大阪を描こう展入賞作品:不思議な工場 | スーラ・ウタガワの「画家ごっこ雑記帳」

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画家ゴッホではありません、画家ごっこです。

浮世絵名所の再発見をコンセプトに自分の気に入った名所を探して油絵を描いています。

そんなリタイア後の画家ごっこライフや、美術についての受け売り雑話をアップしているブログです。


第19回大阪を描こう展・大阪府知事賞受賞作品を

ご紹介させていただきます。


「なんだ?このへんてこな絵は・・・」な~んて

言わないでくださいね。

変なのはこんな工場を建てた大阪市なんですから、


では、私のまぐれ受賞作品”不思議な工場”をご覧ください。



不思議な工場・作品
私撰:関西名所図絵之内「不思議な工場」 油彩・F10号
(大阪市舞洲工場および大阪市舞洲スラッジセンター)
第19回大阪を描こう展:大阪府知事賞・受賞作品


有名なアミューズメントパークUSJのすぐ近く、

大阪湾に突き出た埋め立て地、2008年誘致に破れたオリンピック


スタジアム予定地だった”舞洲(まいしま)”に
この奇妙な建物はある。


それは、遊園地でも商業施設でも、ましてやラブホテルでもない、

レッキとした大阪市の最新鋭ゴミ処理工場群なのだ。

その証拠に、周りをパッカー車(ゴミ収集車)が走り回っているよ。


大赤字の市財政にもかかわらず、外国の有名建築家に依頼して

大金をかけて、こんな施設を作り上げるとは、さすが大阪人 
\(゜□゜)/

誠に大阪の新名所にふさわしい建物だ。

空も妖しく輝き祝福して(あきれて)いる・・・ような気がします。



この工場群を見たとき、ごっこスーラはこれは描かねばならない、

大阪人以外に誰がこんなアホな外観の施設を作れるであろうか・・・

“美しい”(?)と、絵画の神様が降臨したので、

大阪人として埃、いや”誇り”を持って絵筆をとりチャッチャッと描きました。


(陰の声:ごっこスーラも大阪在住ウン十年、とうとう大阪人に

 なっちゃったね (;^_^A )



では、わたくしの作品よりこの工場のことが気になる方も多いと

思いますので、ご案内しましょう。


設計コンセプトは
「自然に帰る・環境共生工場」だそうです。


舞洲ゴミ工場A
舞洲工場(まいしまこうじょう)大阪市環境局ゴミ処理場

フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー(オーストリア)設計
1日に900トンのゴミ処理ができ、ダイオキシン対策や屋上に降る
雨水をを集めて排水処理水の再利用もバッチリの最新ゴミ処理工場。
工場周辺には木々が森みたいに植えられている。


舞洲工場部分1
工場正面

車と大きさを対比してください、その巨大さとへんてこな
デザインに言葉を失いますね。いや~どう描けば良いか迷って、
何回も工場の周りを回りましたよ。疲れた~。


舞洲工場部分3
タワーの下部

120メートルもあるタワー(機能は単なる煙突らしい)の根元。
モザイクにガウディ(スペイン)が少し入っている感じだね。


舞洲工場部分2
タワーの中央部

工場周辺だけでなく、窓からも植物が出ているよ、内部はどう
なっているのかな?
(申請すれば見学できます。海外からの見学者も多く、年間1万
数千人以上のこと。)



舞洲ゴミタワー
タワーの上部

まるで、アラビアンナイトのネギ坊主タワーだね。
赤いラインが血管みたいに感じます。


舞洲工場回廊
工場の通路
こんなところを歩く職員の作業服が見たいよね。
(案外普通の制服だそうです。つまんないな~
ミケランジェロがデザインしたバチカン衛兵みたいなのがいいな)


舞洲ゴミ工場B
舞洲スラッジセンター 大阪市都市環境局汚泥処理場

下水処理を高熱処理でおこない、汚泥を融解スラグに変え、
建築資材として利用している。舞洲工場から歩5分の近隣に
ある。建築家は同じ、フンデルトヴァッサー氏。

舞洲工場、舞洲スラッジセンターの2工場で建設費1409億円
(2001年完成当時)


そして、この工場群の周りを走り回っているのが、この車 


バッカー車
パッカー車(おなじみのゴミ収集車)

大阪市は3種類のパッカー車があり、その燃料別に色分けをしている。
ビンク:天然ガス燃料車
ブルー:ガソリン車
グリーン:ハイブリッド車


設計者や工場のことは書ききれませんので。もっと知りたい方は

ネットでお調べください。



さて、再びわたくしの作品に話を戻しますと、

今回、賞をとったポイントは、このモチーフを見つけたことでしょうね。

(大阪を描こう会の過去5年の図録を見ましたが、この場所を描いた

作品はありませんでした、みんなどうしたんだろう。)


でも、玩具のような変な工場なので、なかなか絵としてはまとめにくい

モチーフでした。

(陰の声:やっぱり、まともな絵描きさんは敬遠するモチーフだね
(;^_^A )


そこで、2つの工場を合体させ、セザンヌのリンゴではないが、

いろいろな建物の要素を組み合わせて描いてみました。


画力のある画家は写生会などで同じ所を単なる写実で描けば、

高確率で上位に入ることでしょう


そうでない私のような”ごっこ画家”は新しい場所、新しい見方、新しい表現などを

写実でも常に心がける必要があると思っています。


(陰の声:オリジナル性が少しでも大切なんだね
(*^.^*  )


趣味で絵を描いていると言っても、自分なりの向上心は持ちたいと

考えていますし、独りよがりでもそのほうが楽しいのです。


(陰の声:ごっこスーラは自己チューの自称ナイーブ派だから、


みんなと一緒の描き方はいやなんて言ってるけど、本当は画力が

ないのをごまかしているだけだと思います・・・
(;^_^A )



今回の展覧会は、同じサークルの仲間も多く出品していますので

その方達の作品も含めて、会期が始まりましたら会場風景をアップ

したいと思っています。



第19回大阪を描こう展のご案内

2015年1月7日(水)~12日(月・祝)
大阪市美術館地下展覧会質(第3室)
入場無料

私は、7日(水)の14時~16時、
   11日(日)の10時~12時は会場にいる予定です。

(但し、天変地異、交通不通、私の健康状態不良などの場合は
 この限りではありませんので悪しからず。)


もし、私の顔を知っている方がいられたら、お声をかけてくださいね。



大阪を描こう展についてのホームページはこちら



<大阪府知事賞入賞作品・大阪名所図絵之内:不思議な工場・了>




スーラ・ウタガワの
私撰:関西名所図絵・美術館のご案内


このブログの各ページで個別に発表した、スーラ・ウタガワ作品の
名所絵を場所別に集め「美術館」と称して再度アップロードしています。


第1室:大阪南部の名所図絵   開館中
第2室:大阪北部の名所図絵   開館中
第3室:大阪湾岸部の名所図絵  開館中
第4室:神戸地区の名所図絵   開館中
第5室:京都地区の名所図絵   工事中

*各展示室へのご入場(アクセス)はサイドバーのブックマークをご利用ください。

以上、ご案内申し上げます。     館長:スーラ・ウタガワ