動詞の相の話へ戻ります
動詞の時制に関して、過去と現在に対してそれぞれ
単純相と進行相がある、ということをお話しました。
今日は3つ目の『完了相』です。
形は『have(had)+過去分詞』で表します
単純相が、現在および過去の「断片的な一時点」を表すのに対し、
完了相は、現在および過去よりも前の時点から現在または過去まで
繋がっている、時間軸上の点と点を結んだ線のような「幅のある時間」を
表現する、と解釈してください。
例えば
He has lived in New York for ten years.
(彼は10年間、ニューヨークに住んでいる。)
これは、現在完了形の継続用法として学校で習っています。
彼がニューヨークへ住み始めたのは10年前で、今現在もそこに住んでいる、
つまり過去から始まった行為が今現在にまで繋がっている、というわけです。
She had been sick in bed until her husband came home.
(彼女は、夫が帰宅するまでずっと、具合が悪くて寝ていた。)
彼女が具合が悪くなったのは、夫が帰って来た時よりもさらに前で、それが
夫の帰宅まで続いた、つまり過去より前に起こったことが過去の一時点まで
継続していたことを表します。過去完了形の継続用法です。
このように完了相は時点と時点を結ぶ、時間的に幅のある表現をするときに
使われます。
他の用法についても、順にみていきましょう