「今まで散々、与えて、与えて
贅沢ばかりだったから
肝心な時に我慢することが
出来なくなったんじゃないの!」
「好き放題を許してしまい
甘やかしてしまったから
こんな事になったんじゃないの!」
「私には結構、厳しかったよね?
あの厳しさを忘れたの?
今は私も親の立場になって
厳しさの意味は分かっているし
こんなことを許したら
絶対にダメな人間になると思う!」
・・・
長女から
三女の今後について
かなり心配した内容で
慌ただしく電話が入った。
親父としての素性を
幼い頃から知っている長女は
僕の投げやりな態度に憤慨して
感情のままに訴えてきたのだ。
さらには
その三女の計画が
セレブな次女夫婦の恩恵に肖り
自己努力の無い棚ボタだ!と
喚起も含まれていた。
子供の考えとしては異常だし
そんな我儘を許してしまえば
この先は自力で生きて行けない・・
・・という見解だった。
父親としての威厳は示さないのか?
親として意地もプライドも無いのか?
とにかく全てに呆れてしまい
許せない様子だった。
・・・・
「お前達の時には
偏った考え方を押し付けて
親の身勝手な都合を
何かと 強要させてしまい
本当に申し訳なかったと思う。
本当にごめん!」
「あの頃は成り行き任せで
色んな可能性を否定してでも
自分なりにお前達の事を
考えていたつもりだった・・・」
「まさに毒親であり
ドリームキラーとして
お前達の夢や目標を
ことごとく潰してしまった・・・」
「だから、お前達の今にも
孫にも三女の今からにも
勝手な考えを押し付けないように
流れを受け入れて
ただ見守るしかない」
「今は自分の過去を悔やんで
反省している立場だから
偉そうに何かを語るなんて無理だ」
・・・・
「あの時は・・・何かが
間違っていたかもしれないけど
真剣に向き合ってくれたから
その情熱は伝わっていたと思う」
「今のお父さんには
その情熱が無くなったし
すっかりと丸くなって・・・
何となく
愛情も無くなっている?
そんな気がしてならない」
・・・・・
あの頃は・・・・
お母さんのカレシ気分のままで
夫になること、家族になること
二人のお父さんになること
漠然とした夢も希望も野望もあった。
仕事は覚えることだらけで
経験も知識も不足で未熟。
何事にも、自分に対しても
不満と不安ばかりを持っていて
いつも苛立っていた。
まだまだ何かと
遊びたい欲望もあったので
周りの友達が気になり
世間の流行りも追いかけていた。
何もかもに
いちいち向き合っては
すべてが必要なんだと
勘違いをしていた。
でも・・・
その勘違いは
生きるための勢いで
エネルギーでもあったので
今、冷静に考えても
しょうがないことだったと思う。
ぶつかっては覆されて
恥をかいては楽しんでいた。
怒って叫んで泣いて笑った。
喜怒哀楽の感情が
激しく変化しながらも
その刺激は生きる為の
推進力となっていたのかも。
今となっては
恥ずかしいことだけど・・・・
あの頃は
男として人間としても
夫として父親として
社会人としても
このままで大丈夫かな?
・・・なんて思い上がっていた。
何となく心にも
余裕が出来たタイミングで
三女が生まれた。
一からの子育てが新鮮で
戸惑って悩んで
面白くて不思議だった。
長女も次女も協力的で
お姉ちゃんというよりも
どちらかといえば
小さなお母さんとなって
家族をフォローしてくれた。
やがては二人とも
社会人となって家庭を持ち
それぞれの生き方で
色んな私見を抱きながら
ある程度の人生観を軸として
家族を支え守る立場となった。
父親の立場からしたら
あっという間に大人になった!
しかも、
母親としても女性としても
人間としても
いつの間にか立派になっていた!
改めて考えると
勝手に子供のままで
成長しているので
孫からしたらママなんだけど
俺からしたら娘のままだ!
