「歌舞伎座七月大歌舞伎」
にて上演された、
「蝶の道行」。

数年に1度は上演される
人気舞踊と言えますが、
演者を選ぶ演目かもしれません。

今回はフレッシュな若手、
染五郎・團子のコンビでした。


私の目に焼き付いているのは、
こちらです。


五世中村富十郎と、
四世中村雀右衛門、
踊りの名手二人の舞台。
(ビデオを繰り返し見ました。)


見慣れたこちらは、
武智鉄二演出。

舞台装置は極彩色。
衣装も派手です。

ロミオとジュリエットを
彷彿とさせる幕切れは
圧巻でした。



今回は二世藤間勘祖
(現・勘十郎の祖父)の振付。


舞台は淡い色合いで、
振り付けも
あっさりしているようです。


ふたつの「蝶の道行」…

演出の違いに疑問があり、
調べてみました。

「蝶の道行」の歴史


「蝶の道行」、もとは、
天明期の大阪で初演された、
「けいせい倭荘子」という
芝居の一幕として上演。

その後、人形浄瑠璃でも
上演されましたが、
歌舞伎では、長い間
途絶えていたようです。


1956(昭和31)年
歌舞伎座にて、
六世中村歌右衛門と
八世松本幸四郎により、
上演されました。


その後、1962(昭和37)年
歌舞伎座にて、
「けいせい倭荘子」が
「天明歌舞伎180年振り復活」
と銘打ち 武智鉄二演出で
上演されました。

小槙は六世中村歌右衛門、
助国は七世尾上梅幸。

このときの武智演出の
「蝶の道行」が、その後
よく上演されることに
なったようです。


藤間勘十郎(二世藤間勘祖)の
振り付けは、
1966(昭和41)年、
大阪新歌舞伎座にて。

小槙は六世中村雀右衛門、
助国は三世市川猿之助との
記録が残っています。