市長との年に1度の懇談会に18人の市民しか来ないのはなぜか | 小学校時代に学級委員に7回立候補して7回落選した僕が勝てるはずのない市長選に挑戦することになりました

小学校時代に学級委員に7回立候補して7回落選した僕が勝てるはずのない市長選に挑戦することになりました

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 6月20日午後7時半、林茂男・南魚沼市長が毎年、市内各地を回って市民と意見を交わす「市長と市民の車座会議 ざっくばらん」が私の地元・浦佐地区の雪国おくにじまん会館で開かれた。

 

 会場には椅子が30台ほど円形に置かれ、石田正利・市民生活部長が司会になり、会が始まった。参加した市民の数はたったの18人。浦佐地区の人口は4600人。しかも、見渡す限り、20代はゼロ、30代は私を含め4人。50代、60代以上が大半を占めた。私は市長の隣に座った。

 

 市長から簡単な市政報告があり、新ごみ処理施設建設計画についても説明があった。

 

 建設候補地の選定について、「(2市1町の)どこから見ても数十年にわたって不利益が生じない場所を選ばなければなりません。どうしても南魚沼市のどこかになります。距離的にみたら。そういうことを考えていかなければなりませんので大変な問題です」と言った。

 

 その後も、観光や医療などについて約25分間の説明があり、石田部長が「それではこれから皆さまとの意見交換の時間にしたいと思います。ではどうぞ、ご発言のある方、手を挙げてください」。

 

 私は真っ先に右腕を高々と上げ、「はい!」と声を出した。「ありがとうございます。天王町の黒岩揺光と申します」と笑顔で言うと、市長は「はい。どうぞ」と促した。

 

 「いつも市長と石田部長にはお世話になっています」と深々と頭を下げた後、「ゴミ処理場の件でお尋ねします」と言った。まず、参加されている市民の方たちのために、2018年2月に市長が国際大の敷地を建設候補地と発表してからの経緯を簡単に説明した。説明会が2巡開催され、計40回にわたり、市長自らが周辺の住民に説明したこと。昨年6月に周辺住民から反対署名が出たこと。集落によっては住民の7-8割以上が署名をしたこと。市長は説明会で「1集落でも反対なら計画は進めない」と公言し、来年3月までに候補地に建設するかどうかの最終判断を下す予定ということ。

 

「こうして、市長が何度も説明会に出向いて説明責任を果たそうとしていることには深く感謝をしている」と述べた後、本題に入った。「市長は『2市1町のどの地域から見ても中心地である場所に作らなければならないため、南魚沼市のどこかに作らなければならない』と言いました。細かいと思われるかもしれませんが、これまでの経緯を知らない人たちは市長が言うことを信じてしまうかもしれませんので、候補地になっている国際大の敷地は魚沼市と南魚沼市の境界線から約2キロなんです。住民説明会では『(2市1町の)中心地はもっと六日町よりなのではないか?』という質問がありましたが、市長は『ここは完全な中心地ということではなく数キロの誤差はある』と答えています。それが正しいなら、国際大の敷地から数キロ離れた魚沼市だって中心地として成立するのではないですか?つまり、南魚沼市寄りの魚沼市でも大丈夫なのではないか。そうすると、今、『南魚沼市のどこかに作らなければいけない』と言う市長の言葉と矛盾してしまうんですよ」

 

市長は「そっけか」(魚沼弁で、「それほどか」の意)と言った。

 

揚げ足取りに聞こえるかもしれないが、これはとても重要なことだ。万が一、魚沼市内のどこかが候補地になることになれば、林市長ではなく、魚沼市の市長が計画の推進を担うことになるためだ。

 

私:「そうですよ。住民説明会で住民たちが市長の前で反対の声を上げるって、大変なことですよ。『丁寧な説明を尽くす』って市長は言って、国際大から数キロ離れた場所でも中心地として成立するって言っているので、だったら、南魚沼市よりの魚沼市でも大丈夫のはずですよね。市長はこれまで40回も説明会をして、こうやってざっくばらんでも皆さんの質問にもオープンに答えようとしていらっしゃるし、とても話しやすい性格なので、もったいないなと思っていて、もう少し言葉に重みをもってほしいというか。すいません。揚げ足取りみたいに聞こえて申し訳ない。150億円の大きな公共事業ですよ。反対している住民だって、必死でやっていて、市長は『丁寧な説明を尽くす』ってずっと言っているのですから、正確な情報を伝えることが大事だと思います。国際大の敷地が魚沼市からすぐそこで、数キロの範囲であれば中心地として成立するなら、南魚沼市寄りの魚沼市でも可能っていうことではないのですか?」