www
お互いその都度に
色々とあったけど
その色々な分だけ
喜びもあり、楽しみもあった♪
だけどね・・・
現実的には
父親としての至らなさ
夫としての不甲斐なさ
社会的な存在も希薄で
弱者で格差の底を生きている
・・・なんて自分の立ち位置が
明確に浮き彫りになるばかり。
社会の現実は
理解できるようになれば・・
分かれば分かっただけ
自分の現状を
悲観するようにもなったんだ。
努力を諦めて、言い訳へと転嫁して
精進を怠っていても、笑いで誤魔化して
その真意に気付き恐れていても
目を伏せて流れに逆らわず
皆で集って騒げば肯定♪
みんなと一緒に居たら安心♪
そんな雰囲気に安堵していた。
疑うことも立ち止まることも
野暮でタブーだと吹き飛ばし
とりあえず生活して
とりあえず生きてきたんだ。
湧き上がる矛盾は
直視することから逃げ
理不尽な事でも
常識という正当化に委ねて
ちゃんと向き合うことから
避けて除けてかわしながら
自分を擁護してきた。
年齢や経験を積めば
結果は歴然となるので
言い訳には限界が来てしまった。
否が応でも自分の姿を曝け出し
恥も怠慢な現状も明るみとなる。
もう騙せない、誤魔化せない。
世間に馬鹿にされて
家族からも笑い者となる。
その瀬戸際から逃れる為に
自傷の一人芝居で
悲劇を装い
自分で自分を
思いっきりコケにした。
同情を誘い
痛みをアピールして
必死に暈してみたけど
世の中はそんなに甘くは無かった。
・・・・
そんな状況で
人生を学び直して
人間の凄さに
改めて感動している最中に
次女の玉の輿・・
格差婚というギャップを
目の当たりにした。
本物のセレブの前では
ただただ唖然として
嘘もハッタリも必要なかった。
異次元の環境の違いに
驚きはしたけど
あまりの衝撃に
言葉は何も出てこなかった。
世間では
金持ち父さんと貧乏父さんの
違いも仕組みも発信されていて
父ちゃんは・・・・
どう考えても
貧乏な父さん役
そのものだよねー!ww
って家族みんなから笑われて
自分でも自分を笑った。
自分の現実なんて
世間からも金融機関からも
門前払いされるという
残念な末路のままで
未だにこの世を
さ迷っているから
本当は・・・
笑い事ではないのだけど
笑うしかなかった www
・・・・
これだけの真実が
情報でも日常でも
くっきりと刻まれていて
繰り返し配信されては
裏付けもされている現代社会。
いくらなんでも
この場に及んで
これ以上の、、、
ハッタリを駆使して
父親の威厳を醸し出し
何かを伝えるなんてムリ!
情熱的な勢いに任せて
自分の見解を示し
今更、通用しない持論を
堂々と言えるほど
俺はそんなに強くない!
そんな勇気も根性も無い!
お前ら家族は
みんなして
父ちゃんの虚勢を暴き
勢いだけで威張っていた
わずかな自信まで奪い
ことごとく希望も
へしおった張本人じゃん!
これ以上
俺に何を?どうしろって言うの?
こっちが話を
聞きたいぐらいやっど!!
・・・・
結局は
無能で無謀な詭弁なんて
何事も成就せずに
誰も幸せに出来ない。
それ以上に
自分自身も
悲しくさせてしまうのがオチ。
それでもこのまま生きるなら
生きる覚悟があるのなら・・・
成功者や金持ちを羨んで
敵視して遠吠えするよりも
自分の過去は
卑下して自虐で笑いながら
肯定という浄化で慰め癒し
今をただ、生きるしかない。
神様や世間様が
横目で薄笑いを浮かべても
気にせずに
前を見て進むしかないのだ!
急ぐ時には走ればいいし
自転車や車を利用すれば
もっと早くに辿り着く。
卑怯でも横着でも
自分が良ければ
それでイイ♪
ただそれだけのこと。
・・・・・
そんな心境を語り
それでも生きている
父親の姿に同情したのか?
長女の勢いは静まって
ドン引きしているみたいだった ww
これだけの悲観的な内容なら
同情を通り越して
あまりの悲惨さに
掛ける言葉も無く
ただただ閉口したのかも?
・・・・・
「今度、みんなで一緒に
どこか食事でも行こうか?」
絞り出すような
フォローの言葉は
カラカラに乾いていたけど
拙い話で強引に逸らして
不器用にも
僕を慰めてくれた ww
・・・・・
三女の前向きな勢いの陰には
歪んでいても不足していても
親父の愛情があるんだよ!
何も言えない立場なら
見守るだけの愛もあると
どうか汲み取って欲しい!
その雰囲気を
痛く感じて察しても
穏やかに受け入れて
父親をこれ以上
悲しませないように
父ちゃんの心情に触れず
気が付かない振りをして
そっとしておいて欲しい!
そのままの日常で
三女の勇気を肯定して
その一歩を称えることこそ
家族として
父親に対する
忖度なんじゃないの?
www
父ちゃんだって
色々と辛い立場なんだから
これ以上、傷口を広げずに
そっと見守ってくれ!
www
・・・・
冷え込んだ朝に
淡々と高速を走らせて
三女を学校まで送った。
車内の後方で
娘はスマホを弄りながら
鼻歌で上機嫌♪
www
見送った後に
バイバイと手を振る娘に
軽くパッシングして
僕は低めに敬礼をした。
ふと寒空を見上げると
青空は何となく
笑っているようだった。
たぶん、笑っていた・・
ww
遮る雲も無く
わっぜぇ爽快な
晴れ間だったから
きっと
清々しい笑顔だったハズ!
僕の勝手な
忖度だけどね。
www