長男は生まれた時から心臓の病気でした
3ヶ月の雪の降る寒い日に心不全で入院しました
ミルクを飲んでも噴水のように吐く事があり心配していました
胸の音が少しするのでかかりつけの大きな病院に行きました
即入院になりました
長女は義実家に預けていたので安心でしたが直ぐに旦那さんに連絡しました
スマホもない時代でしたので病院の公衆電話から職場に連絡した途端に不安になり涙が出て仕方なかったです
それから3ヶ月後に手術の予定になりましたが前日麻酔科の先生が来られた時には微熱がありました
微熱なら手術は可能だと判断されましたが夜には40度近い発熱で麻疹だと先生に言われました
心臓の悪い赤ちゃんには麻疹は命取りだと言われていました
ナースセンター横の部屋に移動して一晩中、首、両脇、両脚のリンパ腺を氷の入った袋で冷やしました
直ぐに息子の身体は冷たくなってしまいます
氷袋を外すと熱くなるのでまた当てるの繰り返し
何度も看護師さんが氷袋を交換してくれました
朝、師長さんが来られて言われました
今日の手術は中止になりました
赤ちゃんの手術は成功か失敗しかないのよ
もしも半日発熱が遅れていたら手術していたでしょう
〇〇君は生きる運を持っているのよ
強い運を持っているんだね
その後体調が回復して息子は手術をして元気になりました
退院まであと何週間かという時期に隣のペットに入院してきた赤ちゃんは翌日が手術の予定だとお母さんが言われていました
点滴をしていない方の足が冷たいとお母さんの声がしていたので息子が退院の時履かせてやって欲しいと母が持って来てくれいた靴下が2足あったので1足貸してあげました
片方だけで良いからと言われて片方は私が持っていました
その夜、隣からお母さんの声と看護師さんの声とバタバタする足音で目が覚めました
急変して心臓が止まってしまったと言うのです
先生も来られて亡くなったことがわかりました
カーテンの向こうは静かになりました
朝、ご家族が迎えに来られてお母さんに抱かれて帰って行かれるのを見ました
足には貸してあげた靴下を履いていたのでしょう
靴下は帰ってくる事はありませんでした
予定がズレて息子が手術をして貰った日はその子の手術予定日だったのです
もしも予定通り息子が手術をして亡くなっていたらその子が予定通り手術をして元気になっていたのかも知れません
そんな事を考えてしまい師長さんに話をしたら
先生は息子さんの手術をする時期を症状を見て決められて、予定をずらした子供さんは予定をずらしても大丈夫だと判断されたのだから誰も悪くない
運があったのですよ
これからもきっと息子さんは強い生きる運を持って生きていくでしょう
と言われました
息子が歳をとるたびに亡くなった同い年の赤ちゃんの歳を考えます
子供をもつと可愛いです
愛らしいです
宝物だと思います
その子を亡くすことがどれだけ哀しいか、苦しいか辛いかよくわかります
許すとかではないのかも知れませんが
あの子のお母さんに言いたい
手術日を譲って貰ってごめんなさいね🙏
私の息子は元気に生きています