 

市長:「可能か可能じゃねえかって言われれば、可能じゃなくはないと思う。湯沢の人たちは、色々な方々が、すでに国際大の周辺は遠くなりすぎて困ったという人がたくさんいます。中心の円を描いて、ここだから、という話は最初からしてないですよ。でも、大体そういうところに作らなければならないという話をしています。そこに矛盾もだまかしも何もねえわけだから、そこにあんまり固執してしゃべっていても、私の心には入ってこないな」

 

私:「それはいいのですけど、、、」

 

市長:「あとは自分の立場をはっきり言わないと、みんなわからないと思うんだよな。『私は反対している』とかさ」

 

私:「私、反対しました?反対署名してませんよ」

 

市長:「いや、そんなこと聞いているのではなくてさ。それ言わないと、皆さんわからないじゃない」

 

私:「反対していません」

 

市長:「そんなこと聞いてんじゃないよ」

 

私:「じゃあ、何聞いているのですか?」

 

市長;「あなたはどういう立場で、今、反対の人たちが一所懸命反対しているとか言っているのを言わないと、わからないじゃない」

 

私:「私の立場は、行政と住民が少しでもわかりやすいコミュニケーション方法を模索するためにはどうすればいいか。行政はどういう情報伝達方法をすれば、住民はより理解できるのかを考えているだけです。住民説明会の時の説明と、今の説明がちょっと食い違うので、今日ここに来ている皆さんに申し訳ないと思い、発言しただけです。ざっくばらんなんで、何言ってもいいと思ったので、もし市長の気分を害したのでしたら申し訳ないのですが」

 

市長:「気分なんか害さんですよ。何回も話聞いているからいいのだけど。あの、、。そういうことじゃなくて、まあ冷静にさ」

 

私:「冷静。笑顔です」(にやりと笑う)

 

市長:「みなさんを違うことで動揺させようなんて思ってないて。どこかに作らなければならないでしょ」

 

私:「どこかに作らなければならないというのなら南魚沼市でなくてもいいのですよね?」

 

市長:「あなたの話はわかった。色々なことを考えて、真ん中が適地じゃないかって話をしている」

 

私:「私もそれは同意してますよ」

 

市長:「南魚沼市のどこかに作らなければいけないだろうと我々が考えている。中心地と位置付けられているのですよ。距離もそう。人口も多い。ごみを一番出すのは私たち。その中で私たちが果たす役割は大きいだろうと思っていく中で、やはり中心地に作るべきだろうと思っている」

 

私:「中心地に作ることに関して反対はしていないので、、」

 

市長:「何も矛盾してねえですよ」

 

私:「ただ、『南魚沼市のどこかに作らなければいけない』と言ったのはちょっと違うのではないかと思っただけです」

 

市長「いや。だから、、。俺がちょっと理解できねえな」

 

私:「国際大から魚沼市まで車で何分くらいかかりますか?」

 

市長:「そんなこと言う必要ねえろ。もうちょっとさ。もうちょっと、あなたには期待しているんだけどな」

 

私:「私も市長には期待しているんです。頑張りましょう。市長」

 

市長:「ほら。他の人たちは他のことを話したいかもしれない(他の参加者を見ながら)。もしも、ゴミ処理場について言いたいことが一杯あるなら、自分で言わなきゃだめだて。いつも俺らが開く場所に来てさ、言いたいことがあるなら、呼んでさ、今日違う話を聞きに来た人も一杯いるわけだからさ。その辺の空気をみながらやってほしいな。いや、皆さんがごみの話を聞きたいのでしたら、どんどんやってください。昨日、柳古新田でも最後は似た感じになりました。(前日に同じ懇談会が候補地近くの集落でも開かれていた)最後残っている人で残念だっていう人も一杯いた。これだけが市の課題じゃねえわけだからさ」 

