図面の仕事で線を引く。
かつては本当に定規をあてて
鉛筆で線を引いていた。
今はCADを使うので
線を引く作業はパソコン画面上で
点と点を指定すれば自動的に線となる。
線の太さも色も破線の種類も
簡単に設定が出来るので
私の気分がどうであっても関係なく
僕の性格がこうであっても影響なく
綺麗な真っ直ぐな線が引けるのだ。
人間関係に線を引く。
かつては電話かFAXで伝えるか
手紙を送るか直接告げるか。
今はLINEで「もう無理、ごめん」って
わざわざ断らなくても
簡単にブロックして拒否できる時代だ。
世界の分布に線を引く。
かつては上下関係、左右、何出身とか
家系や男女の区別がハッキリしていた。
今は差別も性別も軽蔑もタブーで
分別するにも秘かに鑑定に委ねられ
判別され選別され識別される社会だ。
私の心を線で描く。
かつてはぐるぐる書き殴るだけの
感情まかせのぐちゃぐちゃな落書き。
今はクルクル滑るように軽やかに
嘘をつきゴマを擦りホラを吹いて
平然とのうのうと生きていられる。
僕はいつも線を引かれる。
かつては気付かずに気にもせず
平然とのうのうと暮らしていたけど
今は寂しくても悔しくても悲しくても
痛くても辛くても苦しくても怖くても
楽しいときも嬉しいときも
のうのうと平然と相変わらず
飯食って寝て起きている繰り返しなので
幸せだな♪

