系です。4両編成で、2本を併結した8両編成でも運転されます。

 

特徴的な前面から「水中メガネ」と呼ぶ人もいるそうな。最近のJR九州を考えると、えらくシンプルにまとまったな、という印象を受けます。近年はリニューアルされた編成も増えてきていますね。


0番台の車内です。3ドアオールクロスシートは、この時期のJR新系列の標準装備とも言えますよね。外観に引き続いて内装もこの頃は非常に大人しい印象です。

 


ドアです。化粧板は貼られておらず、この時はまだ某デザイナーが関わっていないためか、まだドアを赤く塗るという発想はなかったようです(笑) 窓の下にはJR九州でお馴染みの「床に座らないでください」のステッカーが貼られています。


車端部です。仕切り扉は窓が小さいタイプです。やはりどこか国鉄っぽさが残ってますよね。ただ、ドアレールは存在しません。


最前面です。仕切り窓は大きめで、やはり「前面展望」は当時のステータスだったのですね。


天井です。照明にはカバーが掛けられています。吊革はドア上のみ、この辺りやはり「クロスシート上は吊革を設置しない」という国鉄のポリシーを引きずっています。

 


座席です。転換クロスシートはヘッドレストが分離したタイプです。バケットタイプですが、それほど強調されてもいません。座り心地ですが、背ズリの扁平さが気になるものの、普通列車レベルに求めるものとすれば可もなく不可もなくと言ったところですね。窓側にも肘掛があるのは○。


なお、窓割りは先輩形式である415系ステンレス車から変えられていないため、中にはこんな修行席も存在します。新造車なんだから、それくらい合わせようや・・。この悪しき慣習は、残念ながら最多両数を誇る後継系列の813系にも及んでいます。


ドア間は全席転換可能となっており、ドア横には衝立が設置されています。上部はモケット張りで、握り棒も設置されています。下部は埋められており、足元を通り抜ける風をシャットアウトしている一方で、足元はちょっと狭いと思います。


優先座席です。中央のドア付近に設定されており、ヘッドレストにカバーをかけて区別しています。

 


車端部はボックスシートになっています。壁際の座席が通路幅の関係で少し狭くなっているのは、国鉄時代からの妙な伝統です。

一部ボックスシートの背面にはくずもの入れと消火器の収納スペースとなっています。くずもの入れの装備が普通列車レベルの車両にあるのはうれしいですね。この装備は後輩系列にも省略されること無く設置されています。
 


続いて100番台の車内です。吊革が座席上にも設置されるようになった等、いくつかのマイナーチェンジを行っています。

トイレを有する車端部です。この時期はバリアフリーの考え方が浸透していなかった時代で、車椅子スペースなどはありません。

 

窓です。1枚窓で、日除けは爪を引っ掛けるロールカーテンタイプです。柱にはコート掛けもあり、国鉄時代からのDNAを少しばかり感じることも出来ます。

 


座席です。0番台と比べて背ズリが若干薄くなったほか、窓側の肘掛を支える支柱が垂直方向に伸びているなどの差異が見られます。


ドア横の座席は固定式となっています。ここの区画は、ボックス配置になることを想定してかシートピッチが若干広くなっており、進行方向を向いた席ではちょっぴり広い空間を占有することができます。何となく知っている人も多いようで、始発駅発車時点で埋まっていることが多いようです。

 

なおこちらは門司港方先頭車、クモハ810形の座席です。

 

今では考えられませんが95年までは喫煙が可能であったため、灰皿が設置されていました。この通りツマミは現存していますが、開くことは出来ません。

 

固定座席窓側もこの通り。

 

・・かと思えば、ツマミが無くなった座席も。九州ってこういうパーツが異なるケースがよくあるんですよね。

 

で、参考までに禁煙車がこちらで、スッキリしていますね。

 

そして優先座席は変わらず中央のドア付近で、ヘッドレストにカバーを付けています。そのため今では分かりませんが、このヘッドレストは一般座席がパープルなのに対し、グレーになっているそうな。


さて、JRの普通列車では、国鉄時代から一貫して下り方向の先頭車にトイレを設置するという伝統と言うかセオリーが存在します。しかし、811系100番台には2両のみ、中間にもトイレを持つ車両、200番台が組み込まれています。これらの2本のみ、トイレが2箇所設置された編成となっています。かつては運賃のほかに料金が必要となる博多-熊本間の臨時急行列車「ひのくに」にも使用されていた関係で、長距離運用を想定して2箇所設置となっていたようです。この臨時急行「ひのくに」は停車駅がめっぽう少なく、かつての鹿児島本線の名門特急「有明」もビックリの俊足列車だったようです。しかし、今でこそ急行は風前の灯であり、臨時で設定される場合の多くは特急用車両を使用している現代において、かつては転換クロスシートでも料金が取れたんですね(国鉄時代全盛期はほぼ全てがボックスシートだったわけですが)。というか、「ひのくに」は811系充当前、583系改造の普通列車改造車の715系が充当され、なんとロングシート部分も指定席として販売するという、禁じ手中の禁じ手をやってのけたそうです。それはさておき、中は時代背景を反映した和式となっています。

 

さて、1500番台化が進むこの系列ですが、未更新車でもとある変化が起きています。

 

それはくずもの入れのフタが無くなり、「くずもの入れ」の表示が下に移ったこと。ゴミを投入しやすくなった一方で、臭気対策はどこへやらという面もあったり‥。この改造、JR九州の車両で全般的に広がっているんですよね。

 

そして中には消火器が消えていたり‥。これは元々かもしれませんが‥。


歴史ある門司港駅から、普通列車が発車します。