 

(市長は「いつも」私がこういう会に来ると言うが、ざっくばらんの会はこれが今年10回目の開催で、私の参加は初めてだ)

 

私:「でも、ざっくばらんですから、何言ってもいいんですよね?行政がこれを聞いてはいけないということはないわけですよね?」

 

市長:「当然。私にはいつ何聞いてもらってもいいです。これに限らずね」

 

石田部長:「他の方に譲ってもよろしいですか?」

 

私:「じゃあ、もう一つだけ。『一つの集落でも反対したら(計画を)進めない』っていうのは変わりないってことでいいですよね?」

 

市長:「それは。何度も言っているのだけど。まずは地権者。我々がお願いしている地権者は1人なんですよ。国際大学さん。大学が作られる時に、周辺集落の人たちに土地を出してもらったわけだよね。その歴史があるので、周囲の皆さんの概ねの同意を取ってくれということだった。それは最初から言われている。概ねの同意というのを我々がもっと解釈をして周辺から反対がない状態が一番いいって言っていることですよ。そうすると反対の皆さんは『一つの集落でも反対なら絶対にしねがーか?』(魚沼弁で『しないのか?』の意)、って我々に迫るわけ。はっきり言って。これがずっとこの経緯です。最初から言っているんですよ。概ねの同意を得てほしい、というのは地権者の意向。国際大の意向なんですよ」

 

私:「じゃあ、それは、行政の意向じゃないってことですね?」

 

市長:「は?」

 

私:「はって?」

 

市長:「行政?」

 

私:「あの、行政、、『市役所』の意向ではないってことですね?」

 

市長:「うん、だから国際大の意向だって。地権者だもん。俺らがお願いしている」

 

私:「地権者の意向であって、行政の意向ではないってことですね?」

 

市長:「最初はね」

 

私:「今は?」

 

市長:「いや、今は。まずそこの方々からそう言われているわけだから、それに基づいて、我々動いているに決まっている」

 

私:「事業主体は行政ですよね?」

 

市長:「行政だこてね」(魚沼弁で、『行政です』の意)

 

私:「行政は、一つの集落が反対なら、計画は進めないのですか?」

 

市長:「あんまり、みんなおもしい顔しねえぞ。やっぱりさ」(周りの参加者を見ながら)

 

私:「『はい』か『いいえ』なのですけど」

 

市長:「水掛け論だもん。だって。全然。やっぱり。俺は順番だって言っているだけ。行政としては、地権者の意向ってのがあるでしょ。俺たちは作りてえんだもん。誰がやったってそうだっぺ。けんこと(魚沼弁で『そんなこと』の意)」

 

私:「住民説明会では、一つの集落でも反対なら計画は進めないと言いましたよね」

 

市長:「我々はそういうこと言っているよ」

 

私:「それは今でも同じ思いですか?」

 

市長:「そういう努力をしているってことですよ」

 

石田部長:「よろしいでしょうか?」

 

私:「はい」

 

60代くらいの男性参加者が「ゴミ処理場については作ること自体は、必要なものだから賛成だけど、住民の反対を押し切ってやったらだめだ。もうそういう時代じゃない」と言い、市長は「強引に推し進めたりはしません」と伝えた。

 

その後は、防災や医療についていくつか質問が出て、午後9時15分ごろ、会は終了した。

 

周辺集落の人たちは、これまで数々の行政の手法に疑問を抱いてきたが「一つの集落でも反対なら計画は進めない」という市長の言葉だけを信じてやってきた。

 

しかし、このタイミングで、「努力する」とだけ言い、市長はこの公約を撤回したとも受け取られかねない発言を連発した。

 

果たして、この市長発言を住民たちはどう受け止めるのだろうか。市長が最終決断を下す期限まで残り9か月。一体、どういう結末を迎えるのだろうか。

 

市長のコロコロ変わる発言を聞いて、4000人も住民がいるのに、市長に直接意見が言える年に一度の会合に18人しか来ない理由が分かった気がした。住民と行政の間の信頼感なんて、初めからなかったのかもしれない。

 

 

参考資料

 

2019年5月作成の資料。

 

 

2018年10月作成の資料。