オバマ米大統領就任演説を読んで | 世情いろいろ

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日々、思いついた事、感じた事を写真をまじえながら
記録していきます。そして季節性を取り入れながら。ジャンルは
多岐、多彩にと思っています。

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 やはり世界のリーダー格の

アメリカ大統領の就任演説は

 抽象的だが、格調が高い。

200万人も就任式に参加したのは

 多分、アメリカの歴史で始まって以来の

事だろう。いろんな意味合いで、アメリカを象徴する出来事だ。

 裏を返せば、今のアメリカは

 経済危機と戦争という大きなテーマの

難局の時点にあり、それをどう乗り越えるかの

 期待でもあろう。


 オバマ新大統領の就任演説を読んでいて

格調はあるものの、賛意を覚える点と、ちょっと違和感を

 覚えるところががあるので、触れてみたい。

まず一番目。

 「試練は数多く、そして深刻なものだ。短期間では解決できない。

だが知るべきなのはアメリカはいつか克服するということだ。

 この日に我々が集まったのは、恐れではなく希望を選んだためで

争いのかわりに団結を選んだからだ」。

 その通りだが、試練は金融にしろ、イラク、アフガン戦争にしても

過去、アメリカが選択したもので、反省みたいなものがない。

 次期政権の、新しい取り組みへの決意は評価したい。

二番目。

 「聖書の言葉を借りれば”幼子らしいこと”をやめる時が来た。

…全ての人々は平等、自由で最大限の幸福を追求する価値があるという

 神の約束である」。

国などによって、宗教の違いは当然である。

 しかし、自由、平等のデモクラシーの理念が

神の言葉で、くくられているところに引っかかる。

 文化の違いか。

 ちょっと見当違いだが、日本でかつて、森政権の時代に「神の国」の

発言で物議を呼び、政治問題となった事がある。

 政教分離は日本憲法にも書かれ、昨今の国会論議ともなっている。

とはいえ、正月には伊勢神宮への首相参拝は恒例になっている。

 複雑なシステムだ。

 三番目。

「我々のために彼らは(米独立戦争の戦場の)コンンコードや

(南北戦争の)ゲティズバーグ、(第二次大戦の)ノルマンディーや

(ベトナムの)ケサンで死んだ人だ」。

ここでは、太平洋戦争の端緒となった、ハワイでの日本軍による真珠湾攻撃の犠牲者が

 出て来ない。省略されたのかも知れない。

ブッシュの時代では、イラク戦争での例えに

 太平洋戦争の時に、日本が降伏しその後、仲間になった事を

引き合いに出している。

 四番目。

「我々の能力は落ちていない。だが過去に固執し

狭い利益しか守らず、面倒な決定は後回しにする時代は終わった」。

 これは、アメリカ発の経済危機の要因になった、市場原理主義の反省ではないか。

そして世界の温暖化防止に

 消極的で、京都議定書にも背を向けた考えを

軌道修正する意味とも取れる。

 それは、すぐ続くくだりの「太陽、風や土壌を使って

我々の自動車の燃料とし、工場を動かす」にも表われている。

五番目。

 これは、今の日本の政治にかかわる行政改革にも

当てはまる言葉だ。

「公金を預かる我々は、説明責任を果たさなければならない。

適切に支出し、悪い習慣を改め、誰からも見えるように業務を行う。

 それによって初めて、国民と政府の間の重要な信頼を回復できる」。

演説は前後するが、「政府が大きすぎるか小さすぎるかでなく

 機能しているかどうかだ」とも述べている。

定額交付金と消費税の関係、政治や官僚システムが機能しているのかどうかの

 問いかけに、なぞらえられてるようにも思える。

今問題の「天下り」、「渡り」にしてもそうだ。

 ただ、アメリカも膨大な財政赤字を抱えている。

 六番目。

 「我々が成功するかどうかは、労働と誠実さ、勇気、フェアプレー、忍耐

好奇心、忠誠心や愛国心にかかっている。古くから言われてことだ」。

 アメリカの強さは、建国以来の、このような言葉に代表されるのだろう。

あの第二次大戦の勝利は、それを表わしている。

 ただ、ベトナムやイラク、アフガン戦争ではうまく

処理ができていない。この辺がアメリカのジレンマであり

 限界を見るような気もする。

七番目。

 「…非常に困難なこの冬に…希望と美徳を持って、この氷のような冷たい流れに

勇敢に立ち向かおう」と呼びかけ、後半の締めくくりに結びつける。


 アメリカの苦悩が読み取れるが

問題は、具体的な政治はこれから。

 きれいな言葉だけでは、事は前進しないであろう。

アメリカは国民性から言っても、楽観的な国だ。

 就任式の後の舞踏会は、セレモニーとはいえ

華やかだ。日本もアメリカの出方待ちに終わらずに

 戦略的な外交に、取り組む時代を迎えているように思える。