アトリビュートの勉強:その14・マタイ | スーラ・ウタガワの「画家ごっこ雑記帳」

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画家ゴッホではありません、画家ごっこです。

浮世絵名所の再発見をコンセプトに自分の気に入った名所を探して油絵を描いています。

そんなリタイア後の画家ごっこライフや、美術についての受け売り雑話をアップしているブログです。

 

17世紀初頭 に暴行・脅迫・武器不法所持・器物破損

 

・常習賭博そして最後には殺人まで犯して逃亡生活をしたあげく、

 

野たれ死にしたカラヴァッジョという無頼の天才画家がいます。

 

 

今回の使徒様はこの天才がバロック絵画を誕生させたという

 

「光」を描いた作品にそのお姿が残っています ダウン

 

 

 

「聖マタイの召命」 カラヴァッジョ

1600年・油彩・サン・ルイジ・デイ・フランチェージ聖堂(ローマ)

 

右端のキリストが「私についてきなさい」と呼び出しをかけたシーン

を描いた作品です。

 

(陰の声:大勢いるけど誰がマタイなの?ヽ(゚◇゚ )?

 

 

 

聖マタイ

<マテオ(伊)マテュー(仏)マシュー(英)マテウス(独)マトフェイ(露)>

 

 

もともと 彼はローマ帝国の嫌われ者の徴税人でしたが

 

税金取り立て中の忙しい時に、イエスに直接リクルートされて

 

使徒の仲間にはいりました。

 

イエスの昇天後はマタイによる福音書を書いたりしましたが

 

ペルシャやエチオピアに布教し、その地で殉教したそうです。

 

 

そんなわけでこの人の主なアトリビュートは

 

徴税人を表す「財布、コイン」と福音書記者の「書物、ペン、インク」です。

 

 

 

 

さて、最初の絵画「聖マタイの召命」に戻り、

 

画中で誰がマタイか?・・・ですが

 

一番有力な説は、窓からの光が当たっている、このヒゲのおっさんです ダウン

 

 

 

「聖マタイの召命」・部分-1

 

「え!私をお呼びですか?」と自分を指をさしていると言われています。

 

 

(陰の声:この方のアトリビュートはどこにあるんだ?\(*`∧´)/)

 

 

ご安心ください(^◇^)ここですよ ダウン

 

 

「聖マタイの召命」・部分-2

 

このヒゲのおっさんのかぶっている帽子に金貨(上部左)が

差し込んであるのがおわかりでしょうか?

(陰の声:ちょっと苦しいけどね(^~^)

 

 

 

しか〜し、最近、特にドイツ方面では意義もでており

 

そこではマタイ君はこの男だと主張されております ダウン

 

 

「聖マタイの召命」・部分-3

 

画面左端で俯く若者、この男は左手で財布を握りしめ、

ヒゲのおっさんの払う金を数えているので超税吏だという

わけです。(右側の手はおっさんの手だよ)

 

それに、ひげのおっさんは自分を指差しているのではなく、

「この男がマタイですよ」と彼を指し示しているとのことです。

 

このときマタイ君ははまだ金勘定に夢中ででイエスに気が

ついていない状態だそうです。

 

(陰の声:まあ、異教徒としてはどっちでもいいねんけど(^∇^)

 

 

 

 

「聖マタイと天使」 カラヴァッジョ

1602年・油彩・サン・ルイジ・デイ・フランチェージ聖堂(ローマ)

 

 

こちらは わかりやすいでしょ、福音書を執筆中の老マタイ君の

 

ところに天使が検閲(?)に来ているところですね。

 

この場合は「書物」「ペン」がアトリビュートですね。

 

 

 

 

「聖マタイ」マーシャル諸島の切手

 

 

さらに わかりやすい切手の図柄をご覧ください。

 

「うん、良く出来た!」と自作の書物(福音書)を”自書自賛”中の

 

マタイ君です。

 

 

 

足下に踏みつけているのは金貨入りの財布でしょうか?

 

「汚らわしい金なんかいらん」というシーンですね。

 

 

(大阪人の陰の声:いらなければ、わたくしが・・・(^~^)

 

 

 

 

<アトリビュートの勉強:その14・マタイ・了>

 

 

 

 

 

 

スーラ・ウタガワの
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