

かつて、このブログで
黒部峡谷とトロッコについては
紹介したが、発電所の事は触れていなかった。
今回の原発事故に関連して、改めて見直してみた。
黒部峡谷は水力発電の本拠地とも言える場所だ。
写真は黒部川第二発電所。
当時の日本電力が昭和8年(1933)に着工。
3年後に運用を開始。
発電形式はダムの水を利用した水力発電所。
最大出力は7万2千kw。


黒部峡谷のある黒部川は、北アルプスの鷲羽岳を源流とし
日本海に注ぎ、総延長は85キロ。
黒部川は水量が多いうえ、高低差があるため
水力発電に有利な、自然条件が備わっている。
大正の時代から電源開発が始まり
今は水力発電所が集中して
映画の舞台になった「黒部の太陽」は”くろよん”の名前で
おなじみだが。
しかし、黒部川第三発電所のダムの建設では
多くの犠牲者が出て、約300人とも言わていれる。
このあたりの事は、吉村昭さんの小説「高熱隧道」に描かれている。
160度に達する高熱の中で、岩盤を掘り進む建設作業だったそうである。
黒部峡谷付近は温泉が湧きだし、訪れる人も多い。
当時の建設に携わった人には残念だが
現在は、これらの場所は地熱発電の場所になるように思うが。
地熱発電は原発に代わる有力電源として期待されているが
現時点では、全国的にあまり進捗していない。

トロッコ電車でなじみの黒部峡谷鉄道。
冬場を除いて運転されている。ちなみに、この鉄道は
資材運搬など、電源開発のために造られたものである。
新緑の頃は、木々の合間に立山連峰の
高い峰が顔を覗かせ、目に爽やか。


戦後間もないころまで
電力は水力が中心だったが
経済成長時代以後は、化石燃料に続き原発の
比重が強まる。
経済発展と生活の豊かさの恩恵は
電力の果たす役割が大きい。
発展と豊かさは、リスクと表裏一体。
今回の東北の地震でそのように思った人が
多いように感じれる。

(写真は一昨年5月に撮影)