
秋たけなわで、柿が美味しいシーズン。
正岡子規の有名な句の、「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」。
晩年の子規は、食い意地をはったようで
随筆に「くだもの」があるようである。
元気なときは、野球にも興じた事でも有名だが。

柿は東アジア温帯固有の果樹で
中国の揚子江流域に野生し、日本へも輸入されて
古くから栽培されていたそうである。
しかし、日本にも独自の野生種があり
今ではそれを改良して栽培されていると
辞典に記載されている。
柿には、甘いのと渋いものの二つがあり
渋柿は、吊るし柿にして食用にする。
吊るし柿は今頃の風物詩で、季節の移り目を楽しませてくれる。
かつて、中国から小さい白い干し柿がよく輸入された時期があったが
今は見られなくなったように思う。
柿の美味しいのはやはり、奈良・吉野がベストで
干し柿は富山産と思うが、人によってはばらつきがありそう。

「横向けばあなたが見えて秋の風」
今朝の全国紙(毎日)のコラム「季語刻々」に
掲載されていた句である。池田澄子さんという方の一句。
坪内稔典さんの解説もいい。
「秋はもの悲しい季節。そんな秋に吹く風は心のひだというか
隙間(すきま)にしみる感じ。この句の(主人公)は夫婦、恋人どうしだろうか~」と。
また、「秋には、飽きがかかっているかも」とも。
万葉の時代から、言葉を重ね合わすのは通例。
この時代を振り返るまでもなく、日本語は微妙極まる。