北急9000形 初期車 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。


大阪メトロ御堂筋線の江坂から千里中央までを結ぶ北大阪急行、箕面までの延伸も決定したこの路線、長らくPOLESTAR号8000形が7本という陣容で活躍してきましたが、ここに新たなPOLESTAR号が登場しました。

 

9000形で、POLESTARⅡという愛称が付けられています。

 

この系列では、2000形以来の無塗装ステンレス車体となっています。8000形がアルミ車体塗装仕上げであったことを考えると少し残念ですね。逆に8000形が意欲に溢れ過ぎていたのかもしれませんが・・。これはさすがにマズいと感じたのか、3本目からはデザインを変更して登場しています。

 

トップナンバーですね。基本的に千里中央-なかもず間の通し運用に限定して使われています。

 

車内です。外観のチープさとは裏腹に、中は手堅く木目調の化粧板にゴールデンオリーブ色のアンゴラ山羊モケット、親会社である阪急電鉄の車内に近いものになっています。

 

ドアです。親会社のように色は分けておりません。奥へ詰めて欲しいという思いがあるのか、ドア横の立ち席スペースはほぼありません。
 

ドア上にはLCD表示機が設置されています。2画面千鳥配置で、右側で運行案内、左側で広告を流しています。
 

回送時には、右側はオフ、左側に「北大阪急行」と表示されます。


そして、その向かいのドアです。

こちらは広告枠と、その下に小型のLCD表示機を設置しています。「パッとビジョン」という名称で、東武や京王、東京メトロの各リニューアル車に導入されていますね。画面が小さ過ぎるために字も詰め詰めになっています。
 


そして、持ち手はなんと木(またはそれをイメージしたものか?)を使用しています。触り心地も温もりのある木独特のものとなっています。特急型車両や観光用列車ではたまに見ることができますが、通勤電車ではなかなか見ることができません。


車端部です。最近の阪急電鉄ではメリハリをつけるために妻面を焦げ茶色のモケットとしていますが、ここでは同じ化粧板を使用しています。仕切り扉は窓が大きいもので、妻窓も設置されているため開放的になっています。

優先座席と車椅子スペースを有する車端部です。優先座席部分は3人掛けとなっています。

 

仕切り扉上には大阪メトロ(この時はまだ市営地下鉄ですね…)を含めた路線図が入っていますが、北大阪急行オリジナルデザインとなっています。
 


そして8000形に引き続き、仕切り扉は自動ドアとなっています。8000形ではドアのつまみ部分にスイッチが仕込まれていましたが、9000形では妻面にボタンを設置してあり、ここを押すと開くようになっています。慣れないと少し不便ですね・・。またここの持ち手も木で出来ています。なんともはや・・。


最前面です。乗務員室との仕切り扉は右端に寄せられており、運転台の直後に仕切り窓を設けています。

 


運転台はワンハンドルマスコンとなっています。現在、北大阪急行・大阪メトロ御堂筋線内では唯一の存在ということです。そのマスコンも、持ち手部分がブロンズ加工されています(^^;; ある意味親会社よりすごい・・。


天井です。ラインデリアは茶色に塗装されています。照明は反射式のLED灯で、光が直接照らないようにするための配慮といえますね。そしてこの照明、シーンによって寒色と暖色に色を変えられるようになっています。実際に乗車した時、乗務員さんも物珍しかったのか、たまに色を変えていました(笑)


なお、吊革は茶色となっており、荷棚の荷物受けは木目調となっています。ただでさえマホガニー調の化粧板を使っているために、木のイメージが非常に強くなっています。なお、優先座席上の吊革は、他社でよく使われている黄色ではなく、従来通りの白い輪とすることで区別しています。

窓です。地上区間も多く存在することから日除けも備わっており、フリーストップ式のロールカーテンタイプとなっています。

  


座席です。ドア間は6人掛けです。同世代車である30000系がスペースと座席幅拡大のために5人掛けとしていますが、北急では従来通りとしています。8000系に引き続き、モケットには着席区分としてグラデーションのラインが入っています。袖仕切りですが、最近では聞きなれた謳い文句、「急停車時の二次衝突を防ぐため」に大型化されています。とは言え、肩部分を縦方向に広げたのみとしており、しっかり仕切れていないですね。そのために、弧を描いたパイプを渡しているのでしょうが・・。ちなみに裏側もモケットとしています。阪急1000系の項で、「裏側にモケットの貼り付け」と言う改善点を挙げましたが、これが参考例となります。実際にこの端に腰掛けた印象としては、夏場はかなり暑苦しいかもしれません(^^;; 他社よりも毛足が長いアンゴラ山羊の毛を使用しているため、仕方ない部分はあると思います。そして、肘掛としては使用できません。最近の通勤電車に、「肘掛」というアイテムを求めることは本当に出来なくなってきました。

優先座席とセットになった6人掛けです。優先座席は先述の通り、オレンジ色になっています。北神急行7000系に近いですが、こちらの方が新しいこともあり、鮮やかな色彩となっています。

 

車端部は3人掛けです。座り心地は柔らかいです。座面がまだ経たっていないので、少し盛り上がり過ぎな感じもしますが、営業係数43.1とかつて日本一の黒字公営地下鉄路線であった御堂筋線での通し運用にしか使用されないことから、その内下がってくるでしょう。

 

そして優先座席の3人掛けです。両側に機器スペースを設けて肘周りの余裕を取っているのがマル、デッドスペースを上手く活用していると思います。この辺り、親会社も見習って欲しいものです。

 


車端部の車椅子スペースです。付帯設備は握り棒のみです。親会社と同じく、立ち席を兼ねたスペース的意味合いが強い気がします。
 
そして現在ではベビーカーマークが追加されてフリースペース化されています。機能は変わりません。


外観はともかくとして、車内はもしかすると親会社を超越したものになりつつある9000形ポールスターⅡ。箕面延伸時には更に増備されていくと思われます。これからの活躍に期待です。