わたしが、1番すきなドラマを紹介。




【NHKドラマ】

昨夜のカレー、明日のパン。






主人公のテツコは、


8年前に夫を亡くし、

それ以来、義父と2人暮らし。




世間からみると、

夫が亡くなったのに一緒に住むのは、

ちょっと変だと、奇妙にうつる。




同じ痛みを背負ったもの同士にしか分からない、独特の空気感。




むかし、死期が近い夫の病院からの帰り道。


不安な気持ちを抱え、

クタクタになった2人が、


フラッと立ち寄った深夜のパン屋さんで、

焼きたての食パンを買った。



その焼き立てのパンの香り。温かさ。


悲しみの中でも、

人は束の間、しあわせな気持ちになれる。


そんなことを知った夜だった。





2人の朝の恒例行事は、


仏壇に供えた昨日のごはんを、

どっちかが食べること。



テツコさんのモノローグが沁みる。


「思い出した。なんで私たちが、(前日のお供え物の)固いご飯を食べるのか。どんなに悲しい時も何かを食べなきゃ生きてゆけないってことを、思い出すためだ」





お隣の小田さんの娘さん・宝(たから)は、

バリバリのCAだった。




けれど、笑えなくなったことでCAを辞めて、

ひきこもりになった。




【宝】

「私、人に会いたくなくて、もっと暗い場所に居たいって思って、夜になったら外に出るの。なのに、気がついたら明るい所にいるの。人の声が聞こえる所を探しているの。何だろうね、これ」

【テツコ】
「人に会いたいってことじゃないですか?」


「みんな、前へ進めって言うけど、とどまるのって、そんなに悪いことかな?」





義父もテツコも宝も、


周囲のみんなも、


大小さまざまな苦しみを抱えて、生きている。



みんな、それぞれに、いろいろある。

毎日、一生懸命、生きている。



前を向くのに、時間がかかってもいい。



留まることに、

そんな温かい【許し】を与えてくれるような、


ゆるやかで、たおやかで、優しいドラマだった。




登場人物は、


笑いあり、涙ありの毎日を過ごしながら、


少しずつ傷を浄化していく。





再生のものがたり。





心にじんわり沁みる、名言ばかりだ。




【ギフ】

呪文にかかったのかな。いや、バカにしちゃいけませんよ。人はね 結構言葉にやられるんだから。例えば お化け屋敷で足がすくんで歩けなくなるような事あるでしょう。そういう事よ。


【テツコ】

それで どうやったらまた歩き出せるの?



【ギフ】

呪文には呪文かな。逃げらんない呪文があるんなら、それを解き放つ呪文もこの世には同じ数だけあると思うんだけどな。







【宝】

笑えない。私もう、皆の足ひっぱるの嫌なんだ。とことんダメな人間になっちゃった。



【サカイ】

そうか、やっぱり前の仕事、手放せないのか。


CAでバリバリやってた自分が忘れられないんだろ?


いや、だから、次再起する時は、それ以上にならなきゃダメだって思ってるんだろ?


いやあの、、、俺もそうだったから。


だけどさ、誰も見てないんじゃないかな、俺たちのことなんか。


いや、みんな忙しくって、人のことなんか気にしてないって。


好かれようとか、うまくやろうとか、いいんだよ。


そういうの、、、うん。


そういうのもう、いいんだよ。


俺はもういい。自分が出来ることだけを精いっぱい毎日やっていく。


そうやって生きていく。


そういうの、、、情けないか?






【ギフ】

まずは背負ってみる。駄目だったら もうすぐ下しちゃう。俺はそうやって生きてきた。


【宝】

下ろしていいんだ。


【ギフ】

だって自分の荷物でしょ。下ろしていいの。






【サカイ】

後ろみてみろー!おまえが走らなきゃ道はできないんだぞー!

道はおまえが線を引くのを待ってるんだぞー!


【テツコの語り】

このときムムムは、だれかに思いっきり迷惑かけて生きてみようと思ったそうだ。




 


【宝】

フォローするばかりが その人のためになると思ったら大間違い。最後まで 一人でやらせなさい。それを遠くから 辛抱強く見守るのが あなたの仕事です。








毎回、エンディングで流れる、

プリンセスプリンセスのM。




その曲に合わせて流れる、

登場人物の本編で描かれない過去の映像が、

もう泣ける、泣ける。。




がんばりすぎて、すこし疲れたあなたに。


こころ温まる、優しいドラマだよ。