
掟とは少しものものしいが
マナーというか、人の心をいかにとらえるか。
そんな心得のように思う。
京都・祇園の芸妓で知る人ぞ知る存在だった
岩崎峰子さんの思いを若干、触れてみたい。
「私たちは御座敷に伺うときには襖を開けて
扇子一本を置いて<おぉ−おきにぃ>と挨拶してから
御座敷に入ります。
これは、扇子一本の向こう側は上座(お客様)
こちら側が下座(舞妓・芸妓)とケジメを表したものだそうである。
よく、テレビ・映画の類で見るシーンである。
人と人との間には、”越えてはいけない一線”があるという。
「私は桃山時代の豪商で侘び茶を確立した千利休の
話を思い出します。この利休が秀吉の勘気にあって
切腹を申付けられ自害します」。 さらに
原因はいろいろ考えられている話だが
岩崎さんはこう述べている。
「ある日、秀吉が利休の庭の朝顔を見たいと所望する。
秀吉が行ってみると、庭中に咲いていた朝顔が
すべて切り取られ、一輪だけが茶室の花器に活けてあったという話です」。
これについて、岩崎さんは「利休は、秀吉に侘び寂びの心をそれとなく教えようとした。
秀吉は利休の真意がわからず切腹させた」という諸説を紹介する。
そして。 「祇園甲部では茶道を基本として舞妓や芸妓は
裏千家茶道が必須科目だ」と。
「個人的には利休を尊敬しているが
個人の意見をいわしてもらうと、利休の振る舞いは
秀吉というお客様に対して出すぎているのではないか?」と。

少し長くなったが。
岩崎さんのモットー。
①何があってもにこにこしていること
②腰を低くすること(謙虚)
③ていねいに物をあつかうこと
④人に尽くすこと
⑤堂々としていること
⑥嘘をついてはいけないこと
⑦騙してはいけないこと

岩崎さんはさらにコメントする。
花柳界は花街とも表現されるが
花柳界の花の意味は、牡丹や芍薬のような主役にもなれば
カスミ草などの脇役にもなれると、女性を花にたとえている。
「柳」はどんな過酷な条件にも屈しない、強い精神力を意味しているとも述べている。
かつて、プロ野球の世界で、長嶋茂雄選手はヒマワリ
野村克也選手は月見草とたとえられ、話題を呼んだ時期があった。
人生の花道は難しい。

岩崎峰子さんは現在、引退して結婚生活を送っている。
祇園を愛してやまない岩崎さんの著書「祇園の教訓」から
記事の参考にさせてもらった。