JR北海道711系 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

北海道初の電車、そして日本初の量産交流近郊型電車として有名な711系です。現地や運転関係者からは「赤い電車」として親しまれてきました。

うち2本はイベントとして旧塗装に塗り替えられていました。試作車や初期車は全て廃車され、最終的に残存していたのは後期車の100番台となっています。しかし、これらも2014年度末をもって運用を終了しました。岩見沢駅で2両が保存されることが決定しましたね。

 

それでは参りましょう、まずはデッキです。酷寒地を走ることから、近郊型車両でもデッキがついています。北海道の低ホームに合わせて、ステップがついています。

トイレです。中は和式となっています。

向かいの壁には鏡が付いています。

その壁の向こうには洗面所まであります。さながら急行型電車の様です(最初期には急行運用にも入っていましたが)。

水と湯、両方が出る仕様になっています。

それでは車内へと入ってまいります。セミクロス配置であることが、なんとか近郊型電車であることを思わせる要素になっています。

 

デッキとの仕切り扉です。左側の箱が気になる今日この頃ですが、それはまた後ほど。キハ40形やキハ54形には存在した両側の仕切り窓が有りませんが、これはなぜでしょう‥。



天井です。非冷房となっていて、カバー無しの蛍光灯、ベンチレータ、扇風機、スピーカーが備わっています。涼はこの扇風機と窓からの風に頼ることになりますが、旭川や岩見沢での長時間停車時は北海道でありながら車内の温度計が30度を越すこともありました(^^;; 吊革はロングシート付近にのみ設置されています。優先座席直上の吊革は首都圏よろしくオレンジに三角の吊り手となっています。

窓です。1段上昇窓となっています。故に窓を開けるのには相当な力を要します。女性や子どもには厳しいものがあります。またこのときは夏だったため上に固定されていますが、2重窓となっています。冬の酷寒地走行に対応するためのもので、隙間風を極力抑えようとした努力の跡が伺えます。

そして柱にある扇風機スイッチ。両側には帽子掛けも備わります。

場所によってはこのように補修されたところも・・。満身創痍での走行であることをひしひしと感じさせられます・・。

座席です。まずはクロスシートから。国鉄型車両ではベストセラーとなっているお馴染みのボックスシートです。ただ、製造当初から急行運用を想定していたため、背ズリの腰部分は113系などと比べて厚めに作られ、ピッチも広げられるなど、165系や455系に近いものとなっています。但し、通路幅を確保するため窓側の肘掛が省略されるなど、しっかり(といって良いのか)近郊型としての側面も見受けられます。

車端部付近のロングシートです。8人掛けとなっています。背ズリが3分割ながら、座面が4分割であるのがなんとも(笑) 右から2つ目は、201系などで見られた1人分のものです。座面の幅が分れば、座ったときの人の幅がバレてしまうという恐ろしい席でもあります(^^;;

優先座席を有する8人掛けです。優先座席はラベンダー色となっています。

5人掛けのロングシートです。座り心地ですが、座面はほどほどながら、背ズリは板の如し底付き感です。

そして、先ほど出てきた巨大なボックスを抱くロングシートです。このボックスには緊急梯子が入っています。石勝線の火災事故の影響を受け設置されたもので、座席1人分を潰して設置されました。もっと他に置くところはなかったのかと・・。

優先座席を有する5人掛けです。こちらは優先座席は2人分となっています。

さて、2ドア車として設計された711系、増え続ける札幌近郊の乗客を捌ききることができなくなったため、3ドアに改造された車両が存在します。その様子がこちら。新たに増設したドアにもデッキがつけられたため、客室が非常にこじんまりしたものになりました。この構成は、721系の途中まで受け継がれることになります。同時にロングシート比率も増やされたため、クロスシートが16名分に減少しています。

こちらが反対側の区画。窓配置の関係か、更に狭くなりクロスシートはなんと8名分のみです。

中央の増設されたドアです。両側に手すりが回されています。

 

 

このようにゴミ箱も完備されています。関西ではこのような設備はあまり見られません。所構わずゴミを捨てられるよりも、このようにゴミ箱を設置したほうが車内美化につながりますよね。

デッキとの仕切りです。両開きとなっています。また戸袋窓もあり、なるべく閉鎖的に見えないような工夫もされています。

ここにのみ存在する3人掛けロングシートです。

北海道初の電車として長らく活躍した711系、長期間の活躍、お疲れ様でした。

 
 
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