今回は②カシオペイアと星の時間
についてお伝えします
以前の記事はこちらです
『モモ』と占星術
『モモ』を全て読んで思ったことが
この物語を創造した人物は
星座や神話、占星術に詳しい人物だ
ということです
余談になりますが、作者はあとがきで
旅の途中で会った人に聴いた物語だ
と書いています
なのでミヒャエル・エンデ自身が
これらの分野に詳しかったのかは
わかりません
私が占星術に詳しいと思ったのは
・第3章 子どもたちの航海ごっこ
→アルゴ船(ギリシア神話・星座あり)
・第9章 案内するカメはカシオペイア
→ギリシア神話、星座
・第12章 星の時間
・全体 モモの在り方の変化
このような部分があったからです
この内のカシオペイアと星の時間が
今回のテーマです
モモの在り方の変化は
次回のモモの星で取り上げます
カシオペイア
カシオペイアは先述のように
第9章から登場し
モモをマイスター・ホラのいる
〈どこにもない家〉に道案内します
この道はカシオペイアの中に存在します
また、カシオペイアは
三十分先までに起こることなら
確実にわかる能力を持っています
ただし、これはわかるだけで
起こることは変更できません
そして甲羅に文字を浮かべることで
会話することができます
これが
『モモ』における
カシオペイアという存在です
ここからは
星座のカシオペアについて
考えていきます
カシオペア座は
ギリシア神話で自分の娘を神と比べる
傲慢の罪を犯したエチオピア王妃が
星座になったものとされています
英雄ペルセウスを含めて
関連人物の多くが星座になっています
詳しくは以前の記事で紹介しています
そのような経歴を持ったカシオペア座は
占星術では
土星と金星に似た影響力を持ち
過剰な自尊心や強いリーダーシップを
象徴するとされています
土星は公転周期が長いので
社会天体と呼ばれて
その時々の社会の動向を表します
特に物事を縮小させるエネルギー
地盤固めや安定を目指すエネルギー
を示します
金星は個人天体で
女性性や興味・好意、調和させる
といったエネルギーを持ちます
これらの影響力から
カメのカシオペイアについて考えると
三十分先の確実な未来視は
外界、つまり社会で起こることを
自分の中に取り込み、調和させることで
知ることができる
ということではないかと思います
変えることができないのは
土星の力が固めるエネルギーだから
なぜ未来しか視られないのかは
金星の力である興味やワクワクというのは
過去ではなく未来に向かうものだから
さらに〈どこにもない家〉への道が
カシオペイアの中にあるというのも
カシオペア座の
強いリーダーシップという部分が
影響しているように思えます
また作中での
カシオペイアのキャラクターは
自分のことは自分で決める
しっかりとした自己意識がある存在
として描かれています
こうした部分も王妃カシオペアの
人物像につながりますね
以上がカメのカシオペイアについての
考察です
星の時間
星の時間とは
第12章のモモとマイスター・ホラの出会い
の場面に出てくる時計が示す概念です
その部分を引用したいと思います
「星の時間て、なんなの?」
次回は
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