毎朝会社に出社する途中で見かける人がいる。
その人は会社の最寄りの地下鉄の駅の改札を出て、地下通路から地上に上がる階段の途中の広い踊り場で、大理石の壁に寄りかかって立っている。
通り過ぎる人たちからは横を向いていて、その表情はどこかイライラしているようでもあり、神経質そうな眼差しは中空のどこを見ているのかよくわからない。
何か落ち着かない様子でまぶたをヒクヒクと振るわせているようでもある。
鼻筋は通り、ゆるやかな鉤鼻の持ち主。
僕自身の出社時間は緩やかで大体8時半から10時の間だが、毎日彼を見かけるということは彼がかなり長い時間その場所にたたずんでいるということだろう。
なぜそこにいるのだろうか。
彼は細身で背は175センチくらい。決して不細工ではないその顔から判断して恐らく20代であろう。芸能人で言えばスマップの草彅くんに似ている。
彼がそこに毎朝たたずんでいる理由を考える。
会社に行くのが嫌なのだろうか?結局は出社しなければならないのに時間ギリギリまでその場所で時間をつぶしているようにも見える。でも、それだったらギリギリまで家にいるほうが普通かも知れない。
誰かと待ち合わせをしているんだろうか。それもおかしいだろう。時間を決めて待ち合わすならば同じ場所に朝からあんなに長時間立っている訳が無い。
もしかしたら通勤途中で会う素敵な人に一目惚れして、もう一度会いたいと望むあまり、あの場所で時間が許す限り待っているのかも知れない。うん、これがしっくりする、と自分に無理やり納得させようとするが、僕の直感がそうではないと言っている。
なにしろ彼は嫌なことをこれから起こることを確信しているような萎縮した表情で眉をひそめ、うつむき加減にしている。
それとも彼は家族を安心させるためにクビになった会社にまだ勤めているがごとく生活し、この場所で時間をつぶしているのではないか・・・想像は尽きない。
彼を見かけるようになってからたぶん2ヶ月くらい経ったはずだ。このまま彼が明日からこの場所に立たなくなったとしても僕の日常は変わらない。
でも通勤途中にすれ違う人たちの数だけ人生があり、喜びがあり苦しみがある。それを窺い知ることはできないし、する必要もない。
でもやっぱり気になるんだよな、あの人。
その人は会社の最寄りの地下鉄の駅の改札を出て、地下通路から地上に上がる階段の途中の広い踊り場で、大理石の壁に寄りかかって立っている。
通り過ぎる人たちからは横を向いていて、その表情はどこかイライラしているようでもあり、神経質そうな眼差しは中空のどこを見ているのかよくわからない。
何か落ち着かない様子でまぶたをヒクヒクと振るわせているようでもある。
鼻筋は通り、ゆるやかな鉤鼻の持ち主。
僕自身の出社時間は緩やかで大体8時半から10時の間だが、毎日彼を見かけるということは彼がかなり長い時間その場所にたたずんでいるということだろう。
なぜそこにいるのだろうか。
彼は細身で背は175センチくらい。決して不細工ではないその顔から判断して恐らく20代であろう。芸能人で言えばスマップの草彅くんに似ている。
彼がそこに毎朝たたずんでいる理由を考える。
会社に行くのが嫌なのだろうか?結局は出社しなければならないのに時間ギリギリまでその場所で時間をつぶしているようにも見える。でも、それだったらギリギリまで家にいるほうが普通かも知れない。
誰かと待ち合わせをしているんだろうか。それもおかしいだろう。時間を決めて待ち合わすならば同じ場所に朝からあんなに長時間立っている訳が無い。
もしかしたら通勤途中で会う素敵な人に一目惚れして、もう一度会いたいと望むあまり、あの場所で時間が許す限り待っているのかも知れない。うん、これがしっくりする、と自分に無理やり納得させようとするが、僕の直感がそうではないと言っている。
なにしろ彼は嫌なことをこれから起こることを確信しているような萎縮した表情で眉をひそめ、うつむき加減にしている。
それとも彼は家族を安心させるためにクビになった会社にまだ勤めているがごとく生活し、この場所で時間をつぶしているのではないか・・・想像は尽きない。
彼を見かけるようになってからたぶん2ヶ月くらい経ったはずだ。このまま彼が明日からこの場所に立たなくなったとしても僕の日常は変わらない。
でも通勤途中にすれ違う人たちの数だけ人生があり、喜びがあり苦しみがある。それを窺い知ることはできないし、する必要もない。
でもやっぱり気になるんだよな、あの人。