JR西日本新快速の系譜 117系~国鉄が見せた意地の電車~ | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。


1980年登場の3代目新快速用車両117系です。運賃値上げや平行私鉄よりも車内設備が劣る国鉄が乗客を取り戻すために開発した車両です。2ドア転換クロスシートの車内は当時では破格のサービスであり、同時期に首都圏で登場した185系が同じような車内で特急料金を取っていたことから、何かと比較されていたようです。当時の人間ではないので知りませんが(^^;; その後は本線の新快速運用からは撤退し、現在JR西日本では115系に組み込まれたものと、草津線、湖西線、和歌山線、きのくに線、山陽本線岡山~下関のどこか(^^;; で使用されており、草津線湖西線では京都駅までの直通で琵琶湖線に乗り入れるものもあります。そのほか行楽期の臨時で京都~永原間の新快速として運用されたこともあります。


こちら山陽本線は岡山地区で活躍する編成です。


岡山地区の快速列車、「サンライナー」に充当されるために専用塗装になった車両です。ロゴも入れられ、当時の岡山支社の意気込みが感じられたものですが、この塗装も消滅して全て後述の末期色化されてしまいました。


ちなみに、サンライナーは都市型ワンマン運転を実施しているため、ワンマン運転用の改造も行われています。現在もサンライナーで運用されていますが、上画像のように普通列車の運用にも入るときがあります。というか、最近はサンライナーの運転自体が縮小傾向にありますね・・。


こちら、遠く下関で活躍していた117系です。ATSの関係でアーバンネットワークから「貸し出され」ていたのですが、何とそのまま転属してしまったという車両です。「左遷」という言葉しか浮かばないですね・・(苦笑) 自慢の大きな種別幕も白幕のまま使用されていたのが残念です。何かキャッチフレーズでも入れればいいのにと思う今日この頃ですが、現在では運用が終了しています。


そしてこちらは和歌山で活躍する、通称「オーシャン塗装」と呼ばれるものです。濃い目の色使いなため、かなり派手に見えますね。


こちらは、コストダウンを目的とした単色化塗装を施された(いわゆる末期色)ものです。こちらは下関地区で実施された編成で、せっかくの117系が不憫に見えて仕方が無い… 

 

こちらは岡山地区で末期色化された車両です。岡山所属車両との違いは、前面窓周りが黒色で塗装されていることですね。下関地区の方が幾分引き締まって見えます。


こちらは期間限定で実施のファジアーノ岡山ラッピングトレインです。地元サッカーチームの応援列車ですね。ライト周りの赤に、何となく登場当初の面影を感じてしまいます。そういえば、サンライナー塗装消滅後、「サンライナー」運用時の種別幕表示がアーバンネットワークで見られたかっこいい字体の「快速」になりましたね。もはや「サンライナー」は名称だけのものに・・。


末期色の利点はラッピングや広告の貼り付けをしても目立たないこと。数少ない長所ですね。


中にはこんな大胆にやらかしている箇所も・・。


そして、こちらがアーバンネットワークで走る車両に施された地域単色、通称「抹茶色」です。こちらの方がより一層残念ですね・・。


かつてJR東海にも117系が存在しました。西日本の編成についても、WEST EXPRESS 銀河化された7000番台を除いて全車が引退、クハ117のトップナンバーと30号車が、博物館で保存されています。


車内の様子です。こちらは0番台、山陽本線サンライナー運用に就く117系の車内です。


こちらは100番台の車内です。後期に登場したこともあり仕様がちょくちょく変わっています。


ドアです。化粧板が貼られたもので、当時の国鉄近郊型電車ではやはり珍しい存在だったと思います。


車端部です。3列の座席が設置されています。そして特徴は木目調の化粧板ですね。ほんとによく国鉄がこんな電車作りましたね、と言いたい程に高級感を漂わせています。(阪急は別として)一般の近郊型電車や通勤電車に木目調の化粧板を用いた車両、かなり少数ですよね。


そして優先座席の区画です。


最前面です。やはりここは国鉄チック、窓が小さいです。直後の座席はボックス配置になっています。


天井です。ドア付近にのみつり革が設置されていて、ラインデリアなどもないつるっとした天井となっています。吊革と吊り広告が無ければどこぞの特急電車に匹敵するほどの出来です。


窓です。こちらは100番台。一段下降窓です。カーテンは爪を引っ掛けるロールカーテンタイプのものです。窓の桟が多少広げられており、ペットボトル程度のものなら置くことが出来ます。113系や115系が小型のテーブルで対応していたことを考えると大きな進歩ですよね。


座席です。まず転換クロスシートから。ほぼ原型のままと思われます。肘掛が窓側にも設置されていて、 ヘッドレストカバーがより広くカバーできるものであり、やはり国鉄の力の入れようが伺えます。座り心地は比較的柔らかめです。


最後に固定クロスシートです。こちらは転換させる必要がないので自然な角度で作られています。ですが113系などのようにスカスカな作りになっていないのがさすがです。


こちらは100番台の座席です。


バケットシートになり着席区分が明確になっています。背ズリに関しても、何となくシャープになった気がしますね。


固定クロスシートです。0番台では窓側の肘掛は壁に張り付く形になっていたのですが、100番台では座席からのびる形になっています。


こんなところに国鉄時代の名残が。灰皿跡です。かつては普通列車の車内でも喫煙が認められていた今では考えられないような時代だったんですねぇ。


下関地区に転属した車両は、ヘッドレストカバーが取り外されていました。なぜわざわざグレードダウンさせたのでしょうか・・。


また、晩年ではモケットが変更された車両も存在していました。

 

こちらは固定クロスシートです。


各方面で活躍が続く117系、JR西日本では225系導入と221系転属、JR東海では313系増備で活躍の場の移動や撤退がありますが、JR西日本では他に置き換える対象がまだ存在しているのでしばらくは元気に走ってくれるでしょう。

 

 

 

 

 

 

 
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