








訪れる人は多いが、どこか郷愁みたいなものを
感じさせる隠れたエリアがまだ残っている。
京都・東山区にある「石塀小路」。
八坂神社正面の東大路通を少し南へ行く。
そして、東に入ると下河原通から高台寺通に抜ける
細い石畳と石塀の小道が続く。
大正初期に貸し茶屋、住宅街として都市計画化されたそうだが
今は祇園の奥座敷として料亭、旅館、民家などが
立ち並ぶ町並みとなっている。
ここは名前通り、石畳と石塀が美しい所で
なくなりつつある、懐かしい日本の風景が残されている。
資料によれば、昭和50年代に廃止された
市電の石畳が一部、移設された話も残されている。
あまり観光化されずに、訪れる人も少ない。
作家の浅田次郎さんは、何かの雑誌に
お気に入りの場所として、次のような一文を寄せている。
「ここを訪れるのは、糠雨の降るたそがれどきがいい。
~歩むこむほどに時もところも定かならぬ不思議な
気分になる」。
この日、訪れた時は昼下がりで、梅雨の晴れ間だった。
雨の日の夕方にもう一度、訪ねたくなるところだ。